企業の戦略立案やマーケティングなどで使用されるフェルミ推定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア. 正確に算出することが極めて難しい数量に対して、把握している情報と論理的な思考プロセスによって概数を求める手法である。
- イ. 特定の集団と活動を共にしたり、人々の動きを観察したりすることによって、慣習や嗜好,地域や組織を取り巻く文化を類推する手法である。
- ウ. 入力データと出力データから、その因果関係を統計的に推定する手法である。
- エ. 有識者のグループに繰り返し同一のアンケート調査とその結果のフィードバックを行うことによって、ある分野の将来予測に関する総意を得る手法である。
【答え】ア
【解説】
フェルミ推定とは、一見すると見積もるのが非常に困難な数量を、手元にある情報や常識、論理的な推論を使って概算する手法です。
具体例としては、「日本にあるコンビニの数は?」、「東京で1日に飲まれるコーヒーの杯数は?」、「日本全国の電車で使われている座席の数は?」といった質問に対し、ざっくりとした前提や仮定を分解して積み上げて答えを導きます。
各選択肢の解説
ア. 正確に算出することが極めて難しい数量に対して、把握している情報と論理的な思考プロセスによって概数を求める手法である。
→ ⭕ これはフェルミ推定の説明です。
イ. 特定の集団と活動を共にしたり、人々の動きを観察したりすることによって、慣習や嗜好,地域や組織を取り巻く文化を類推する手法である。
→これはフィールドワークもしくはエスノグラフィ(ethnography)の説明です。
ウ. 入力データと出力データから、その因果関係を統計的に推定する手法である。
→これは回帰分析(統計的因果推定)の説明です。
エ. 有識者のグループに繰り返し同一のアンケート調査とその結果のフィードバックを行うことによって、ある分野の将来予測に関する総意を得る手法である。
→これはデルファイ法(Delphi Method)の説明です。
以上より、正解はア.となります。
※やや難問です。「フェルミ推定」はシラバスに載っていない用語なので、「消去法+勘」で答えればOK。