品質管理担当者が行っている検査を自動化することを考えた。10,000枚の製品画像と、それに対する品質管理担当者による不良品かどうかの判定結果を学習データとして与えることによって、製品が不良品かどうかを判定する機械学習モデルを構築した。100枚の製品画像に対してテストを行った結果は表のとおりである。品質管理担当者が不良品と判定した製品画像数に占める、機械学習モデルの判定が不良品と判定した製品画像数の割合を再現率としたとき、このテストにおける再現率は幾らか。

- ア. 0.05
- イ. 0.25
- ウ. 0.50
- エ. 0.80
【答え】ウ
【解説】
再現率(Recall)とは、実際に正解であるもののうち、どれだけ正しく当てたかを示す指標で、以下の式で求められます(式を覚える必要はありません)。
再現率 = 真陽性 (TP) ÷ (真陽性 (TP)+偽陰性 (FN))
表の内容は次のようになっています。
| 機械学習モデル: 不良品 | 機械学習モデル: 良品 | |
|---|---|---|
| 品質管理担当者: 不良品(正解) | 5(TP) | 5(FN) |
| 品質管理担当者: 良品 | 15(FP) | 75(TN) |
TP(真陽性)=5(不良品を不良品と判定した数)
FN(偽陰性)=5(不良品を良品と誤判定した数)
FP(偽陽性)=15(良品を不良品と誤判定した数)
TN(真陰性)=75(良品を良品と判定した数)
よって、再現率は
真陽性 (TP) ÷ (真陽性 (TP)+偽陰性 (FN))
=5 ÷(5+5)
=5 ÷ 10
=0.5
となります。
簡単に言うと、品質管理担当者が「不良品」と判断した製品が10枚あって、そのうち、AIも「不良品」と判断した製品(正解)は5枚なので、再現率(正解を当てた割合)は「5 ÷ 10=0.5」ということです。
以上より、正解はウ.となります。
※表の読み方(意味)がわかればそれほど難問ではありませんが、わからなかった人はできなくても気にする必要はありません。

