ビジネスシステム1~ビジネス・行政分野におけるシステム~

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世の中には様々なシステムがあり、それによって私たちの暮らしはとても便利になってるっす。

ボキタロー
ボキタロー

そうだね。当たり前になり過ぎちゃって、あんまり意識したことはないけどね。

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今回は特にビジネス分野における代表的なシステムについて勉強していくっすよ。

目的・各種ビジネス分野における代表的なシステムの特徴を理解する。
説明・各種ビジネス分野におけるシステム活用状況を理解するために,流通,金融などのビジネス分野で利用されている代表的なシステムの特徴や考え方を理解する。
・各種ビジネス分野における AI の利活用の考え方を理解する。
ビジネスシステムの概要

代表的なビジネス分野におけるシステム

まずは、ビジネス分野で利用されている代表的なビジネスシステムをざっと紹介していきます。

RFID(ICタグ)

RFID(Radio Frequency Identification)とは、電波を用いてICチップのデータを非接触で読み書きするシステムです。バーコードやQRコードと比較して次のような特徴があります。

RFID(ICタグ)
  • 読み取り範囲が広い:バーコードやQRコードは読み取り機が読める位置に意図的に持ってこなければ読めませんが、RFIDでは、読み取り範囲が広くまた読み取れる方向も自由度が大きいため、おおまかな位置決めで読むことができます。これにより作業が省力化されます。
  • 一度にたくさん読める:数十ミリ秒~数百ミリ秒でひとつのタグを読むことができます。また、多くのタグが密集して配置されていても、それぞれを見分ける技術(衝突回避)が開発されているため、タグが多少重なっていても、読み取りが可能です。これも作業の省力化につながります。
  • 書き込みが可能:バーコードやQRコードは印刷物なので変更できませんが、ICタグは書き込みが可能なものがあります。
  • 見えなくても読める:タグが目に見えない隠れた位置にあったり、タグ表面がホコリ、泥などで汚れていても読み取り可能です。

物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態をトレーサビリティ(追跡可能性)といいます。RFIDを活用して様々な物品の生産、流通、消費、廃棄の過程を記録することにより、履歴情報を取得することができます。


IC カード

ICチップをプラスチック製のカードなどに組み込んだものをICカードといいます。従来の磁気カードに比べて、情報量やセキュリティに優れているため、金融機関のクレジットカードや交通機関の定期券などで広く利用されています。

IC カード

POS(ポス)システム

POSシステム(Point of Sales:販売時点情報管理)とは、小売業において商品の販売・支払いが行われるその場(販売時点)で、その商品に関する情報(商品名、価格、売れた時間など)を収集・記録し、商品売り上げ情報を把握し、それに基づいて売り上げや在庫を管理するためのシステムです。

通常は商品につけられたバーコードをレジのスキャナーで読み取り、販売の時点と販売された商品を登録し、それらの登録データをサーバーに転送し、データが分析管理されます。

POSシステム

近年では、商品のバーコードの読み取りから清算までを利用客自身が行うPOSシステムであるセルフレジも普及してきています。RFIDを利用して、商品を置くだけで商品の情報を読み取ることができるものもあります。


GPS応用システム

GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)とは、人工衛星からの電波を受信して、緯度や経度、高さ等の位置情報を取得することができるシステムのことです。

GPS応用システム

GPSは現在地点を割り出すだけであって、地図のような情報は持っていません。しかし、この技術を他のシステムに応用することによって携帯電話や車のナビゲーションシステムなどに利用されています。


GIS

GIS(Geographic Information System:地理情報システム)は、様々な情報を地図上に重ね合わせて表示するシステムです。ただし、GISにはGPSのような現在地を割り出す能力はありません。

さらっと学習【その他のBランク用語】

ETCシステム

ETCシステム(Electronic Toll Collection System :自動料金収受システム)は、高速道路交通システムのひとつで、有料道路を利用する際に料金所で停止することなく、料金支払いが可能なノンストップ自動料金収受システムです。

スマートグリッド

従来の電力供給システムとは異なり、電力供給側と需要側の両方から制御できる双方向の電力網を構成することで、使用する電力量を最適化できるシステム。次世代電力網とも呼ばれ、省エネ対策となる技術として注目されています。

CDN(Content Delivery Network:コンテンツデリバリネットワーク)

ウェブコンテンツをインターネット経由で配信するために最適化されたネットワーク。配信元とユーザ間のエッジサーバ(中継サーバ)にキャッシュデータを保持することで負荷を分散して、おおもとのサーバーにアクセスが集中することを回避し、Webコンテンツの円滑な配信を実現します。

CPS(Cyber Physical System:サイバーフィジカルシステム)

現実世界(フィジカル)の情報をセンサーによって観測し、そこで収集した様々なデータや情報を仮想空間(サイバー)で融合させ、分析や解析を行い、現実世界(フィジカル)へフィードバックすることで最適化を図る仕組み。

なお、インターネットに接続した機器などを活用して現実空間の情報を取得し、サイバー空間内に現実空間の環境を再現することを、デジタルツインと呼びます。

CPS(Cyber Physical System:サイバーフィジカルシステム)
【引用】総務省「Beyond 5G推進戦略」(2020)

行政分野におけるシステム

デジタルガバメント(電子政府)

デジタルガバメントとは、情報通信技術を使って行政サービスをより簡単に利用できるようにすることを言います。具体的には、行政情報の総合的な検索・案内サービスを提供するデジタル庁運営のポータルサイトであるe-Govなどがあります。

