不正競争防止法で規定されている限定提供データに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア. 特定の第三者に対し、1回に限定して提供する前提で保管されている技術上又は営業上の情報は限定提供データである。
- イ. 特定の第三者に提供する情報として電磁的方法によって相当量蓄積され管理されている技術上又は営業上の情報(秘密として管理されているものを除く)は限定提供データである。
- ウ. 特定の第三者に提供するために、金庫などで物理的に管理されている技術上又は営業上の情報は限定提供データである。
- エ. 不正競争防止法に定めのある営業秘密は限定提供データである。
【答え】イ
【解説】
不正競争防止法で規定されている「限定提供データ」とは次の3つの要件を満たすデータをいいます。
- 業として特定の者に提供されること(限定提供性)
- 電磁的方法により相当量が蓄積されていること(相当蓄積性)
- パスワード等でアクセス制限されていること(電磁的管理性)
ただし、3つの要件を満たしている場合でも営業秘密に該当するものは除外されます。
各選択肢の解説
ア. 特定の第三者に対し、1回に限定して提供する前提で保管されている技術上又は営業上の情報は限定提供データである。
→「業として」特定の者に提供されること、すなわち反復継続的に提供していることが要件となるため、「1回に限定」という表現は限定提供データの定義に合致しません。
イ. 特定の第三者に提供する情報として電磁的方法によって相当量蓄積され管理されている技術上又は営業上の情報(秘密として管理されているものを除く)は限定提供データである。
→ ⭕ これは限定提供データの要件に合致しています。秘密として管理されていないという点がポイントです。
ウ. 特定の第三者に提供するために、金庫などで物理的に管理されている技術上又は営業上の情報は限定提供データである。
→「電磁的方法により」相当量が蓄積されていることが要件です。物理的に管理されているものは営業秘密の特徴であり、限定提供データの定義には合いません。
エ. 不正競争防止法に定めのある営業秘密は限定提供データである。
→3つの要件を満たしていたとしても、営業秘密は限定提供データとは別の概念であり同一視できません。
以上より、正解はイ.となります。
