変更管理委員会が設置されているプロジェクトで変更要求が発生した場合の記述として、最も適切なものはどれか。
- ア. 変更管理委員会では、プロジェクトに関わるステークホルダ以外の第三者によって変更要求が審議される。
- イ. 変更管理委員会は、コストの増加や期日の延期を理由に変更要求を却下してよい。
- ウ. 変更管理委員会は、スコープに変更が発生しない範囲で変更要求を受け付けなければならない。
- エ. 変更要求は、全てプロジェクトマネージャが承認した後に変更管理委員会で審議される。
【答え】イ
【解説】
変更管理委員会とは
変更管理委員会(Change Control Board:CCB)とは、プロジェクトにおいて発生した変更要求を評価・審議・承認または却下する責任を持つ組織体のことです。プロジェクトの品質・スコープ・コスト・スケジュールに影響を与える変更を正式に管理するために設置されます。
ウォーターフォール型でもアジャイル型でも、プロジェクトの途中で何らかの変更要求は必ず発生します。CCBを設けることで、「どの変更を受け入れるか」「それに伴うリスクやコストはどうか」を公平かつ戦略的に判断できます。
各選択肢の解説
ア. 変更管理委員会では、プロジェクトに関わるステークホルダ以外の第三者によって変更要求が審議される。
→ ❌ 不適切。変更管理委員会は、通常プロジェクトに関係するステークホルダ(プロジェクトマネージャ、顧客代表、技術責任者など)で構成されます。プロジェクトに関係しない第三者が審議するのは不自然です。
イ. 変更管理委員会は、コストの増加や期日の延期を理由に変更要求を却下してよい。
→ ⭕ 適切。コストの増加や期日の延期といった影響を考慮したうえで、変更要求を却下することは可能です。これは、プロジェクトマネジメントにおいて妥当な判断とされます。
ウ. 変更管理委員会は、スコープに変更が発生しない範囲で変更要求を受け付けなければならない。
→ ❌ 不適切。スコープの変更があるかないかに関係なく、すべての変更要求は受付の対象です。スコープが変わるからといって受付を拒否するのは誤りです。
エ. 変更要求は、全てプロジェクトマネージャが承認した後に変更管理委員会で審議される。
→ ❌ 不適切。プロジェクトマネージャは影響分析や一次評価を行い、CCBに変更要求を提出しますが、場合によっては直接CCBが変更要求を受け取り審議することもあります。
以上より、正解はイ.となります。
※「変更管理委員会」はシラバスに載っていない用語です。消去法で解くことも難しい問題なので、4分の1に賭けて勘で答えましょう。