IoTシステム・組込みシステム

snack
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今回は比較的身近にある電化製品や産業用ロボットなどが学習の対象っす。

ボキタロー
ボキタロー

かなり以前からあるものだよね。いまさら勉強する必要あるの?

snack
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たしかに以前からあるものっすけど、近年ではインターネットの普及やAIの進歩によってどんどん進化してるっすよ。

目的・IoT を利用したシステムや組込みシステムの概念と代表的な例を理解する。
説明・身近な機器に活用されている IoT を利用したシステムや組込みシステムを理解するために,その基本的な特徴や具体例を理解する。
IoT システム・組込みシステムの概要

IoT を利用したシステム

 IoT

 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)は、あらゆるものがインターネットを通じて情報を伝達・共有しあう仕組みです。

従来からインターネットを通じて情報を伝達するということは行われていましたが、基本的に人による操作が必要でした。しかし、IoTは人の操作を介さずに直接モノ同士が情報伝達を行って何らかの動作(監視、制御、最適化、自律化)をするという特徴があります。

参考

IoTと異なり、特定の機械同士で接続してネットワークを通じて情報をやりとりすることをM2M(Machine to Machine)といいます。

IoTを利用した代表的なシステムとしては次のようなものがあります。

ウェアラブルデバイス

ウェアラブルデバイス(ウェアラブル端末)とは、身体に装着するコンピューター端末のことです。眼鏡型のもの(スマートグラス)や腕時計型のもの(スマートウォッチ)などがあり、通話、カメラ、心拍数・血圧・体温の測定など多様な機能を有しています。

ARグラス

AR(Augmented Reality:拡張現実)を利用できるメガネ型のウェアラブル端末です。ARとは、現実の風景の中にCGでつくられた3D映像やキャラクターなどのデジタルコンテンツやデータを重ねて表示する技術です。

ARグラス

MRグラス

MR(Mixed Reality:複合現実)を利用できるメガネ型のウェアラブル端末です。MRとは、現実世界と仮想世界を複合・融合させ、相互にリアルタイムで影響し合う空間を構築する技術です。医療現場において、遠隔での手術の実現などに活用されています。

MRグラス

VRゴーグル

頭部に装着するヘッドディスプレイの形状をしており、VR(virtual reality:仮想現実)を利用できる装置です。VRとは、コンピューターによって創り出された仮想的な空間などを現実であるかのように疑似体験できる技術です。

VRゴーグル

AR(拡張現実)は現実世界にコンピュータ情報を重ねる技術ですが、VR(仮想現実)は現実に存在しない仮想空間を作り上げる技術です。

さらっと学習【スマートスピーカー】

スマートスピーカーとは、対話型の音声操作に対応したAIアシスタント機能を持つスピーカーです。内蔵されているマイクで音声を認識し、情報の検索や家電の操作などを行います。

コネクテッドカー

コネクテッドカーとは、インターネットへの常時接続機能を備えた自動車です。車両の状態や周囲の道路状況などの様々なデータをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析することで、新たな価値を生み出すことが期待されています。

具体的には、事故時に自動的に緊急通報を行うシステムや、走行実績に応じて保険料が変動する自動車保険、盗難時に車両の位置を追跡するシステム等が実用化されつつあります。

また、自動運転技術と連携することで、運転支援、渋滞の緩和、省エネ・環境対策への活用も期待されています。

さらっと学習【Bランク用語

CASE

「Connected」(コネクテッド)、「Autonomous」(自動運転)、「Shared & Services」(カーシェアリングサービス)、「Electric」(電気自動車)の頭文字をとった造語です。自動車業界全体の未来像を表す概念として注目されています。

自動運転レベル

運転の自動化能力を示した指標です。レベル0からレベル5までの6段階で評価します。

レベル0自動化なし。自動運転する技術が何もない状態。
レベル1運転支援。アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかが、部分的に自動化された状態。
レベル2特定条件下での自動運転機能。アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態。
レベル3条件付自動運転。特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。ただし運転自動化システム作動中も、システムからの要請でドライバーはいつでも運転に戻れなければならない。
レベル4特定条件下における自動運転。特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。
レベル5完全自動運転。自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。

ロボット

以前より様々な場面でロボットが活用されていましたが、比較的単純な作業しかできませんでした。しかし、近年ではAIの発展により複雑な動作をこなしたり、IoT技術によってセンサーとロボット、もしくはロボット同士の情報共有が自動化され、より便利な活用が期待されています。

ドローン

無人航空機のことです。人が乗る必要がないため小型化が可能であり、空からの撮影や商品の輸送などで活用されています。IoT技術により、ドローンで観測した情報を共有して別の機器を動かすといったことも可能です。

ドローン

スマート農業

IoT、AI、ドローン、ロボット技術等を活用して、生産システムと運営を最適化する農業です。人手不足などの生産現場の課題を先端技術で解決する、農業分野におけるSociety5.0の実現とされています。

スマート農業

スマートファクトリー

IoT技術を駆使して、センサーや設備を含めた工場内のあらゆる機器をインターネットに接続し、業務プロセスの改善、コスト削減、製造期間の短縮など、さまざまな課題を解決できるようにした工場です。

スマートファクトリー
さらっと学習【スマートシティ】

新技術やデータを有効に活用して、人々により良いサービスや生活の質を提供する都市または地域。要するに、AIやIoTなどの新技術を活かして住みやすい都市をつくっていこうというものです。

