ITパスポート講座のストラテジ系3(経営戦略マネジメント)の確認○×問題だけを集めました。
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経営戦略手法
ある業界への新規参入を検討している企業がSWOT分析を行った。分析結果のうち、「この業界の規制緩和」は機会に該当する。
(出典:平成30年度春期分 問17一部改変)
答え:〇
SWOT分析(スウォット分析)は、自社でコントロールが可能な内部環境である「強み」と「弱み」、自社でコントロールが不能な外部環境である「機会」と「脅威」を検討する分析手法です。
「業界の規制緩和」はコントロールが不能な外部環境であり、自社に有利になる点なので、機会に該当します。
自動車メーカーA社では、近い将来の戦略を検討するため自社の強みと弱み、そして、外部環境の機会と脅威を整理した。この結果を基に、強みを活用して脅威を克服する対策案として、「電気自動車の研究開発を推し進め、商品化する」といったことが考えられる。
(出典:平成28年度春期分 問30一部改変)
答え:〇
自社の強みである「多方面にわたる研究開発の蓄積」を活かして、電気自動車の研究開発を推し進めることにより、外部環境の脅威である「環境保護意識の浸透」を克服することができます。
プロダクトポートフォリオマネジメントでは、縦軸に市場成長率、横軸に相対的市場占有率をとったマトリックス図を四つの象限に区分し、製品の市場における位置付けを分析して資源配分を検討する。四つの象限のうち、市場成長率は低いが市場占有率を高く保っている製品の位置付けは「花形製品」である。
(出典:平成21年度春期分 問10一部改変)
答え:×
市場成長率は低いが市場占有率を高く保っている製品の位置付けは「金のなる木」です。市場が成熟している状況で、しかもシェアが高いため稼ぎ頭になっている製品です。
製品に関するPPMに関して、花形とは、少ない投資で収益を生み出す製品群である。これに対して、負け犬とは、将来の成長のためには一定以上の投資が必要となる製品群である。
(出典:平成24年度秋期分 問11一部改変)
答え:×
花形は、成長率が高く、シェアも高い製品・事業です。高いシェアをそのまま維持していけば、将来市場が成熟したときに「金のなる気」へ成長させることができます。そのため、シェアを維持するための多額の投資が必要になります。
負け犬は、成長率が低く、シェアも低い製品・事業です。市場が成熟しているのにシェアが低いため、市場競争に負けてしまっている分野であり早急な撤退を検討すべきです。
なお、設問の文章の正しくは以下のようになります。
金のなる木とは、少ない投資で収益を生み出す製品群である。これに対して、問題児とは、将来の成長のためには一定以上の投資が必要となる製品群である。
顧客に価値をもたらし、企業にとって競争優位の源泉となる、競合他社では模倣されにくいスキルや技術を指すものをアライアンスという。
(出典:平成23年度秋期分 問22一部改変)
答え:×
設問の説明はコアコンピタンスです。なお、アライアンスとは、ある企業と提携し共同で事業を行っていくことをいいます。
ファブレスとは、自社では工場を持たずに製品の企画を行い、他の企業に生産を委託する企業形態をいう。
(出典:平成21年度秋期分 問8一部改変)
答え:〇
設問のとおりです。
経営権の取得や資本参加を目的として、買い取りたい株式数、価格、期限などを公告して不特定多数の株主から株式市場外で株式を買い集めることをMBOという。
(出典:平成26年度秋期分 問8一部改変)
答え:×
設問の説明はTOB(Take Over Bid:株式公開買付)です。なお、MBO(Management BuyOut)とは、経営権の取得を目的として、経営陣や幹部社員が親会社などから株式や営業資産を買い取ることをいいます。
ある大手商社は海外から買い付けた商品の販売拡大を目的に、大手小売店を子会社とした。これは、企業の事業展開における垂直統合の事例である。
(出典:平成29年度春期分 問8一部改変)
答え:〇
垂直統合とは、サプライチェーンの上流(仕入先など)や下流(販売先など)にある企業との間でM&Aやアライアンスを行うことで市場競争力を高める手法です。
この商社にとって小売店はサプライチェーンの下流に位置するため、垂直統合にあたります。
新商品を投入したところ、他社製品が追随して機能の差別化が失われ、最終的に低価格化競争に陥ってしまった。これは、企業の商品戦略上留意すべき事象である”カニバリゼーション”の事例といえる。
(出典:平成27年度春期分 問17一部改変)
答え:×
設問の事象はコモディティ化の事例です。なお、カニバリゼーションとは、新商品の導入によって既存商品の売上げが減少してしまうなど、自社の商品が自社の他の商品を侵食してしまう現象のことをいいます。
マーケティング1
製品、システム、サービスなどの利用場面を想定したり、実際に利用したりすることによって得られる人の感じ方や反応などをUX( User Experience )という。
