マネーロンダリングの対策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア. 金融取引に当たり、口座開設時の取引目的や本人確認を徹底し、資金の出所が疑わしい取引かどうかを監視する。
- イ. 紙幣の印刷に当たり、コピー機では再現困難な文字や線、傾けることによって絵が浮かび上がるホログラムなどの技術を用いて、複製を困難にする。
- ウ. 税金の徴収に当たり、外国にある子会社の利益を本国の親会社に配当されたものとみなして、本国で課税する。
- エ. 投資に当たり、安全性や収益性などの特徴が異なる複数の金融商品を組み合わせることによって、一つの事象によって損失が大きくなるリスクを抑える。
【答え】ア
【解説】
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、犯罪などで得た資金の出所を隠して、正当な資金に見せかける行為です。マネーロンダリングの基本的な対策としては次のようなものがあり、これらは金融機関や仮想通貨交換業者などに義務付けられています。
- 本人確認(KYC: Know Your Customer)
- 取引目的の確認
- 疑わしい取引の監視と報告(STR: Suspicious Transaction Report)
- 継続的な取引モニタリング
各選択肢の解説
ア. 金融取引に当たり、口座開設時の取引目的や本人確認を徹底し、資金の出所が疑わしい取引かどうかを監視する。
→ ⭕ 典型的なマネーロンダリング対策の内容で、金融機関等が行うKYCやAML(Anti-Money Laundering)業務に該当
イ. 紙幣の印刷に当たり、コピー機では再現困難な文字や線、傾けることによって絵が浮かび上がるホログラムなどの技術を用いて、複製を困難にする。
→これは偽造通貨対策であり、マネーロンダリングとは別の話
ウ. 税金の徴収に当たり、外国にある子会社の利益を本国の親会社に配当されたものとみなして、本国で課税する。
→これはタックスヘイブン(租税回避)対策であり、マネロン対策ではない
エ. 投資に当たり、安全性や収益性などの特徴が異なる複数の金融商品を組み合わせることによって、一つの事象によって損失が大きくなるリスクを抑える。
→これは分散投資(リスク管理)の話であり、マネロンとは関係ない
以上より、正解はア.となります。

