ITパスポート模擬試験~令和3年度【問68】~

全ての通信区間で盗聴されるおそれがある通信環境において,受信者以外に内容を知られたくないファイルを電子メールに添付して送る方法として、最も適切なものはどれか。

  • ア. S/MIME を利用して電子メールを暗号化する。
  • イ. SSL/TLS を利用してプロバイダのメールサーバとの通信を暗号化する。
  • ウ. WPA2を利用して通信を暗号化する。
  • エ. パスワードで保護されたファイルを電子メールに添付して送信した後、別の電子メールでパスワードを相手に知らせる。

【答え】ア

【解説】

各選択肢の解説

ア. S/MIME を利用して電子メールを暗号化する。

→S/MIME(Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions)では、電子メールの本文や添付ファイル自体を暗号化 し、受信者だけが復号できる公開鍵暗号方式を使用することで、デジタル署名によって改ざんやなりすましを防げます。

→ ⭕ すべての通信経路が盗聴される前提でも安全性が高い(すべての通信区間が盗聴される恐れがある場合、メールの内容そのものを暗号化することが重要)

イ. SSL/TLS を利用してプロバイダのメールサーバとの通信を暗号化する。

→これは通信経路(メールソフトとサーバの間)を暗号化する仕組みであり、サーバから先(例:他のサーバや受信者への配送)は暗号化されないことがあります。

→通信の一部しか保護できないため、全経路の盗聴対策には不十分

ウ. WPA2を利用して通信を暗号化する。

→これは無線LAN(Wi-Fi)の暗号化方式です。

→電子メールそのものの安全性とは無関係

エ. パスワードで保護されたファイルを電子メールに添付して送信した後、別の電子メールでパスワードを相手に知らせる。

→よく使われる手法ですが、両方のメールが盗聴されると意味がありません(パスワードも盗まれるリスクあり)。

→安全性は低い

以上より、正解はア.となります。

※「S/MIME」はシラバスに載っていない用語ですが、消去法で解答できる問題です。