プロジェクトマネジメントでは、スケジュール, コスト, 品質といった競合する制約条件のバランスをとることが求められる。計画していた開発スケジュールを短縮することになった場合の対応として、適切なものはどれか。
- ア. 資源の追加によってコストを増加させてでもスケジュールを遵守することを検討する。
- イ. 提供するシステムの高機能化を図ってスケジュールを遵守することを検討する。
- ウ. プロジェクトの対象スコープを拡大してスケジュールを遵守することを検討する。
- エ. プロジェクトメンバーを削減してスケジュールを遵守することを検討する。
【答え】ア
【解説】
プロジェクトマネジメントでは、「スケジュール・コスト・品質(スコープ)」などの制約条件があり、ある1つを変更すると他に影響が出るのが原則です。そのため、競合する制約条件のバランスをとることが求められます。
- スケジュールを短縮したい→人員を増やす(=コスト増加)、機能(スコープ)を削る(=成果物の範囲縮小)
- コストを削減したい→人件費を削る(=納期が長くなる可能性)、要件(スコープ)を減らす
- スコープ(機能)を増やしたい→納期を延ばす(=スケジュールに余裕)、予算を増やす(=開発人員やリソースを増加)
各選択肢の解説
ア. 資源の追加によってコストを増加させてでもスケジュールを遵守することを検討する。
→コストの制約を緩めることで、リソース(人員・設備)を増やして作業を並列化・高速化できる
→ ⭕ スケジュール短縮の典型的手法
イ. 提供するシステムの高機能化を図ってスケジュールを遵守することを検討する。
→機能を増やすのは通常、スケジュールを延ばす方向になる
→高機能化はむしろ開発量が増え、スケジュール短縮には逆効果
ウ. プロジェクトの対象スコープを拡大してスケジュールを遵守することを検討する。
→スコープ(作業範囲)を拡大すると、通常は開発量が増える
→スケジュールは遅延する可能性が高くなる
エ. プロジェクトメンバーを削減してスケジュールを遵守することを検討する。
→メンバー削減はスケジュール遅延を招くおそれがあり、逆効果
以上より、正解はア.となります。
