システム開発の上流工程において、業務プロセスのモデリングを行う目的として、最も適切なものはどれか。
- ア. 業務プロセスで取り扱う大量のデータを、統計的手法や AI 手法などを用いて分析し、データ間の相関関係や隠れたパターンなどを見いだすため
- イ. 業務プロセスを可視化することによって、適切なシステム設計のベースとなる情報を整備し、関係者間で解釈を共有できるようにするため
- ウ. 個々の従業員がもっている業務に関する知識・経験やノウハウを社内全体で共有し、創造的なアイディアを生み出すため
- エ. プロジェクトに必要な要員を調達し、チームとして組織化して、プロジェクトの目的の達成に向けて一致団結させるため
【答え】イ
【解説】
業務プロセスのモデリングとは、実際の業務の流れを図やモデル(例:業務フロー図、BPMNなど)で可視化し、業務の理解を深め、システム開発に必要な要件を明確にする作業です。
これにより、関係者(利用者、開発者、経営者)間で共通認識を持てる、問題点(ボトルネック、ムダ、重複)を発見しやすくなる、適切な要件定義やシステム設計が可能になる、といったことが実現できます。
各選択肢の解説
ア. 業務プロセスで取り扱う大量のデータを、統計的手法や AI 手法などを用いて分析し、データ間の相関関係や隠れたパターンなどを見いだすため
→これはデータマイニングやAI分析の目的であり、業務プロセスのモデリングの目的とは異なります。
イ. 業務プロセスを可視化することによって、適切なシステム設計のベースとなる情報を整備し、関係者間で解釈を共有できるようにするため
→ ⭕ 業務プロセスのモデリングを行う目的です。
ウ. 個々の従業員がもっている業務に関する知識・経験やノウハウを社内全体で共有し、創造的なアイディアを生み出すため
→これはナレッジマネジメントに関する説明です。
エ. プロジェクトに必要な要員を調達し、チームとして組織化して、プロジェクトの目的の達成に向けて一致団結させるため
→これはプロジェクトマネジメント(特に立ち上げやチーム編成の段階)もしくはキックオフミーティングの説明です。
【参考】キックオフミーティングとは
プロジェクトの開始時に開かれる公式な会議で、主に以下の目的があります
- プロジェクトの目的・背景・ゴールを共有する
- 役割分担やチーム体制の確認
- チームとしての一体感を醸成(モチベーション向上)
以上より、正解はイ.となります。
