前回までで導入・受入れが終わったけど、まだやることあるの?
システムは「納品して、はいさようなら」というわけにはいかないっす。
まぁ確かに、長年使っていくわけだからね。
そうっす。導入後も利用者が快適に利用し続けられるようにサポートしていくことも大事なんすよ。
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運用・保守プロセス
今回の学習内容は運用・保守プロセスです。
運用プロセス
運用プロセスは、利用者が本番環境でシステムを動かすプロセスです。利用者マニュアル等を使って、継続的に教育訓練を行っていきます。
保守プロセス
システムは「納品したら終わり」というわけにはいきません。システムの安定稼働、ITの進展や経営戦略の変化に対応するために、システム・ソフトウェアの修正、変更及び改善が行われます。
保守プロセスは開発期間中ではなく、システムの引き渡し後に、本番環境で運用中のシステムに対して行われる保守作業を意味します。
プログラムを変更した際に、変更部分とは別のところに予期しない影響が発生することがあります。これを確認するために、最初に立ち帰って再度全体のテストを行うことを回帰テスト(リグレッションテスト)といいます。
ソフトウェアの見積り
ソフトウェアやシステムの値段は、一般の商品のように「これはいくら」と決まっているものではありません。ソフトウェアの開発規模、開発環境などに基づき、開発工数、開発期間などの見積もりを行います。
代表的な見積もり方法としては、次のような方法があります。
ファンクションポイント法
ファンクションポイント(FP:Function Point)法とは、開発するソフトウェアの機能の数や複雑さを基準にファンクションポイントという点数をつけて、その合計から開発規模や工数とそれにかかる費用を見積もる方法です。
類推見積法
類推見積法は、過去に開発した類似システムをベースに相違点を洗い出して、システム開発工数を見積もる方法です。
積み上げ法
必要となる個々の作業を洗い出して、その作業ごとの工数を見積もって集計する方法です。
確認○×問題
本番環境で運用中のシステムに対して、法律改正に伴って行われるソフトウェア修正もソフトウェア保守に含まれる。
(出典:令和4年度春期分 問47一部改変)
答え:〇
本番環境で運用中のシステムに対する次のような修正はソフトウェア保守に含まれます。
- システムの安定稼働、ITの進展や経営戦略の変化に対応するための修正
- 法律改正に伴うソフトウェア修正
- ソフトウェアの潜在不良を発見し、障害が発生する前に行う修正
- 仕様変更に伴う修正
ソフトウェア受入れテストの結果、不具合があったので、発注者が開発者にプログラム修正を依頼した。これはソフトウェア保守に該当する。
(出典:平成30年度秋期分 問37一部改変)
答え:×
ソフトウェア保守は開発期間中ではなく、ソフトウェア引き渡し後に、本番環境で運用中のシステムに対して行われる保守作業を意味します。
システム開発見積もり方法として、システムで処理される入力画面や出力帳票、使用ファイル数などを基に、機能の数を測ることでシステムの規模を見積もる方法を類推見積法という。
(出典:平成29年度春期分 問37一部改変)
答え:×
設問はファンクションポイント(FP)法の説明です。なお、類推見積法とは、過去に開発した類似システムをベースに相違点を洗い出して、システム開発工数を見積もる方法です。