確認○×問題まとめ1

ITパスポート講座のストラテジ系1(企業活動)の確認○×問題だけを集めました。

経営・組織論1

問1-1-1

企業の経営に関する信念や価値観を社員や顧客、社会に対して示したものを経営目標という。

答え:×

企業の使命や存在意義、価値観を社会に対して示したものを経営理念といいます。経営理念を達成するための、一般的に数値として設定される目標が経営目標です。

問1-1-2

株主総会は、取締役や監査役の選任・解任、会社の合併など、会社の重要な意思決定を行う株式会社の最高意思決定機関である。

答え:〇

株式会社の所有者である株主は会社を経営する意思も能力もないのが普通です。そこで、株主総会において会社の重要事項に関する意思決定に参加することにとどめ、会社の経営は取締役に委ねます(所有と経営の分離)。

問1-1-3

利益の追求だけでなく、社会に対する貢献や地球環境の保護などの社会課題を認識して取り組むという企業活動の基本となる考え方をCSRという。

答え:〇

CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)とは、企業は利益の追求だけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者)からの要求に対して、適切な意思決定をする責任をいいます。

問1-1-4

規模が小さい企業、単一事業の企業、市場の変化が少なく安定した顧客を持つ企業などに適した組織形態はカンパニー制組織である。

答え:×

規模の小さい企業、単一の事業や製品を扱っている企業に適した組織形態は職能別組織です。カンパニー制組織は、大規模化・多角化した企業に適しています。

問1-1-5

下図によって表される企業の組織形態はマトリックス組織である。

答え:×

図によって表される企業の組織形態は事業部制組織です。事業部制組織は、業務の遂行に必要な職能を製品別、地域別などにもつことによって自己完結的な経営活動が展開することができます。

問1-1-6

経営戦略に基づいた情報化戦略の策定とその実現に直接の責任を持つ役職はCIOである。

答え:〇

CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)は、情報部門の最高責任者で、経営戦略に沿った情報化戦略の策定などに責任を持つ役職です。

経営・組織論2

問1-2-1

「自社の経営計画の実行状況」は、経営管理の仕組みの1つであるPDCAサイクルのAによって把握できる。

答え:×

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)という4つのステップを繰り返すことによって業務改善を図る手法です。「自社の経営計画の実行状況」の把握は、C(評価)のプロセスにあたります。

問1-2-2

リスクアセスメントは、リスク特定、リスク評価、リスク対応の3つのプロセスに分けられる。

答え:×

リスクアセスメントは、リスク特定、リスク分析、リスク評価の3つのプロセスに分けられます。リスク評価の結果を受けてリスクへの対応を決定します。

問1-2-3

大規模な災害などによって、企業活動を支える重要な情報システムに障害が発生した場合でも、企業活動の継続を可能にするために、あらかじめ策定する計画をBCPという。

答え:〇

災害や事故が起きたときでも残された資源をもとにして、たとえ規模を縮小してでも事業を継続していくことがBC(Business Continuity:事業継続)であり、そのための行動計画のことをBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)といいます。

問1-2-4

部下の設計能力向上のために、新規開発のプロジェクトに参加させた。この部下の育成・指導事例はOff-JTである。

答え:×

職場で実務をさせることで行う従業員の職業教育のことをOJT(On-the-Job Training)といい、例えば新規プロジェクトに参加させたり、販売計画の立案を命じたりすることがあります。

これに対してOff-JT(Off-the-Job Training)は、通常の業務を一時的に離れて行う教育訓練のことで、外部講師を招いての勉強会や講習会に参加させたりすることがあります。

問1-2-5

企業の人事機能の向上や働き方改革を実現することなどを目的として、人事評価や人材採用などの人事関連業務にAIやIoTといったITを活用する手法をHRテックという。

答え:〇

人事関連業務に、AIやクラウドサービスなどのITを利用する手法をHRテック(HRTech)といいます。

問1-2-6

AIやIoTといったITを活用し、戦略的にビジネスモデルの刷新や新たな付加価値を生み出していくことをDX(デジタルトランスフォーメーション)という。

答え:〇

ビジネスの世界では、ITによってビジネスモデルそのものを根幹から変化させるという意味でDXという用語が使われます。

問1-2-7

化石エネルギー中心の産業・社会構造からクリーンエネルギー中心の構造に転換していく取り組みをカーボンニュートラルという。

答え:×

設問はグリーントランスフォーメーションの説明です。なおカーボンニュートラルとは、CO2などの温室効果ガスの排出量と同じ量を「吸収」または「除去」することで差し引きゼロとし、排出量を全体としてゼロとするということです。