(出典:令和2年度秋期分 問18一部改変)
答え:〇
設問のとおりです。UX(User eXperience:ユーザー体験)とは、その商品・サービスを使用する際の反応や感じ方のことです。
企業は、売上高の拡大や市場占有率の拡大などマーケティング目標を達成するために、4Pと呼ばれる四つの要素を組み合わせて最適化を図る。この四つの要素とは、「価格(Price)」「製品(Product)」「販売促進(Promotion)」「利益(Profit)」である。
(出典:平成25年度春期分 問10一部改変)
答え:×
マーケティングの4Pとは、「価格(Price)」「製品(Product)」「販売促進(Promotion)」「流通(Place)」をいいます。
マーケティングミックスにおける売り手から見た要素は4Pと呼ばれる。これに対応する買い手から見た要素は4Cである。
(出典:平成29年度秋期分 問32一部改変)
答え:〇
マーケティングの4Cとは、4Pを顧客の視点からとらえて、 Customer Value(顧客にとっての価値)、Cost(顧客の負担)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の4つの視点から戦略を練ります。
マーケティング戦略の策定において、自社製品と競合他社製品を比較する際に、差別化するポイントを明確にすることをポジショニングという。
(出典:平成30年度秋期分 問2一部改変)
答え:〇
設問のとおりです。マーケティングにおけるポジショニングとは、市場において自社と競合他社との位置関係を明確にすることをいいます。
業界内の企業の地位は、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャの四つに分類できる。フォロワーのとる競争戦略は、トップシェアの奪取を目標として、リーダー企業との差別化を図った戦略である。
(出典:平成22年度秋期分 問7一部改変)
答え:×
設問の戦略はチャレンジャー企業のとるべき戦略です。フォロワーのとるべき競争戦略は、競合他社からの報復を招かないように注意しつつ、リーダー企業の製品を参考にして、コストダウンを図り、低価格で勝負する戦略です。
データベース化された顧客情報を活用し、優良顧客を抽出する方法をRFM分析という。
(出典:平成28年度秋期分 問32一部改変)
答え:〇
RFM分析とは、「最終購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」という3つの指標で顧客の選別や格付けを行い、顧客分析を行うための手法です。
既存市場と新市場、既存製品と新製品でできるマトリックスの四つのセルに企業の成長戦略を表す市場開発戦略、市場浸透戦略、製品開発戦略、多角化戦略を位置付けるとき、市場浸透戦略が位置付けられるのはCのセルである。
(出典:平成31年度春期分 問5一部改変)
答え:×
市場浸透戦略は、いままでの市場に、既存の製品やサービスを投入して、売上高や市場シェアの拡大をめざす戦略です。したがって、市場浸透戦略が位置付けられるのはAのセルです。
マーケティング2
一人一人のニーズを把握し、それを充足する製品やサービスを提供しようとするマーケティング手法はマスマーケティングである。
(出典:平成28年度春期分 問29一部改変)
答え:×
設問はワントゥワンマーケティングに関する説明です。なお、マスマーケティングとは、対象とする顧客のセグメントを行わず、すべての顧客を対象とした画一的なマーケティング活動をいいます。
自社の商品やサービスの情報を主体的に収集する見込み客の獲得を目的に、企業がSNSやブログ、検索エンジンなどを利用して商品やサービスに関連する情報を発信する。このようにして獲得した見込み客を、最終的に顧客に転換させることを目標とするマーケティング手法をクロスメディアマーケティングという。
(出典:令和元年度秋期分 問15一部改変)
答え:×
設問はインバウンドマーケティングに関する説明です。なお、クロスメディアマーケティングとは、さまざまなメディアを組み合わせて効果的に集客するマーケティング手法です。
マーケティングミックスの4Pの一つであるプロモーションの戦略には、プッシュ戦略とプル戦略がある。メーカーの販売促進策のうち、「販売店への客の誘導を図る広告宣伝の投入」はプル戦略に該当する。
(出典:平成24年度秋期分 問26一部改変)
答え:〇
プル戦略とは、広告や店頭活動に力を入れ、消費者に直接、製品やサービスの魅力を訴えることで、購買意欲を刺激し、最終的には消費者が自ら商品を購入するように促す戦略です。
一方、プッシュ戦略とは、メーカーが自社の製品の販売を有利にするために販売者に対して働きかけるという戦略です。
インターネットショッピングにおいて、個人がアクセスしたWebページの閲覧履歴や商品の購入履歴を分析し、関心のありそうな情報を表示して別商品の購入を促すマーケティング手法をデジタルサイネージという。
(出典:平成28年度春期分 問3一部改変)
答え:×
