応用数学1~確率の概要~

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今回は確率の話題っすが、少しばかり計算が厄介なところっす。

ボキタロー
ボキタロー

まーた計算かぁ。

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丸暗記という言葉は好きじゃないっすけど、今回ばかりは公式を丸暗記するのが手っ取り早いっすね。

目標・確率と統計の基本的な考え方を理解する。
説明・データの収集,分析,加工に必要な確率と統計,数値計算,数値解析,グラフ理論,待ち行列,最適化問題の基本的な考え方を理解する。
応用数学の概要

確率とは

確率の基本的な考え方

確率とは、偶然起こる現象に対する頻度(起こりやすさの指標)のことです。

数学では、この確率をP(A)と表します。例えば、データ総数をn、条件を満たすものがr通りある場合、

P(A)=r/n

という式で表すことができます。

六面あるサイコロを振って偶数の目が出る確率を考えると、データ総数nが6(面の数)で、条件を満たすものrが3通り(2・4・6)あるので確率は、

3/6=1/2

ということになります。

乗法定理

条件が2つあり、その両方が同時に起こる確率を求める場合は乗法定理に従います。

事象Aが起こる確率をP(A)、事象Bが起こる確率をP(B)、事象Aと事象Bの両方が同時に起こる確率をP(A∩B)とします。事象A、事象Bが独立な試行(前におこなった試行の結果が次の試行に全く影響を与えない)場合、P(A∩B)は以下の式で表すことができます。

P(A∩B) = P(A)×P(B)

例えば、コインを2回投げて2回とも裏が出る確率は、

1/2×1/2=1/4

となります。

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難しく書いてるっすが、要するにある事象が起こる確立どうしを掛け算すればいいってだけっす。

順列と組合せ

順列と組合せの違い

それぞれA、B、C、D、Eの文字が書かれたカードが5枚あるとします。これを箱の中から1枚ずつ2回引いて、「C→D」となるパターンと「D→C」となるパターンを考えてみます。

この2つのパターンを、順番が異なるので別の情報と考えるのが順列です。一方、この2パターンは順番が異なるだけであり、「C、D」というカードは同じなので1つの情報と考えるのが組合せです。

つまり、順番に意味を持たせるのが順列、意味を持たせないのが組合せということです。

順列の計算

n個の中からr 個を取り出して並べるときの順列の数(パターン)を nPr と表現します。この nPr を求める式は、以下のようになります。

nPr = n!/n-r)!

!は階乗という意味で、nから1までの全ての整数の積のことです。

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例えば、3の階乗は「3!=3×2×1=6」となるっすね。ちなみに、0の階乗は1になるっすよ。

例えば、5枚のカードから2枚を引く場合、順序まで考慮する順列だと20通りのパターンが考えられます。

5P2 = 5!/(5ー2)!= 5×4×3×2×1/3×2×1 = 20

順列の計算

このように、分母と分子に共通の部分を消してから計算すると楽ですね。

組合せの計算

n個の中からr 個を取り出して並べるときの組合せの数(パターン)を nCr と表現します。この nCr を求める式は、以下のようになります。

nCr = n!/(n-r)!r!

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順列の公式の分母にrの階乗をかければいいだけっす。

例えば、5枚のカードから2枚を引く場合、順序は気にしない組合せだと10通りのパターンが考えられます。

5C2 = 5!/(5ー2)!×2!= 5×4×3×2×1/(3×2×1)×(2×1) = 10

組合せの計算

このように、分母と分子に共通の部分を消してから計算すると楽ですね。

組合せは順番を気にしないので、順列よりもパターンは少なくなります。

確認○×問題

問1

1から6までの六つの目をもつサイコロを3回投げたとき、1回も1の目が出ない確率は125/216である。

答え:〇

事象A、事象Bが独立な試行の時(前におこなった試行の結果が次の試行に全く影響を与えない場合)、事象Aと事象Bの両方が同時に起こる確率P(A∩B)は以下の式で表すことができます。

P(A∩B) = P(A)×P(B)