スマートシティ
【引用】内閣府

組込みシステム

組込みシステムとは、民生機器や産業機器などに搭載された、特定の機能を実現するためのコンピュータシステムの総称です。

電化製品などに組込みシステムを採用すると、製品の改良にあたって、ソフトウェアの変更だけで一定範囲の機能追加が可能となるなどの利点があります。

ファームウェア

ハードウェアの基本的な制御を行うために、機器に組み込まれたソフトウェアのことをファームウェアといいます。ハードウェアとソフトウェアの中間的な存在であり、ソフトウェアがROM等にあらかじめ書き込まれた状態で機器に固定的に組み込まれ、ほとんど変更されることはありません。

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ソフトウェアの開発期間を短縮するため、PC用のOSを情報家電のOSに採用することもあるっす。

インターネットやパソコンに接続する機能を持つ家電のことを情報家電といいます。

現在では、非常に多くの身近な機器に組込みシステムが実装されています。

民生機器

民生機器とは、一般消費者が日常的に利用する電化製品や通信機器です。

民生機器における組込みシステムの例

  • 白物家電等(炊飯器、洗濯機、エアコン、ロボット掃除機など)
  • 通信用機器(携帯電話、機能電話、モデム、ルーターなど)
  • デジタル機器(デジタルカメラ、ビデオカメラ、パソコン用の周辺機器(プリンター、スキャナなど))
  • AV機器(テレビ、ハードディスク・レコーダー、DVDレコーダーなど)
  • 家庭用ゲーム機
  • 高機能な玩具(動物型ロボットなど)

産業機器

産業機器とは、産業機械や公共機関で使用される機器です。

産業機器における組込みシステムの例

  • 事務機器(複写機、プリンターなど)
  • 通信機器(ファクス、モデム、ルーター、LAN用機器など)
  • 生産用機器・設備(産業用ロボット、工作機械、計測機器など)
  • 販売用機器(自動販売機、自動券売機、POSレジなど)
  • 現金自動預け払い機(ATM)
  • 広告・展示用装置(デジタルサイネージ)

確認○×問題

問1

センサを搭載した機器や制御装置などが直接インターネットにつながり、それらがネットワークを通じて様々な情報をやり取りする仕組みをIoTという。

答え:〇

 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)は、あらゆるものがインターネットを通じて情報を伝達・共有しあう仕組みです。

問2

次の5つの記述のうち、IoTの事例は2つある。

  1. インターネット上に自分のプロファイルを公開し、コミュニケーションの輪を広げる。
  2. インターネット上の店舗や通信販売のWebサイトにおいて、ある商品を検索すると、類似商品の広告が表示される。
  3. 飲み薬の容器にセンサを埋め込むことによって、薬局がインターネット経由で服用履歴を管理し、服薬指導に役立てることができる。
  4. 予備校が授業映像をWebサイトで配信することによって、受講者はスマートフォンやPCを用いて、いつでもどこでも授業を受けることができる。
  5. 発電設備の運転状況をインターネット経由で遠隔監視し、発電設備の性能管理、不具合の予兆検知及び補修対応に役立てる。

答え:〇

1.の記述:SNSの事例です。

2.の記述:レコメンデーションの事例です。

3.の記述:IoTの事例です。

4.の記述:eラーニングの事例です。

5.の記述:IoTの事例です。

問3

PCやタブレット端末を利用して、ネットワーク経由で医師の診療を受けた。これは、ウェアラブルデバイスを用いた事例である。

答え:×

設問はオンライン診療の事例です。ウェアラブルデバイスとは、身体に装着するコンピューター端末のことです。眼鏡型のもの(スマートグラス)や腕時計型のもの(スマートウォッチ)などがあり、通話、カメラ、心拍数・血圧・体温の測定など多様な機能を有しています。

問4

史跡などにスマートフォンを向けると、昔あった建物の画像や説明情報を現実の風景と重ねるように表示して、観光案内をできるようにした。これはVRを活用した仕組みである。

答え:×

設問はAR(Augmented Reality:拡張現実)を活用した仕組みです。なお、VR(virtual reality:仮想現実)とは、コンピューターによって創り出された仮想的な空間などを現実であるかのように疑似体験できる技術をいいます。

問5

インターネットに接続できる機能が搭載されており、車載センサで計測した情報をサーバへ送信し、そのサーバから運転に関する情報のフィードバックを受けて運転の支援などに活用することができる自動車をコネクテッドカーという。

答え:〇

コネクテッドカーとは、インターネットへの常時接続機能を備えた自動車です。車両の状態や周囲の道路状況などの様々なデータをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析することで、新たな価値を生み出すことが期待されています。

問6

炊飯器やエアコンなどの家電製品に内蔵される、機器の特定の機能を実現するためのシステムをファームウェアという。

答え:×

設問は組込みシステムの説明です。なおファームウェアとは、ハードウェアの基本的な制御を行うために機器に組み込まれたソフトウェアのことです。

問7

次の5つの記述のうち、組込みシステムが実装されているものは2つある。

  1. 飲料自動販売機
  2. カーナビゲーション装置
  3. 携帯型ゲーム機
  4. 携帯電話機
  5. 現金自動預け払い機(ATM)

答え:×

設問の5つの機器はすべて組込みシステムが実装されています。