IT サービスにおける SLM に関する説明のうち、適切なものはどれか。
- ア. SLMでは, SLA で合意したサービスレベルを維持することが最優先課題となるので、サービスの品質の改善は補助的な活動となる。
- イ. SLM では, SLA で合意した定量的な目標の達成状況を確認するために、サービスの提供状況のモニタリングやレビューを行う。
- ウ. SLM の目的は、顧客とサービスの内容、要求水準などの共通認識を得ることであり, SLA の作成が活動の最終目的である。
- エ. SLM を効果的な活動にするために, SLAで合意するサービスレベルを容易に達成できるレベルにしておくことが重要である。
【答え】イ
【解説】
SLM（Service Level Management：サービスレベル管理）は、顧客と合意したSLAに基づき、サービスの品質や可用性などを管理・改善していくプロセスです。そのためには、正しく継続的なモニタリングとレビューが不可欠です。
各選択肢の解説
ア. SLMでは, SLA で合意したサービスレベルを維持することが最優先課題となるので、サービスの品質の改善は補助的な活動となる。
→SLMでは、SLA（サービスレベル合意）を維持することが重要ですが、それに加えてサービスの品質改善（継続的改善）も重要な目的です。品質改善は補助的な活動ではなく、本質的な一部です。
イ. SLM では, SLA で合意した定量的な目標の達成状況を確認するために、サービスの提供状況のモニタリングやレビューを行う。
→ ⭕ SLMの活動には、SLAに定めた定量的目標（例：稼働率99.9％など）に対して、達成状況をモニタリング、評価、レビューし、必要に応じて改善することが含まれます。
ウ. SLM の目的は、顧客とサービスの内容、要求水準などの共通認識を得ることであり, SLA の作成が活動の最終目的である。
→SLAの作成はSLMの通過点であり、最終目的ではありません。SLMの最終目的は、サービスの品質維持と改善、顧客満足の向上です。
エ. SLM を効果的な活動にするために, SLAで合意するサービスレベルを容易に達成できるレベルにしておくことが重要である。
→容易に達成できるサービスレベルを設定すると、顧客の期待を満たさない恐れがあります。SLAは現実的かつ顧客要求を満たす適切なレベルで設定する必要があります。
以上より、正解はイ.となります。
サービスマネジメント1～ITIL～
※少し細かいのでやや難問ですが、SLMには「継続的なモニタリングとレビューが不可欠」ということが理解できていれば正解は可能です。
