さぁ、マーケティングの続きをやるっすよ。今回はマーケティングに関する用語をザーッとみていくっす。
覚えること多すぎん?
ITパスポート試験は4択問題っすから、完璧に丸暗記する必要はないっすよ。選択肢の中から選べる程度に理解しておけば大丈夫っす。
代表的なマーケティング手法
主なマーケティング手法
- セグメントマーケティング:何らかの指標に基づいて市場を細分化(セグメンテーション)し、それぞれのセグメントに対して、個別に最適なマーケティング活動を行う手法。
- ロケーションベースマーケティング:ユーザーの位置情報に合わせて地域的に最適な情報を配信するマーケティング手法。現在地から最もアクセスしやすい店舗の情報を宣伝する技術などがあります。
- マスマーケティング:対象とする顧客のセグメントを行わず、すべての顧客を対象とした画一的なマーケティング活動。TVコマーシャルなどがこれにあたります。
- ワントゥワンマーケティング:マスマーケティングに対して、顧客一人ひとりの趣味趣向などに基づいて、顧客に対して個別にマーケティングを行っていく方法。
- クロスメディアマーケティング:さまざまなメディアを組み合わせて、効果的に集客するマーケティング手法。テレビCMなどのマスメディアに広告を出稿し、「続きはWebで」とWebサイトで詳細を伝えるなどの方法で行われます。
- オムニチャネル:店舗、ECサイト、SNSなどを問わず、あらゆるチャネル(販路)から購買ができるよう顧客とつながるマーケティング手法。
- インバウンドマーケティング:魅力的なコンテンツを創出し、顧客から自発的に企業に興味・関心を持ってもらうことで、商品販売につなげるマーケティング手法。従来の「プッシュ型」のマーケティングではなく、相手を引き付ける「プル型」のマーケティングです。
主なプロモーション戦略
メーカーが自社の製品の販売を有利にするために販売者に対して働きかけるという戦略。具体的にはメーカーから販売店に説明員や店員を派遣したり、景品や販売奨励金を供与したりといったことなどが行われている。
広告や店頭活動に力を入れ、消費者に直接、製品やサービスの魅力を訴えることで、購買意欲を刺激し、最終的には消費者が自ら商品を購入するように促す戦略。メーカー主導のプッシュ戦略とは異なり、消費者の自主的な購買活動を促す。
企業や製品のブランドを消費者などに知ってもらうための戦略をブランド戦略といいます。ブランドの価値を高め、消費者に浸透することによって、競合他社との差別化や競争優位の確保につながります。近年では、WebサイトやSNSなどの発展に伴い、オピニオンリーダーによる評価や発信も重要になっています。
オピニオンリーダーとは、集団の意思決定(流行、買物、選挙など)に関して、大きな影響を及ぼす人物をいい、世論形成者や世論先導者とも呼ばれます。
Webマーケティング
Webマーケティングとは、インターネット及びWebによる広告・販売促進などをいいます。
オプトインメール広告
事前に同意したユーザーに対してのみ送信する広告宣伝メール。例えば、商品購入時にメールアドレス情報を提供する場合、新商品や新サービスなどの情報を受け取ることに承諾したときのみ、メールマガジンが送付されます。承諾を得ていない広告メール(オプトアウトメール)は禁止されています。
バナー広告
Webサイトに画像や動画が表示される形式の広告です。広告の画像をクリックすることで、ハイパーリンクで指定されたWebサイトを表示します。
ウェブサイトに設置された広告によって、ウェブサイトの閲覧者が広告クリックや商品購入を行って生じた利益に応じて、サイト管理者に報酬を与える仕組みをアフィリエイトといいます。
リスティング広告(検索連動型広告)
インターネット広告の一種で、検索エンジンで一般ユーザーが検索したキーワードに関連する広告を検索結果画面に表示します。
レコメンデーション
購入履歴や登録情報などから顧客の好みを分析して、顧客ごとに興味を持ちそうな情報を表示するサービス。ECサイトで商品の購入履歴や閲覧履歴にもとづいて商品一覧が表示される「あなたへのおすすめ」などがある。
デジタルサイネージ
駅や店舗、施設、オフィスなどに、ディスプレイやプロジェクターなどの映像表示装置を設置して情報を発信するシステム。
SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、検索エンジンの検索結果において、特定のウェブサイトが上位に表示されるよう、ウェブサイトの構成や記述などを調整すること、またはその手法のことです。Googleをはじめとした検索エンジンのランキングで上位表示を行うことで、検索結果からの流入や売上などを大きく増やすことができます。
検索順位の1位~10位までで全クリックの約86%を占めているといわれてるっすよ。
プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)
プロダクトライフサイクルとは、製品が市場に登場してから退場するまでのプロセスのことをいいます。導入期、成長期、成熟期、衰退期の4段階で表現され、各段階の売上と利益の変化に着目して最適なマーケティング戦略を構築するための基本情報となります。