設問はレコメンデーションに関する説明です。なお、デジタルサイネージとは駅や店舗、施設、オフィスなどに、ディスプレイやプロジェクターなどの映像表示装置を設置して情報を発信するシステムです。
プロダクトライフサイクルにおいて、製品が市場に登場してから退場するまでの各プロセスの特徴は次のとおりである。
- 導入期では、キャッシュフローはプラスになる。
- 成長期では、製品の特性を改良し、他社との差別化を図る戦略をとる。
- 成熟期では、他社からのマーケット参入が相次ぎ、競争が激しくなる。
- 衰退期では、成長性を高めるため広告宣伝費の増大が必要である。
(出典:平成21年度春期分 問31一部改変)
答え:×
1の記述(誤り):導入期は需要・認知度ともに低い時期であり、初期コストなどがまだ回収されていないため、通常、キャッシュフローはマイナスになります。
2の記述(正しい):成長期では需要が拡大し、他企業との競争が本格化するため、市場浸透を目指した差別化戦略(製品の改良など)をとります。
3の記述(誤り):他社からのマーケット参入が相次ぎ、競争が激しくなるのは成長期です。
4の記述(誤り):成長性を高めるため広告宣伝費の増大が必要なのは、導入期もしくは成長期です。
スキミングプライシングとは、プロダクトライフサイクルの初期段階に高価格を設定し、早期の資金回収を確保しようとする価格設定手法である。
答え:〇
設問のとおりです。
ビジネス戦略と目標・評価
経営戦略の目標や目的を達成する上で、重要な要因を表すものCSFという。
(出典:平成22年度秋期分 問29一部改変)
答え:〇
CSF(Critical Success Factors:重要成功要因)とは、目標実現のための重要な成功要因となるもので、通常は定性的な(数字で表せない)ものとして設定します。
A社の営業部門では、成約件数を増やすことを目的として、営業担当者が企画を顧客に提案する活動を始めた。この営業活動の達成度を測るための指標としてKGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)を定めたい。本活動におけるKGIは「成約件数」、KPIは「提案件数」が適切である。
(出典:令和5年度春期分 問8一部改変)
答え:〇
具体的な目標となる指標として、KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)を定義します。また、KGIの達成状況を評価するためのKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定します。
本問では成約件数を増やすことが目的であるため、「成約件数を〇〇件増やす」といったことなどをKGIとして定義し、その達成状況を評価するため「営業担当者一人あたり〇〇件の提案」などといったKPIを設定します。
戦略目標の達成状況を評価する指標には、目標達成のための手段を評価する先行指標と目標達成度を評価する結果指標の二つがある。戦略目標が「新規顧客の開拓」であるとき、先行指標としては「見込み客訪問件数」などが、結果指標としては「新規契約獲得率」などが適切である。
(出典:令和3年度春期分 問18一部改変)
答え:〇
「新規顧客の開拓」が目標である場合、その目標達成度を評価するための指標(結果指標)としては「新規契約獲得率」などが考えられます。また、新規契約を獲得するための方法の一つとして「見込み客への訪問」という手段が考えられるため、「見込み客訪問件数」などが目標達成のための手段を評価する先行指標として適切です。
企業のビジョンや戦略を実現するために、“財務”、“顧客”、“業務プロセス”、“学習と成長”の四つの視点から、具体的に目標を設定して成果を評価する手法をSWOT分析という。
(出典:平成31年度春期分 問7一部改変)
答え:×
設問はBSC(Balanced Scorecard:バランススコアカード)の説明です。なお、SWOT分析(スウォット分析)は、自社でコントロールが可能な内部環境である「強み」と「弱み」、自社でコントロールが不能な外部環境である「機会」と「脅威」を検討する分析手法です。
航空会社A社では、経営戦略を実現するために、バランスコアカードの四つの視点ごとに戦略目標を設定した。bに該当するものは「業務プロセスの視点」である。ここで、a~dは四つの視点のどれかに対応するものとする。
四つの視点 | 戦略目標 |
---|---|
a | 利益率の向上 |
b | 競合路線内での最低料金の提供 |
c | 機体の実稼働時間の増加 |
d | 機体整備士のチームワーク向上 |
(出典:平成30年度春期分 問29一部改変)
答え:×
BSC(Balanced Scorecard:バランススコアカード)とは、従来の財務的指標中心の業績管理手法の欠点を補うものであり、戦略・ビジョンを4つの視点(財務の視点・顧客の視点・業務プロセスの視点・学習と成長の視点)で分類し、それぞれの視点から業績評価をする経営管理手法です。
- 財務の視点:株主や従業員などの利害関係者の期待にこたえるため、企業業績として財務的に成功するためにどのように行動すべきかの指標を設定する。