さらっと学習【ガバメントクラウド】

政府共通のクラウドサービスの利用環境です。クラウドサービスの利点を最大限に活用することで、迅速、柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムを構築可能とし、利用者にとって利便性の高いサービスをいち早く提供し改善していくことを目指します。地方公共団体でも同様の利点を享受できるよう検討が進められています。

公的機関等で登録・公開され、様々な場面で参照される、人、法人、土地、建物、資格等の社会の基本データであり、正確性や最新性が確保された社会の基盤となるデータベースをベースレジストリといいます。ベースレジストリの整備により、証明書等の書類の取得が不要となる、手入力が不要となる、あるいは、手続自体が不要になる等、様々な手続をより便利に行うことができるようになります。

マイナンバー制度

マイナンバー制度は、マイナンバーカードによって、行政手続きの電子申請・届出システムなどを利用することができる制度です。国民の行政手続きの利便性の向上や行政手続きの効率化を実現します。

なお、マイナンバーは日本国内に住民票をもつ人に対して付与されます。したがって、日本国内に住民票をもつ外国籍の人にも付与されますが、日本国内に住民票をもたない日本国籍の人には付与されません。

マイナンバーは、社会保障災害対策の法令で定められた手続きのみに使用でき、これ以外の目的で使用することはできません。

マイナンバーカード

マイナンバーカード

マイナンバーカードは、12桁の個人番号(マイナンバー)が記載されたICカードです。

表面には氏名、住所、生年月日、性別、本人の顔写真などが記載されており、本人確認における身分証明書、e-Tax等の電子申請、コンビニエンスストア等での証明書交付など様々な官民のオンラインサービスに利用できます。

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e-Taxは確定申告などを行うことができるオンラインサービスのことっすよ。

マイナポータル

政府が運営するオンラインサービスです。 子育てや介護をはじめとする行政手続がワンストップでできたり、行政機関からのお知らせを確認できたりします。

Jアラート

全国瞬時警報システム(Jアラート)とは、弾道ミサイル情報、緊急地震速報、大津波警報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を携帯電話等に配信される緊急速報メールや市町村防災行政無線等により、国から住民まで瞬時に伝達するシステムです。

確認○×問題

問1

「図書館の盗難防止ゲートでの持出しの監視」は、ICタグを使用した機能の事例である。

答え:〇

RFID(ICタグ)には、読み取り範囲が広い、一度にたくさん読める、書き込みが可能、見えなくても読める、といった特徴があります。これにより、盗難防止ゲートでの持出しの監視やセルフレジなどで活用されています。

問2

RFIDを活用することによって、「配送荷物に電子タグを装着し、荷物の輸送履歴に関する情報の確認を行う」といったシステムが可能になる。

答え:〇

設問のとおりです。なお、物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態をトレーサビリティ(追跡可能性)といい、RFIDを活用することなどで実現できます。

問3

ICカードと磁気カードの偽造に関する安全性を比較すると、磁気カードは磁気ストライプに情報を格納しており、ICカードに比べて情報を保護する仕組みが複雑で偽造されにくい。

答え:×

ICカードは、口座情報等が暗号化された状態でICチップ内に保管されているので、磁気カードに比べて偽造が困難であり、安全性が高いカードになります。

問4

販売時点で、商品コードや購入者の属性などのデータを読み取ったりキー入力したりすることで、販売管理や在庫管理に必要な情報を収集するシステムをETCという。

答え:×

設問はPOS(Point of Sales:販売時点情報管理)の説明です。なお、ETCは高速道路の自動料金収受システムのことです。

問5

マイナンバーに関する以下の説明のうち、適切なものは2つある。

  1. 海外居住者を含め、日本国籍を有する者だけに付与される。
  2. 企業が従業員番号として利用しても構わない。
  3. 申請をすれば、希望するマイナンバーを取得できる。
  4. 付与されたマイナンバーを、自由に変更することはできない。

答え:×

1.の記述:マイナンバーは日本国内に住民票をもつ人(外国籍の人も含む)に対して付与されるため、海外居住者に対しては付与されません。

2.の記述:マイナンバーは、社会保障災害対策の法令で定められた手続きのみに使用でき、これ以外の目的で使用することはできません。

3.の記述:マイナンバーは自動的に割り当てられるものであり、希望する番号を取得することはできません。

4.の記述:マイナンバーの変更は、マイナンバーカードの盗難等で不正利用のおそれがある場合に限り認められています。したがって、自由に変更することはできません。

よって、適切な記述は1つ(4.の記述のみ)です。

問6

企業におけるマイナンバーの取り扱いに関する以下の行為のうち、マイナンバー法に照らして適切なものは2つある。

  1. 従業員から提供を受けたマイナンバーを人事評価情報の管理番号として利用する。
  2. 従業員から提供を受けたマイナンバーを税務署に提出する調書に記載する。
  3. 従業員からマイナンバーの提供を受けるときに、その番号が本人のものであることを確認する。

答え:〇

1.の記述:マイナンバーは、社会保障災害対策の法令で定められた手続きのみに使用でき、これ以外の目的で使用することはできません(第9条)。

2.の記述:税に係る申請・届出等を行う者が事務処理上必要な範囲での利用は認められています(第9条)。

3.の記述:本人から個人番号の提供を受ける場合、個人番号カードの提示を受ける等の本人確認を行う必要があります(第16条)。

よって、適切な記述は2つ(2.の記述と3.の記述)となります。