
今回はコンピュータの5つの機能のうちの入力と出力についてっす。

デバイスってどういう意味なの?

端末や装置といった意味っすね。ここでは主に入出力インタフェースや近年注目されているIoTデバイスについて勉強するっすよ。
目標 | ・入出力インタフェースの種類と特徴を理解する。 |
説明 | ・IoT システムをはじめとする身近な情報機器を活用するために,入出力インタフェースの種類と特徴を理解するとともに,それらを活用するためにはデバイスドライバが必要であることを理解する。 |
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主なインタフェースの規格
入出力インタフェースとは、コンピュータ本体と周辺機器を接続するための、ケーブルの差込口の形やデータの転送方式などの規格のことです。
入出力インタフェースの規格化によって、開発側はその規格に合わせてハードウェアやソフトウェアを開発をすれば接続可能性が保証されることになり、利用者側にとってはわざわざ自分のPCにあった機器を探して購入しなければならないといったことが必要なくなります。
入出力インタフェースの規格は、データ転送方式による分類によって大きく、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、ワイヤレスインタフェースに分類できます。
シリアルインタフェース
1本の信号線で1ビットずつ順番に信号やデータを送受信する伝送方式で、主な規格としては次のようなものがあります。
USB(Universal Serial Bus)
USBは、その名前の通り汎用的なインタフェースを目指して策定された規格です。多くの機器に対応しているため現在では広く普及しています。ケーブル経由で周辺機器に電力を供給するバスパワーという機能を有しています。

スマートホンの充電のように、電力供給のみの用途にも使われることもあるっすね。
USBの接続端子の種類には、Type-A/Type-B/Type-Cがあります。

最もよく目にするのがType-Aだと思います。スマホの充電などに使われる最新版がType-Cです。Type-Bは最近あまり目にしなくなりました。
HMDI
主にPCとディスプレイを接続するための映像向けインタフェース規格です。映像だけでなく音声も伝送することができ、著作権保護機能(HDCP)もあるのが特徴です。映像のみを転送できる従来のアナログRGBやDVIの代替として、現在最も普及している映像向けインタフェースです。

DisplayPort
HDMIと同じく映像向けインタフェース規格です。HDMIに比べ対応できる最大解像度が大きく、より綺麗で滑らかな映像表現が可能である点が特徴です。

ワイヤレスインタフェース
ケーブルを使わずにデータを送受信する伝送方式で、主な規格としては次のようなものがあります。
Bluetooth
電波によるワイヤレス規格で、2.4GHz帯を使用してPC等のマウス、キーボードをはじめ、イヤホンやスピーカーなど比較的近距離(10m程度)での通信に利用されます。近年ではIoTの分野でも注目されています。
IrDA
赤外線通信によるワイヤレス規格で、テレビなどのリモコンや携帯電話などのモバイル端末に搭載されています。赤外線はあまり遠くまで届かないため、近距離の通信で利用されます。
NFC
10cm程度の近距離での通信を行うものであり、ICカードやICタグのデータの読み書きに利用されています。
複数の信号線で、複数ビットのデータを同時に並行して転送する方式です。複数ビットのデータを一度に送信できますが、その分複数の信号線が必要となるため、ケーブルが太くなって扱いにくかったり高価になるといったデメリットがあります。
主な規格としてはPCMCIAやSCSI(スカジー)などがありますが、近年では技術の向上で伝送速度が上がったことにより、扱いやすいシリアルやワイヤレスが主流になってきています。
IoTデバイス
テクノロジ系でも学習しましたが、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、人間を仲介せずにあらゆるものがインターネットを通じて情報を伝達・共有しあう仕組みです。そして、このIoTシステムを構成する機器のことをIoTデバイスと呼びます。

「モノ」にあたるものがIoTデバイスっすね。
例えば、人の侵入を検知して自動的にシャッターを下ろすというようなIoTシステムがあったとします。この場合、人を感知する機器とシャッターを下ろすための機器が必要となります。
もちろん、コンピュータやネットワーク機器なども必要になりますが、ここでは置いておきます。
IoTデバイスは、周囲の状況に関する情報を収集して電気信号に変えるセンサーと収集した電気信号を力学的な動きに変換し、機器を動作させるための駆動装置であるアクチュエーターから構成されます。
アクチュエーターの代表例としては、モーター、油圧シリンダ、空気圧シリンダなどがあります。