導入期 | 製品が市場に導入されて販売が開始された時点から、徐々に販売数が伸びてゆく期間。需要・認知度ともに低い時期であるため、市場拡大を目指した戦略をとります。売上高よりも初期コストの方が高いので利益はマイナスになります。 |
成長期 | 製品が市場で受け入れられ、大幅に利益が得られる期間。需要が拡大し、他社からのマーケット参入が相次ぎ、他企業との競争が本格化するため、市場浸透を目指した戦略をとります。 |
成熟期 | 製品が市場の潜在的購入者のすべてに行き渡り、成長期での販売の伸びに比べて減速する期間。需要のピークを迎えるため、シェアの維持を目指した戦略をとります。 |
衰退期 | 製品の売上が減少してゆき、利益もそれに伴って減少する期間。状況を見ながら撤退を含めた無理のない戦略をとります。 |
さらっと学習(Bランク用語)
最後に、代表的な価格設定手法を簡単に見ておきます。
スキミング(skimming)とは、上澄みをすくい取ることを意味します。市場の上澄み、つまり富裕層などの「高くても買ってくれる顧客」を狙って、プロダクトライフサイクルの初期段階に高価格を設定し、早期の資金回収を確保します。上層吸収価格とも呼ばれます。
市場シェアを獲得するために、価格設定をコスト以下、あるいはコストとほぼ同等に抑えることで競合他社の追随を断念させるもので、いわゆる低価格戦略です。 赤字覚悟で市場への浸透を短期間で進めたい場合などに用いられます。
商品やサービスの価格について、一定の標準価格を設定し、その商品・サービスの売れ行きにより価格を随時変動させる仕組み。季節や曜日によって価格を変動させる航空会社やホテルなどがその例です。
確認○×問題
一人一人のニーズを把握し、それを充足する製品やサービスを提供しようとするマーケティング手法はマスマーケティングである。
(出典:平成28年度春期分 問29一部改変)
答え:×
設問はワントゥワンマーケティングに関する説明です。なお、マスマーケティングとは、対象とする顧客のセグメントを行わず、すべての顧客を対象とした画一的なマーケティング活動をいいます。
自社の商品やサービスの情報を主体的に収集する見込み客の獲得を目的に、企業がSNSやブログ、検索エンジンなどを利用して商品やサービスに関連する情報を発信する。このようにして獲得した見込み客を、最終的に顧客に転換させることを目標とするマーケティング手法をクロスメディアマーケティングという。
(出典:令和元年度秋期分 問15一部改変)
答え:×
設問はインバウンドマーケティングに関する説明です。なお、クロスメディアマーケティングとは、さまざまなメディアを組み合わせて効果的に集客するマーケティング手法です。
マーケティングミックスの4Pの一つであるプロモーションの戦略には、プッシュ戦略とプル戦略がある。メーカーの販売促進策のうち、「販売店への客の誘導を図る広告宣伝の投入」はプル戦略に該当する。
(出典:平成24年度秋期分 問26一部改変)
答え:〇
プル戦略とは、広告や店頭活動に力を入れ、消費者に直接、製品やサービスの魅力を訴えることで、購買意欲を刺激し、最終的には消費者が自ら商品を購入するように促す戦略です。
一方、プッシュ戦略とは、メーカーが自社の製品の販売を有利にするために販売者に対して働きかけるという戦略です。
インターネットショッピングにおいて、個人がアクセスしたWebページの閲覧履歴や商品の購入履歴を分析し、関心のありそうな情報を表示して別商品の購入を促すマーケティング手法をデジタルサイネージという。
(出典:平成28年度春期分 問3一部改変)
答え:×
設問はレコメンデーションに関する説明です。なお、デジタルサイネージとは駅や店舗、施設、オフィスなどに、ディスプレイやプロジェクターなどの映像表示装置を設置して情報を発信するシステムです。
プロダクトライフサイクルにおいて、製品が市場に登場してから退場するまでの各プロセスの特徴は次のとおりである。
- 導入期では、キャッシュフローはプラスになる。
- 成長期では、製品の特性を改良し、他社との差別化を図る戦略をとる。
- 成熟期では、他社からのマーケット参入が相次ぎ、競争が激しくなる。
- 衰退期では、成長性を高めるため広告宣伝費の増大が必要である。
(出典:平成21年度春期分 問31一部改変)
答え:×
1の記述(誤り):導入期は需要・認知度ともに低い時期であり、初期コストなどがまだ回収されていないため、通常、キャッシュフローはマイナスになります。
2の記述(正しい):成長期では需要が拡大し、他企業との競争が本格化するため、市場浸透を目指した差別化戦略(製品の改良など)をとります。
3の記述(誤り):他社からのマーケット参入が相次ぎ、競争が激しくなるのは成長期です。
4の記述(誤り):成長性を高めるため広告宣伝費の増大が必要なのは、導入期もしくは成長期です。
スキミングプライシングとは、プロダクトライフサイクルの初期段階に高価格を設定し、早期の資金回収を確保しようとする価格設定手法である。
答え:〇
設問のとおりです。