A 社は会計システムの再構築のプロジェクトを立ち上げ、システム開発を B 社に外部委託している。B 社から納品される成果物の検収において、プロジェクトの品質管理に係る手続を遵守しているかどうかのシステム監査を行う監査人として、適切な者は誰か。
- ア. 会計システムの再構築に関与しないA社の管理部門のリーダー
- イ. 会計システムの再構築を担当するA社のプロジェクトマネージャ
- ウ. 会計システムの再構築を担当する B社のシステム開発リーダー
- エ. 会計システムの再構築を担当するB社の品質管理責任者
【答え】ア
【解説】
この問題は、システム監査における「監査人としての適格性(=独立性・客観性)」が問われています。監査人に求められる条件としては次のようなことが挙げられます。
- 監査対象の業務に直接関与していないこと
- 利害関係がない(外観上および精神上の独立性がある)こと
- 監査対象についての十分な知識を持っていること
各選択肢の解説
ア. 会計システムの再構築に関与しないA社の管理部門のリーダー
→A社の社員でありながら、プロジェクトには関与しておらず、客観的な立場で監査ができる
→ ⭕ 監査人として適切
イ. 会計システムの再構築を担当するA社のプロジェクトマネージャ
→自分が進めているプロジェクトを自分で監査することになる
→独立性・客観性が失われることとなり、監査人として不適切
ウ. 会計システムの再構築を担当する B社のシステム開発リーダー
→受託側(=成果物の作成者)が監査するのは利益相反となる可能性
→独立性・客観性が失われることとなり、監査人として不適切
エ. 会計システムの再構築を担当するB社の品質管理責任者
→こちらもB社の担当者であり、品質の内部責任者が自分の成果物を監査する構図になる
→独立性に欠けるため、監査人として不適切
以上より、正解はア.となります。