業務分析・データ利活用1

問1-3-1

製造業のA社では、製品の組み立てに必要な部品を購買している。A社では、自社の収入金額全体に占める割合が大きい部品を、重点的に在庫管理を行う対象として選びたい。このとき利用する図表としてはパレート図が適している。

答え:〇

パレート図は、値が降順(大きい順)にプロットされた棒グラフとその累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフです。要因の中から最も重要なものを把握でき、優先的に対応すべきものを明らかにできます。

問1-3-2

ABC分析とは、優先的に管理すべき対象を明確にするために、売上金額などの累積構成比をもとに重要度のランク付けを行う手法である。

答え:〇

ABC分析とは、パレート図を用いて、累積構成比などから要因をAランク(0%~70%程度)、Bランク(71%~90%程度)、Cランク(91%~100%程度)の3つに区分し、対応の優先度などを分析する手法です。

ABC分析

問1-3-3

以下の図では、売上と気温の関係が正の相関となっている。

答え:×

散布図は2項目間のデータの関係性を表した図です。図では点が右下がりになっている(気温が上がると売上が下がる)ので、負の相関となります。

問1-3-4

ある商品の売上と気温の関係が一次式で近似できるとき、予測した気温から商品の販売量を推定する手法は回帰分析である。

答え:〇

回帰分析は、散布図において点の中心くらいに直線(回帰直線)を引き、それを「Y=aX+b」という一次式で表すことによって、Xに値を代入することによりYの値を予測します。

問1-3-5

ソフトウェアの設計品質には設計者のスキルや設計方法、設計ツールなどが関係する。品質に影響を与える事項の関係を整理する場合などに用いる、魚の骨の形に似た図形は管理図である。

答え:×

設問の図形は特性要因図です。特性要因図は、特性(結果)と要因(原因)の関係を系統的に線で結んで表した図で、品質に影響している要因を追及する場合などに用いられます。魚の骨の形に似ているのでフィッシュボーンチャートとも呼ばれます。

問1-3-6

品質管理において、測定値の存在する範囲を幾つかの区間に分け、各区間に入るデータの度数を棒グラフで表したものをレーダーチャートという。

答え:×

設問の図形はヒストグラムです。度数分布表を棒グラフで表現することにより、視覚的にわかりやすく図式化したものです。

業務分析・データ利活用2

問1-4-1

官公庁による統計データや社内で蓄積されている自社の業務データはプライマリデータである。

答え:×

官公庁による統計データや社内で蓄積されている自社の業務データは2 次データ(セカンダリデータ)です。1 次データ(プライマリデータ)とは、アンケート、観察、実験などによって目的のために新たに自分たちで収集したデータです。

問1-4-2

テキスト、画像、動画、音声など人間が見ることで内容を理解できるデータを構造化データという。

答え:×

設問のような人間が見ることで内容を理解できるデータは非構造化データです。構造化データとは、表形式で表すことができるデータで、コンピュータが理解できるように作られたデータです。

問1-4-3

固定した一定時点で複数の項目を記録したデータをメタデータという。

答え:×

メタデータとは、データそのものではなく、そのデータが付随して持つ付加的なデータ(作成者、最終更新日、タイトル、タグなど)のことをいいます。なお、固定した一定時点で複数の項目を記録したデータをクロスセクションデータといいます。

問1-4-4

統計では一般に、調査対象のすべてに調査が行えない場合、対象となる数値や属性などの集合全体の一部を標本とし、その標本を分析することによって母集団全体の性質を明らかにする。

答え:〇

調査対象のすべてに調査が行えない場合には、対象となる数値や属性などの集合全体(母集団)の一部を標本(サンプル)とし、その標本を分析することによって母集団全体の性質を明らかにします。このような調査方法を標本抽出(サンプリング)といいます。

問1-4-5

対立仮説を否定することで、帰無仮説の正しさを明確にする統計学的な検証手法を仮説検定という。

答え:×

仮設検定では、帰無仮説を否定することによって対立仮説(正しさを主張したい仮説)の妥当性を判断します。

問1-4-6

企業が保有する膨大なデータを高速に検索できるように、パフォーマンスの高いデータベースを運用するためのシステム基盤を構築することは、データサイエンティストの役割の1つである。

