メモリ

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今回はメモリ、つまり記憶装置について学習するっす。

ボキタロー
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記憶装置って、たしかコンピュータの5大装置の1つだったよね。

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そうっす。コンピューターが動作するためには、なくてはならない必須の装置っすね。少しボリュームが多いので頑張っていくっすよ。

目標・メモリの種類と特徴を理解する。
・記録媒体の種類と特徴を理解する。
説明・コンピュータのメモリには様々な役割をもった種類があることを知り,記録媒体の種類,特徴及び記憶階層の考え方を理解する。
メモリの概要

メモリとは

コンピュータの5大装置の1つである記憶装置を総称したものをメモリと呼びます。メモリは、その記憶方式によって大きくRAM(ラム)とROM(ロム)に分類されます。

メモリの分類
ボキタロー
ボキタロー

なんでこんなにいっぱい種類があるの?1つでいいじゃん。

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メモリにはそれぞれ特徴があるんすよ。それによって役割も変わってくるのでこれだけ種類があるんすね。

RAMの特徴と種類

RAMの特徴

RAM(Random Access Memory)には次のような特徴があります。

長所短所
・高速にデータへアクセスできる揮発性で長期間のデータの保存には不向き
・ROMに比べて容量が小さい

電源をオフにするとデータが失われるという特徴を揮発性といいます。

RAMの種類

RAMは大きく、低速で容量が大きいDRAM(Dynamic RAM)と、高速で容量が小さいSRAM(Static RAM)に分類されます。DRAMは主記憶装置(メインメモリ)に利用され、SRAMはキャッシュメモリなどに利用されています。

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メモリには、容量が大きいほど速度は遅くなり、逆に容量が小さいほど速度は速くなるという特徴があるっすよ。

主記憶装置(メインメモリ)

主記憶装置(メインメモリ)

主記憶装置(メインメモリ)はCPUとデータをやり取りをするための中心的な役割を担います。入力装置からの命令や演算結果を格納したり、補助記憶装置に格納されたファイルを呼び出して展開します。

キャッシュメモリ

キャッシュメモリは、CPUの処理速度とメインメモリの読み書きの速度差を埋めるために利用されます。

CPUの処理速度はメインメモリが読み書きする速度よりも圧倒的に早いので、CPUに待ち時間が生じてしまいます。そこで、本来メインメモリ上で扱うデータをキャッシュメモリに移し、主記憶のアクセス時間を短縮してCPUの待ち時間を減らすことで、CPUの処理能力を向上させます。

キャッシュメモリはメインメモリよりも容量が小さいため、メインメモリの内容をすべて置いておくことはできません。そこで、次に使いそうなデータだけをメインメモリからキャッシュメモリに移しておきます。

ROMの特徴と種類

ROMの特徴

ROM(Read Only Memory)には次のような特徴があります。

長所短所
・容量が大きい・RAMに比べて低速
不揮発性(電源供給を断ってもデータが失われない)

ROMの種類

上記のような特徴から、ROMは長期間データを保存し、データの読み出しや書き込みをするハードディスクSSDなどの補助記憶装置に利用されています。

ROMは「Read Only Memory」という名称ですが、読み出しだけでなく書き込みもできるという点に注意してください。

ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)

ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)

ハードディスクは、磁気によって円盤(ディスク)に記録を行います。安価で大容量(数百MB~数TB)といった特徴があります。

SSD(Solid State Drive)

SSD(Solid State Drive)

SSDは、電気によって読み書きを行うためHDDに比べて高速であるといった特徴があります。

また、物理的なディスクが回転しない構造のため、静音で電力消費が少ないといった長所をもっていますが、(現在のところ)HDDよりも高価で容量は少ないといった短所もあります。

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近年ではHDDの代替えとしてSSDを使用するコンピューターが増えているっすね。

記録メディア

一般にストレージと呼ばれるHDDやSSDなどの、コンピューター内部で接続される補助記憶装置ではなく、コンピューター外部でデータを持ち運びするためなどに用いられるROMのことを総称して記録メディアといいます。

分類特徴記録メディアの例
マスクROM読み出しのみで書き込めないCD-ROM、DVD-ROM、BD-ROM
PROM書き込みが可能一度だけ書き込み可能なものに、CD-R、DVD-R、BD-Rがある
EPROM複数回書き込み可能(紫外線でデータを消去)CD-RW、DVD-RW、BD-RE
EEPROM複数回書き込み可能(電気でデータを消去)EEPROMの一種に、USBメモリやSDカードなどのフラッシュメモリがある

