技術開発計画

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前回はどのような新技術をどのように開発していくか?といったことを中心に勉強したわけっすが、今回は、どういった計画・手法によって開発していくか?を見ていくっす。

ボキタロー
ボキタロー

今回はボリュームが少なそうだね。サクッといってみよう!

ロードマップ

技術開発戦略を元に具体的な技術開発計画を立てていきますが、その際に一種の計画表であるロードマップを作成します。

ロードマップでは、横軸に時間、縦軸に市場、商品、技術などを示し、研究開発への取組みによる要素技術や求められる機能などの進展の道筋を時間軸上に表します。

ロードマップ
【引用】内閣官房(CLTの普及に向けた新ロードマップ)

技術ロードマップ

未来における科学技術の進展を予想し、具体的に達成目標や優先順位、達成した場合の社会的な波及効果を示し、目的達成までの道のりを時系列で表現したロードマップのことを、他の目的のロードマップと区別するために技術ロードマップと呼びます。

技術ロードマップを作成することで、時間軸を考慮した技術投資の予算及び人材配分の計画がしやすい、といった効果があります。

技術開発の手法

リーンスタートアップ

リーンスタートアップは、新しくビジネスを始めるにあたって、徹底的に無駄を排除することを重視するマネジメント手法です。

コストをそれほどかけずに最低限の製品や、最低限のサービス、最低限の機能を持った試作品を短期間で作り、顧客に提供することで顧客の反応を観察します。その観察結果を分析し、製品、サービスが市場に受け入れられるか否か判断し(市場価値が無ければ撤退も考慮)、試作品やサービスに改善を施し、機能などを追加して再び顧客に提供します。

このサイクルを繰り返すことで、起業や新規事業の成功率が飛躍的に高まると言われています。

リーンスタートアップ

リーン(Lean)には「脂肪やぜい肉がない」「無駄がない」という意味があります。

API エコノミー

ある会社が公開したAPIが他社のサービスにも活用され広がっていく経済圏(もしくはその仕組みや活動全体)のことをAPIエコノミーといいます。

API(Application Programing Interface)とは、プログラムを連携させ、あるソフトウェアから別のソフトウェアの機能を呼び出す仕組みをいいます。

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有名なAPIとしては「Googleマップ」があるっすね。Googleマップが組み込まれたサイトを目にしたことがある人は多いと思うっす。

PoCとPoV

簡易的なプロトタイプ(試作品)を作成するなどして、新たな概念やアイデアの実現可能性を確認・検証することをPoC(Proof of Concept:概念実証)といいます。

一方で、短期間の試用によって比較や費用対効果の検証などを行い、新たな製品、技術、仕組みなどを企業に導入する価値があるか否かを検討することをPoV(Proof of Value:価値実証)といいます。

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PoCは実現できるかどうか分からない場合に行う検証、PoVは実現できることは分かっているがその価値が分からないときに行う検証、といったイメージっすね。

さらっと学習(Bランク用語)

VC(ベンチャーキャピタル)

ベンチャー企業など、主に高い成長率を有する未上場企業への投資を専門的に行ってハイリターンを狙う投資会社をVC(Venture Capital:ベンチャーキャピタル)といいます。

CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)

CVC(Corporate Venture Capital:コーポレートベンチャーキャピタル)は、事業会社が自己資金でファンドを組成し、主に未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資や支援を行う活動組織のことです。

CVCはVCの一種で、両方とも未上場企業に投資を行う点は同じですが、CVCは自社の経営の多角化や経営改善のために、自社の事業内容と関連性のある企業にシナジー(相乗)効果を得ることを目的として運営されます。

確認○×問題

問1

技術開発の推進において、進捗を評価したり、関連技術との整合性をチェックしたりする際に、例示したような図が用いられる。このような、研究開発への取組みによる要素技術や、求められる機能などの進展の道筋を時間軸上に記載した図をパレート図という。

答え:×

説明の図はロードマップです。

なお、パレート図とは値が降順(大きい順)にプロットされた棒グラフとその累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフです。

パレート図

問2

技術戦略に基づいて、技術開発計画を進めるときなどに用いられる技術ロードマップの特徴として、次のようなことが挙げられる。

  1. 技術者の短期的な業績管理に向いている。
  2. 時間軸を考慮した技術投資の予算及び人材配分の計画がしやすい。
  3. 創造性に重きを置いて、時間軸は余り考慮しない。

答え:×

1.の記述:技術ロードマップは中長期的なビジョンを示したものであり、短期的な業績管理を行うためのものではありません。よって記述は適切ではありません。

2.の記述:記述のとおりで適切です。

3.の記述:ロードマップでは、横軸に時間、縦軸に市場、商品、技術などを示し、研究開発への取組みによる要素技術や求められる機能などの進展の道筋を時間軸上に表します。よって記述は適切ではありません。

問3

新しいビジネスモデルや製品を開発する際に、仮説に基づいて実用に向けた最小限のサービスや製品を作り、短期に顧客価値の検証を繰り返すことによって、新規事業などを成功させる可能性を高める手法をリーンスタートアップという。

答え:〇

リーンスタートアップは、新しくビジネスを始めるにあたって、徹底的に無駄を排除することを重視するマネジメント手法です。

問4

インターネットを通じて、様々な事業者が提供するサービスを連携させて、より付加価値の高いサービスを提供する仕組みをAPIエコノミーという。

答え:〇

ある会社が公開したAPIが他社のサービスにも活用され広がっていく経済圏のことをAPIエコノミーと呼びます。

問5

新たな概念やアイデアの実現可能性を示すために、簡単かつ不完全な実現化を行って検証することをPoVという。

答え:×

設問はPoC(Proof of Concept:概念実証)の説明です。なお、PoV(Proof of Value:価値実証)とは短期間の試用によって比較や費用対効果の検証などを行い、新たな製品、技術、仕組みなどを企業に導入する価値があるか否かを検討することです。

問6

株式売却による利益獲得などを目的に、新しい製品やサービスを武器に市場に参入しようとする企業に対して出資などを行う企業をベンチャーキャピタルという。

答え:〇

ベンチャー企業など、主に高い成長率を有する未上場企業への投資を専門的に行ってハイリターンを狙う投資会社をVC(Venture Capital:ベンチャーキャピタル)といいます。