答え:×

データサイエンティストは、統計学などを用いてデータを分析し、有益な情報や関連性、法則性などの新たな知見を引き出して、経営の手助けをする職種です。システム基盤を構築することはデータサイエンティストの役割ではありません。

問1-4-7

データマイニングとは、データベースに蓄積されている大量のデータを、統計やパターン認識などの手法を用いて分析することにより、新たな知見や法則性や関係性を導き出す手法である。

答え:〇

設問のとおりです。

業務分析・データ利活用3

問1-5-1

いずれも時価100円の4つの株式があり、そのうちの1つに投資したい。経済の成長が高成長、中成長、低成長の場合、それぞれの株式の予想値上がり幅が表のとおりであるとき、値上がり幅の期待値が最も高い株式はDである。ここで、高成長、中成長、低成長になる確率はそれぞれ0.4、0.4、0.2であり、経済が成長しない場合は考えないものとする。

株式高成長中成長低成長
A201015
B30205
C25520
D4010-10
(単位:円)

答え:×

期待値は、発生しうる金額をそれぞれの発生確率で加重平均した金額の合計で計算します。

株式高成長(0.4)中成長(0.4)低成長(0.2)期待値
A20×0.4
=8
10×0.4
=4
15×0.2
=3
8+4+3
=15
B30×0.4
=12
20×0.4
=8
5×0.2
=1
12+8+1
=21
C25×0.4
=10
5×0.4
=2
20×0.2
=4
10+2+4
=16
D40×0.4
=16
10×0.4
=4
-10×0.2
=-2
16+4-2
=18
(単位:円)

よって、値上がり幅の期待値が最も高い株式はBとなります。

問1-5-2

需要量が年間を通じて安定している場合において、定量発注方式での最適な発注量は、発注費用と在庫維持費用の総額が最小となる場合である。

答え:〇

設問のとおりです。この場合の発注量を経済的発注量といいますが、ITパスポート試験では計算の出題はされません。

問1-5-3

定期発注方式で部品の発注をしたい。1日あたりの平均使用量が30個、発注間隔が14日、調達期間が6日、安全在庫が50個、現在の在庫量30個、発注残0個のとき、最適な発注量は620個である。

答え:〇

定期発注方式での最適な発注量は次の式で求めます。

発注間隔+調達期間)×1日の使用予定量+安全在庫-現在の在庫量-現在の発注残

よって「(14日+6日)×30個+50個ー30個ー0個=620個」となり、最適な発注量は620個となります。

問1-5-4

ブレーンストーミングでは、量よりも質の高いアイデアを追及するため、アイデアの批判を奨励する。

答え:×

ブレーンストーミング(ブレスト)とは、複数人で会議の際に自由にアイデアを出し合って問題解決などを行う集団発想法です。

ブレーンストーミングは4つのルール(4原則)があります。

  1. 批判厳禁:自由なアイデア抽出を制限するような、批判を含む判断・結論は慎む。
  2. 自由奔放:誰もが思いつきそうなアイデアよりも、奇抜な考え方やユニークで斬新なアイデアを重視する。粗野な考えでも歓迎する。
  3. 質より量:様々な角度から、多くのアイデアを出す。質よりも量を重視する。
  4.  便乗歓迎:他人の意見に便乗することが推奨される。別々のアイデアを結合して改善することで、新たなアイデアを生み出していく。

会計・財務1

問1-6-1

損益計算書とは、一定時点の会社の財政状態を表した財務諸表であり、貸借対照表とは、一定期間の会社の経営成績を表した財務諸表である。

答え:×

損益計算書と貸借対照表の説明が逆になっています。貸借対照表とは、一定時点の会社の財政状態を表した財務諸表であり、損益計算書とは、一定期間の会社の経営成績を表した財務諸表です。

問1-6-2

次の損益計算書において、営業利益は280である。

答え:〇

問1-6-3

貸借対照表では、借方に資産の部と純資産の部を、貸方に負債の部を記載する。

答え:×

貸借対照表では、借方に資産の部を、貸方に負債の部と純資産の部を記載します。

問1-6-4

上司から「わが社の流動比率を計算しなさい」と指示された。このとき使用する財務諸表はキャッシュフロー計算書である。

答え:×

流動比率は「流動資産÷流動負債×100(%)」で計算します。したがって、使用する財務諸表は貸借対照表です。

問1-6-5

次の貸借対照表において、流動比率は250%である。

答え:〇

貸借対照表では、借方合計(資産合計)と貸方合計(負債+純資産)は一致するので、資産合計は「負債および純資産合計」と同じ2,200となります。また、固定資産が1,200であるため差額で流動資産は1,000となります。