六つの目をもつサイコロを投げて1が出ない確率は5/6です。これが連続で3回起こる確率は、

5/6×5/6×5/6=125/216

となります。

問2

3人の候補者の中から兼任も許す方法で委員長と書記を1名ずつ選ぶ場合、3人の中から委員長1名の選び方が3通りで、3人の中から書記1名の選び方が3通りであるので、委員長と書記の選び方は全部で9通りある。5人の候補者の中から兼任も許す方法で委員長と書記を1名ずつ選ぶ場合、選び方は15通りになる。

答え:×

5人の候補者の中から兼任も許す方法で委員長と書記を1名ずつ選ぶ場合、5人の中から委員長1名の選び方が5通りで、5人の中から書記1名の選び方が5通りであるので、委員長と書記の選び方は全部で「5通り×5通り=25通り」となります。

問3

次の体系をもつ電話番号において、80億個の番号を創出したい。このとき、最低限必要な番号の桁数は14桁である。ここで、桁数には “020” を含むこととする。

答え:×

“020” の次の桁は0と4を除く8種類の数字が使えます。したがって、80億個の番号を創出するためには、その次に続く桁で10億種類の番号を作ればいいということになります(8×10億=80億となるため)。

10憶(1,000,000,000)は「000,000,000」~「999,999,999」の10憶種類の数字を使えば表すことができるため、9桁が必要となります。

「000,000,000」から始まるため、10桁にならないという点に注意しましょう。

よって、最低限必要な桁数は

3桁(”020”)+1桁+9桁=13桁

となります。

問4

a, b, c, d, e, f の6文字を任意の順で一列に並べたとき、aとbが両端になる場合は、48通りある。

答え:〇

aとbが両端にくる場合、その間のc, d, e, fの並び順を考えればいいということになるため、順列の公式を使って並び方が何通りあるかを計算します。

n個の中からr 個を取り出して並べるときの順列の公式は

nPr = n!/(n-r)!

となります。nは4個(c, d, e, f)、取り出す数rも4個なので、

4P4 = 4!/(4-4)!=4×3×2×1/1=24通り

です。※0の階乗は1になります。

これが、2通り(「a….b」と「b….a」)あるため、

2通り×24通り=48通り

が正解です。

問5

a, b, c, d, e, f の6文字を任意の順で一列に並べたとき、aとbが隣同士になる場合は、120通りある。

答え:×

aとbは隣同士になるため「aとb」を1セットとして、「aとb」「c」「d」「e」「f」の5つのデータの並び方を、順列の公式を使って計算します。

n個の中からr 個を取り出して並べるときの順列の公式は

nPr = n!/(n-r)!

となります。nは5個、取り出す数rも5個なので、

4P4 = 5!/(5-5)!=5×4×3×2×1/1=120通り

です。※0の階乗は1になります。

これが、2通り(「a・b」と「b・a」)あるため、

2通り×120通り=240通り

が正解です。

問6

1対1で情報の伝達を行う必要があるプロジェクトチームにおいて、メンバーが6人から10人に増えた場合、情報の伝達を行うために必要な経路の数は3倍になる。

答え:〇

情報の伝達を行うために必要な経路は「Aさん→Bさん」でも「Bさん→Aさん」でも同じである(区別する必要はない)ため、組合せの公式を使って経路が何通りあるかを計算します。

n個の中からr 個を取り出して並べるときの組合せの数は、

nCr = n!/(n-r)!r!

で計算することができます。

メンバーが6人の場合、nが6人、1対1で情報の伝達を行うため、rは2人となります。

6C2 = 6!/(6ー2)!×2!= 6×5×4×3×2×1/(4×3×2×1)×(2×1) = 6×5/2×1= 15通り

「4×3×2×1」は分母と分子にあるので、消してから計算したほうが楽です。

メンバーが10人の場合、nが10人、rは2人なので、

10C2 = 10!/(10ー2)!×2!= 10×9×8×7×6×5×4×3×2×1/(8×7×6×5×4×3×2×1)×(2×1)=10×9/ 2×1= 45通り

「8×7×6×5×4×3×2×1」は分母と分子にあるので、消してから計算したほうが楽です。

よって、メンバーが6人から10人に増えた場合、情報の伝達を行うために必要な経路の数(組合せの数)は、15通りから45通りへ3倍に増えます