BDは「Blu-ray Disc」の略です。なお、記憶できる容量は「CD<DVD<BD」となっています。

記憶階層

ここまで見てきたように、コンピュータの各種の記憶装置はCPUから補助記憶装置まで、次のような階層構造を持ちます。これを記憶階層といいます。

レジスタとは、CPUの内部にあり、演算などを行う際にデータを一時的に記憶しておくための装置です。記憶できる容量は少ないですが、非常に高速に動作します。

少しわかりにくいかもしれないので、最後に記憶階層のイメージをお伝えしておきます。

例えば、ある勉強をするために図書館にしか置いていない参考書が必要だったとします。必要になるたびにわざわざ図書館まで行って参考書を見るなんてことはしません。普通は、その参考書を図書館から借りてきて自宅の本棚にしまっておきます。

さらに、勉強をするときにわざわざそのつど本棚まで行って参考書を見る人はいないですよね?おそらく、すぐに見れるように必要なものを机まで持っていくと思います。

ただし机のスペースは限られているため、必要ないものは本棚にしまい、必要なものだけを机の上において勉強します。また、複雑な計算をするときは計算過程などをいったんノートなどにメモしながら計算を行います。

まさに、コンピューターもこれと同じことを行っているわけです。

この例では、図書館が補助記憶装置、自宅の本棚が主記憶装置(メインメモリ)で、机の上の本がキャッシュメモリ、ノートがレジスタに該当します。

返却期限が来ると(電源をオフにすると)図書館に本を返さないといけないので、自宅の本棚から参考書(データ)が消えてしまいます(揮発性)。

確認○×問題

問1

コンピュータの記憶階層におけるキャッシュメモリ、主記憶及び補助記憶と、それぞれに用いられる記憶装置の適切な組合せは次の通りである。

キャッシュメモリ主記憶補助記憶
DRAMHDDSRAM

答え:×

正しくは次のようになります。

キャッシュメモリ主記憶補助記憶
SRAMDRAMHDDやSSD

問2

キャッシュメモリは、主記憶の実効アクセス時間を短縮するために使われる。

答え:〇

CPUの処理速度はメインメモリが読み書きする速度よりも圧倒的に早いので、CPUに待ち時間が生じてしまいます。そこで、本来メインメモリ上で扱うデータを高速なキャッシュメモリに移し、主記憶のアクセス時間を短縮してCPUの待ち時間を減らすことで、CPUの処理能力を向上させます。

問3

機械的な可動部分が無く、電力消費も少ないという特徴をもつ補助記憶装置はHDDである。

答え:×

設問はSSD(Solid State Drive)の説明となります。SSDは、電気によって読み書きを行うためHDDに比べて高速であるといった特徴があります。また、物理的なディスクが回転しない構造のため、静音で電力消費が少ないといった長所をもっていますが、(現在のところ)HDDよりも高価で容量は少ないといった短所もあります。

問4

次の1~4のうち、電源供給が途絶えると記憶内容が消える揮発性のメモリは2つある。

  1. DRAM
  2. HDD
  3. SRAM
  4. SSD

答え:〇

1~4のうち、揮発性のメモリはDRAMとSRAMの2つです。HDDとSSDは電源供給が途絶えても内容が消えない不揮発性のメモリです。

問5

電気的に複数回書換え可能な、不揮発性のメモリをキャッシュメモリという。

答え:×

設問はフラッシュメモリの説明です。フラッシュメモリの例としてはUSBメモリやSDカードなどがあります。

問6

読み出し専用のDVDは、DVD-ROMである。

答え:〇

分類特徴記録メディアの例
マスクROM読み出しのみで書き込めないCD-ROM、DVD-ROM、BD-ROM
PROM書き込みが可能一度だけ書き込み可能なものに、CD-R、DVD-R、BD-Rがある
EPROM複数回書き込み可能(紫外線でデータを消去)CD-RW、DVD-RW、BD-RE
EEPROM複数回書き込み可能(電気でデータを消去)EEPROMの一種に、USBメモリやSDカードなどのフラッシュメモリがある
記録メディアの分類と特徴

問7

CPU内部にある高速小容量の記憶回路であり、演算や制御に関わるデータを一時的に記憶するのに用いられる装置はキャッシュメモリである。

答え:×

設問はレジスタの説明です。レジスタとは、CPUの内部にあり、演算などを行う際にデータを一時的に記憶しておくための装置です。記憶できる容量は少ないですが、非常に高速に動作します。