- 顧客の視点:企業のビジョンを達成するために、顧客に対してどのように行動すべきかの指標を設定する。
- 業務プロセスの視点:財務的目標の達成や顧客満足度を向上させるために、優れた業務プロセスを構築するための指標を設定する。
- 学習と成長の視点:企業のビジョンを達成するために組織や個人として、どのように変化(改善)し能力向上を図るかの指標を設定する。
設問の各戦略目標に該当するバランスコアカードの四つの視点は次のようになります。
四つの視点 | 戦略目標 |
---|---|
財務の視点 | 利益率の向上 |
顧客の視点 | 競合路線内での最低料金の提供 |
業務プロセスの視点 | 機体の実稼働時間の増加 |
学習と成長の視点 | 機体整備士のチームワーク向上 |
よって、bに該当するものは「顧客の視点」となります。
バリューエンジニアリングにおいて、価値を定義する二つの要素は「粗利」と「売上原価」である。
(出典:平成25年度春期分 問29一部改変)
答え:×
バリューエンジニアリングにおいて、価値を定義する二つの要素は「機能」と「コスト」です。バリューエンジニアリングは、製品やサービスが果たす機能をコストで割ることで商品の価値を把握します。
経営管理システム
CRMの導入効果として、売掛金に対する顧客の支払い状況を把握しやすくなる、といったことが期待できる。
(出典:平成21年度秋期分 問15一部改変)
答え:×
CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)は、顧客と長期的に良好な関係を築き、顧客満足度の向上や取引関係の継続につなげる仕組みです。
CRMの導入効果としては、顧客のニーズや欲求に対する理解が深まり長期的な関係を築きやすくなる、といったことが期待できます。
業務の効率化を目指すために、SFAを導入するのに適した部門は製造部門である。
(出典:令和元年度秋期分 問28一部改変)
答え:×
SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)とは、営業活動で入手した顧客の情報を一元管理し、社内で共有できるようにした営業支援を行うためのシステムです。営業担当者個人で留まりがちな顧客情報や案件の進捗、商談事例等の営業活動に関わる情報をデータ化して活用することで、営業の生産性を上げ、効率化を進めることを目的としています。
よって、SFAを導入するのに適した部門は営業部門です。
SCMシステムを構築する目的は、商品の生産から消費に関係する部門や企業の間で、商品の生産、在庫、販売などの情報を相互に共有して管理することによって、商品の流通在庫の削減や顧客満足の向上を図ることにある。
(出典:令和4年度春期分 問22一部改変)
答え:〇
SCM(Supply Chain Management:供給連鎖管理)とは、調達、生産、流通を経て消費者に至るまでの一連の業務を、取引先を含めて全体最適の視点から見直し、納期短縮や在庫削減を図る管理手法です。
バリューチェーンとは、企業が提供する製品やサービスの付加価値が事業活動のどの部分で生み出されているかを分析するための考え方である。
(出典:平成30年度春期分 問12一部改変)
答え:〇
バリューチェーンとは、企業が提供する製品やサービスの付加価値が事業活動のどの部分で生み出されているかを分析するための考え方で、この考え方を基礎とした経営管理手法をVCM(Value Chain Management:バリューチェーンマネジメント)といいます。
ERPとは、経営資源の有効活用の観点から企業活動全般を統合的に管理し、業務を横断的に連携させることによって経営資源の最適化と経営の効率化を図る手法である。
(出典:平成22年度秋期分 問25一部改変)
答え:〇
設問のとおりです。
X社では、工場で長期間排水処理を担当してきた社員の経験やノウハウを文書化して蓄積することで、日常の排水処理業務に対応するとともに、新たな処理設備の設計に活かしている。これは、TQM(総合的品質管理)の事例といえる。
(出典:平成27年度春期分 問29一部改変)
答え:×
設問はナレッジマネジメントの事例です。ナレッジマネジメントとは、個人が持っている情報や知識を組織全体で共有し、有効活用することで業務改善や業績向上につなげる経営管理手法です。
なお、TQM(Total Quality Management:総合的品質管理)とは、TQCをさらに進化させた考え方で、TQC(組織全体として統一した品質管理目標への取り組み)を経営戦略へ適用したものです。
一連のプロセスにおけるボトルネックの解消などによって、プロセス全体の最適化を図ることを目的とする考え方をシックスシグマという。
(出典:平成29年度春期分 問6一部改変)
答え:×
設問はTOC(Theory Of Constraints:制約理論)の説明です。なお、シックスシグマとは、品質のばらつきを抑制することによって、品質の保証と顧客満足の向上を図る活動のことです。