流動比率=流動資産÷流動負債×100(%)

=1,000÷400×100(%)

250%

問1-6-6

次の財務諸表にもとづいて算定されたROAは10%で、ROEは5%である。なお、当期純利益は100であった。

答え:×

ROAが5%で、ROEが10%です。

ROA=当期純利益/総資産×100(%)=100/2,000×100=5%

ROE=当期純利益/自己資本×100(%)=100/1,000×100=10%

問1-6-7

インボイス制度においては、適格請求書(インボイス)等の保存が仕入税額控除を行うための要件となる。

答え:〇

設問のとおりです。逆に言うと、インボイスを保存していなければ仕入税額控除を行うことはできません。

会計・財務2

問1-7-1

ある商品の売上高が800万円、利益が80万円、固定費が240万円であるとき、この商品の損益分岐点売上高は600万円である。

答え:〇

まず変動費を求めます。売上高から変動費と固定費を差し引いたものが利益なので、

売上高800万円ー変動費ー固定費240万円=利益80万円

→売上高800万円ー固定費240万円ー利益80万円=変動費

変動費=480万円

次に変動費率を求めます。

変動費率=変動費480万円/売上高800万円

変動費率=0.6

限界利益率は0.4(=1-変動費率0.6)なので、損益分岐点売上高は

損益分岐点売上高=固定費240万円/限界利益率0.4

600万円

となります。

問1-7-2

販売価格300円/個、変動費100円/個、固定費100,000円の条件で商品を販売するとき、損益分岐点売上高は150,000円である。

答え:〇

まず変動費率を求めます。

変動費率=変動費100円/販売価格300円

変動費率=1/3

よって限界利益率は2/3(=1-1/3)となります。

割り切れないので分数のまま計算します。

損益分岐点売上高=固定費100,000円/限界利益率2/3

=固定費100,000円×3/2

150,000円

となります。

【別解】

販売量をA、利益を0円として計算する方法もあります。

売上高(300円/個×A)ー変動費(100円/個×A)ー固定費100,000円=利益0円

→200A=100,000

→A=500個

損益分岐点の販売量が500個なので、これに販売価格300円/個を掛けたものが損益分岐点売上高となります。

損益分岐点売上高=300円/個×500個=150,000円

問1-7-3

当月の売上高は300,000円、変動費は120,000円、固定費は150,000円であった。来月は60,000円の利益を確保したいと思っている。このとき必要となる売上高は350,000円である。なお、固定費及び1個あたりの変動費は来月も変化しないものとする。

答え:〇

まず変動費率を求めます。

変動費率=変動費120,000円/売上高300,000円=0.4

したがって、限界利益率は0.6(=1-変動費率0.4)です。

60,000円の利益を確保できる売上高をAとすると、

限界利益0.6Aー固定費150,000円=目標利益60,000円

→限界利益0.6A=固定費150,000円+目標利益60,000円

→A=(固定費150,000円+目標利益60,000円)/限界利益率0.6

→A=350,000円

損益分岐点売上高(=固定費150,000円/限界利益率0.6)は利益がゼロとなる売上高なので、分子に目標利益を加算すればいいだけです。

問1-7-4

今月のある商品の販売価格は1,000円/個、変動費600円/個、固定費600,000円であったが、来月は販売価格を800円/個に変更することを予定している。このとき、赤字にならないためには少なくとも3,000個販売する必要がある。なお、固定費及び1個あたりの変動費は来月も変化しないものとする。

答え:〇

利益がゼロとなる損益分岐点の販売量を求めれば、赤字にならないための販売量がわかります。

まず変動費率と限界利益率を求めます。

・変動費率=変動費600円/販売価格800円=0.75

・限界利益率=1-変動費率0.75=0.25

よって損益分岐点売上高は、

固定費600,000円/限界利益率0.25=2,400,000円

です。

来月の販売価格は800円/個なので、来月の損益分岐点販売量は2,400,000円÷800円=3,000個です。

【別解】

売上高と総費用を表す一次式を使って解答する方法もあります。

・売上高を表す式は、原点を通り傾き800(販売価格)の直線となります。

y=800x

・総費用を表す式は、固定費600,000を切片とした傾き600(@変動費)の直線となります。

y=600x+600,000

この2つの直線が交わるところが損益分岐点販売量となります。

800X=600x+600,000

200x=600,000

x=3,000