確認○×問題まとめ4

ITパスポート講座のストラテジ系4(技術戦略マネジメント)の確認○×問題だけを集めました。

技術開発戦略の立案

問4-1-1

技術に立脚する事業を行う企業が、技術開発に投資してイノベーションを促進し、事業を持続的に発展させていく経営の考え方のことをMOTという。

答え:〇

設問のとおりです。MOT(Management Of Technology:技術経営)とは、技術力をベースとした事業を行う企業が、技術開発の投資をしてイノベーション(技術革新)を促進・創出し、研究開発の成果を効果的に自社のビジネスに結び付けて企業の成長を図る経営のことです。

問4-1-2

イノベーションは、大きくプロセスイノベーションとプロダクトイノベーションに分けることができる。プロセスイノベーションの要因としては、「効率的な生産方式」、「サプライチェーン管理」、「市場のニーズ」、「バリューチェーン管理」といったことがある。

答え:×

イノベーションは大きく次の2つに分類できます。

  • プロセスイノベーション:研究開発、製造、物流などの各業務プロセスにおける技術革新のこと。
  • プロダクトイノベーション:革新的な新技術の取り入れや新商品の開発といった製品の技術革新のこと。

「効率的な生産方式」、「サプライチェーン管理」、「バリューチェーン管理」はプロセスイノベーションの要因となりますが、「市場のニーズ」はプロダクトイノベーションの要因となります。

問4-1-3

特定の目的の達成や課題の解決をテーマとして、ソフトウェアの開発者や企画者などが短期集中的にアイディアを出し合い、ソフトウェアの開発などの共同作業を行い、成果を競い合うイベントをオープンイノベーションという。

答え:×

設問はハッカソンの説明です。なお、オープンイノベーションとは、自社だけでなく他社や大学、地方自治体、社会起業家など異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービス、ノウハウ、データ、知識などを組み合わせて広く知識・技術の結集を図り、価値を創造していく取り組みです。

問4-1-4

アプローチの中心は常に製品やサービスの利用者であり、利用者の本質的なニーズに基づき、製品やサービスをデザインするという考え方をデザイン思考という。

答え:〇

設問のとおりです。デザイン思考とは、データや経験など既存の概念だけに頼らず、常に顧客の声に耳を傾けて、顧客の本質的なニーズにもとづいて製品やサービスをデザインするという考え方で、イノベーションを生み出すための方法論の1つとされています。

問4-1-5

技術開発戦略の策定に当たって分析を行うために用いる、技術水準や技術の成熟度を軸にしたマトリックスに、市場における自社の技術の位置づけを示したものを技術ポートフォリオという。

答え:〇

設問のとおりです。技術ポートフォリオは、技術水準や技術の成熟度を軸にしたマトリックスに、市場における自社の技術の位置づけを示したもので、効果的な経営資源の配分を決定するための情報分析手法です。

問4-1-6

技術経営における新事業創出のプロセスを、研究、開発、事業化、産業化の四つに分類したとき、事業化から産業化を達成し、企業の業績に貢献するためには、新市場の立上げや競合製品の登場などの障壁がある。この障壁を意味する用語は「死の谷」である。

答え:×

事業化段階と産業化段階の間に存在する障壁はダーウィンの海です。死の谷とは、開発段階と事業化段階の間に存在する障壁です。

問4-1-7

画期的な製品やサービスが消費者に浸透するに当たり、イノベーションへの関心や活用の時期によって消費者をアーリーアダプタ、アーリーマジョリティ、イノベータ、ラガード、レイトマジョリティの五つのグループに分類することができる。このうち、活用の時期が2番目に早いグループとして位置付けられ、イノベーションの価値を自ら評価し、残る大半の消費者に影響を与えるグループはアーリーアダプタである。

答え:〇

普及学(イノベーター理論)においては、購買層を次のように分類します。

  • イノベーター:新しい技術が好きで、実用性よりも新技術が好きな人々。新しい物好き。
  • アーリー・アダプター:流行に敏感で、新しい商品が出たら積極的に情報収集を行い、購入するかどうかを自分で判断する人々。他の消費者の行動に影響を与え、オピニオンリーダーとも呼ばれる。
  • アーリー・マジョリティー:実用主義で、役立つなら新しい技術でも取り入れたいと思っている人々。
  • レイト・マジョリティー:新しい技術は苦手だが、みんなが使っているなら自分も使わなければと思う人々。
  • ラガード:新しい技術を嫌い、最後まで取り入れない人々。

なお、その製品が普及するかどうかの境目となる、アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティーの間の大きな溝のことをキャズムといいます。

技術開発計画

問4-2-1

技術開発の推進において、進捗を評価したり、関連技術との整合性をチェックしたりする際に、例示したような図が用いられる。このような、研究開発への取組みによる要素技術や、求められる機能などの進展の道筋を時間軸上に記載した図をパレート図という。

答え:×

説明の図はロードマップです。

なお、パレート図とは値が降順(大きい順)にプロットされた棒グラフとその累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフです。

パレート図

問4-2-2

技術戦略に基づいて、技術開発計画を進めるときなどに用いられる技術ロードマップの特徴として、次のようなことが挙げられる。

  1. 技術者の短期的な業績管理に向いている。
  2. 時間軸を考慮した技術投資の予算及び人材配分の計画がしやすい。
  3. 創造性に重きを置いて、時間軸は余り考慮しない。

答え:×

1.の記述:技術ロードマップは中長期的なビジョンを示したものであり、短期的な業績管理を行うためのものではありません。よって記述は適切ではありません。

2.の記述:記述のとおりで適切です。

3.の記述:ロードマップでは、横軸に時間、縦軸に市場、商品、技術などを示し、研究開発への取組みによる要素技術や求められる機能などの進展の道筋を時間軸上に表します。よって記述は適切ではありません。

問4-2-3

新しいビジネスモデルや製品を開発する際に、仮説に基づいて実用に向けた最小限のサービスや製品を作り、短期に顧客価値の検証を繰り返すことによって、新規事業などを成功させる可能性を高める手法をリーンスタートアップという。

答え:〇

リーンスタートアップは、新しくビジネスを始めるにあたって、徹底的に無駄を排除することを重視するマネジメント手法です。

問4-2-4

インターネットを通じて、様々な事業者が提供するサービスを連携させて、より付加価値の高いサービスを提供する仕組みをAPIエコノミーという。

答え:〇

ある会社が公開したAPIが他社のサービスにも活用され広がっていく経済圏のことをAPIエコノミーと呼びます。

問4-2-5

新たな概念やアイデアの実現可能性を示すために、簡単かつ不完全な実現化を行って検証することをPoVという。

答え:×

設問はPoC(Proof of Concept:概念実証)の説明です。なお、PoV(Proof of Value:価値実証)とは短期間の試用によって比較や費用対効果の検証などを行い、新たな製品、技術、仕組みなどを企業に導入する価値があるか否かを検討することです。

問4-2-6

株式売却による利益獲得などを目的に、新しい製品やサービスを武器に市場に参入しようとする企業に対して出資などを行う企業をベンチャーキャピタルという。

答え:〇

ベンチャー企業など、主に高い成長率を有する未上場企業への投資を専門的に行ってハイリターンを狙う投資会社をVC(Venture Capital:ベンチャーキャピタル)といいます。