IoTサーバーはIoTデバイスが収集した情報を処理、保存し、デバイス間の連携・制御を行う機器のことです。
センサーには、何を計測するかによって様々な種類のものがあります。
種類 | 計測対象 | 代表例 |
---|---|---|
光学センサー | 光の強弱を検知して位置や距離、角度などを計測 | スマートフォンなどの明るさ調整、照明やヘッドライトの自動点灯など |
赤外線センサー | 赤外線(人の目に見えない光)を計測 | 照明の人感センサー、自動ドアなど |
磁気センサー | 磁場の強さや方向、変化を計測 | 電子コンパス、地下鉱脈の捜索など |
加速度センサー | 物体の加速度(動きの変化)を計測 | ゲームの動き操作、ロボットの姿勢制御など |
ジャイロセンサー | 物体の回転や向きの変化を計測 | カーナビの方向検出、カメラの手ブレ補正など |
超音波センサー | 人間の耳には聞こえない高周波の音(超音波)を使って、距離や物体の有無を計測 | 障害物検知、防犯システムなど |
温度センサー | 周囲の温度(熱)を計測 | エアコンや冷蔵庫の自動制御、スマートフォンの発熱検知機能など |
湿度センサー | 空気中の水分量(湿度)を計測 | エアコンの自動制御、農業や製造業での湿度管理など |
圧力センサー | 物体や流体(液体・気体)の圧力を計測 | 血圧計、タイヤの空気圧検知など |
煙センサー | 煙(煙霧)を計測 | 火災警報器など |
デバイスドライバ
デバイスドライバとは、コンピューターに接続した周辺機器をOSが制御するためのソフトウェアです。
世界中のあらゆるデバイスに対してOSのみで対応するのは困難です。そこで通常、デバイスドライバが周辺機器のメーカーから提供され、CD-ROMまたはインターネットから入手してPCなどにインストールします。
なお、近年ではインストールの手間を軽減するため、周辺機器を接続した際に、自動的に最適な設定を行ってくれるプラグアンドプレイ(Plug and Play)という機能も普及しています。

コンピュータの電源を入れたまま、周辺機器の接続ができる技術をホットプラグといいます。USBなどはホットプラグに対応した規格となっています。
現在では当たり前のようにPCの電源を入れたままUSBを接続していると思いますが、従来はコンピュータの電源をいったんオフにしてから周辺機器を接続しなければなりませんでした。
なお、機器の電源を入れて稼働状態(通電された状態)を保ったまま、HDDやファンといった内臓機器を取り外して交換できる機能のことをホットスワップと呼びます。

ホットプラグとホットスワップは、しばしば同じ意味で使われる場合もあるっす。
確認○×問題
USBはパラレルインタフェースであり、複数の信号線でデータを送る。
(出典:平成29年度秋期分 問82一部改変)
答え:×
USBは、1本の信号線で1ビットずつ順番に信号やデータを送受信する伝送方式であるシリアルインタフェースです。
USBケーブル経由で周辺機器に電力を供給する方式をバスパワーという。
(出典:平成26年度秋期分 問72一部改変)
答え:〇
設問の通りです。
HDMIは映像、音声及び制御信号を1本のケーブルで入出力するAV機器向けのインターフェースである。
(出典:平成29年度秋期分 問82一部改変)
答え:〇
HDMIは主にPCとディスプレイを接続するための映像向けシリアルインタフェースの規格です。映像だけでなく音声も伝送することができ、著作権保護機能(HDCP)もあるのが特徴です。
インタフェースの規格1~4のうち、接続ケーブルなどによる物理的な接続を必要としない規格は2つある。
- Bluetooth
- HMDI
- IrDA
- USB3.0
(出典:平成28年度春期分 問99一部改変)
答え:〇
1~4のうち、BluetoothとIrDAの2つが物理的な接続を必要としないワイヤレスインタフェースの規格となります。
IoTデバイスとIoTサーバで構成され、IoTデバイスが計測した外気温をIoTサーバへ送り、IoTサーバからの指示で窓を開閉するシステムがある。このシステムのIoTデバイスに搭載されて、窓を開閉する役割をもつ装置はセンサーである。
(出典:令和3年度春期分 問72一部改変)
答え:×
窓の開閉など、機器を動作させるための駆動装置をアクチュエーターといいます。センサーは周囲の状況に関する情報を収集して電気信号に変える装置です。
デバイスドライバとは、動画を含むページを表示するために、Webブラウザに組み込むソフトウェアのことである。
(出典:平成30年度春期分 問83一部改変)
答え:×
設問はプラグインの説明となります。デバイスドライバとは、PCに接続されている周辺機器を制御、操作するためのソフトウェアです。
PCに新しい周辺機器を接続して使うためにはデバイスドライバが必要になるが、プラグイン機能に対応している周辺機器は、接続すると自動的にデバイスドライバがインストールされて使えるようになる。
(出典:平成28年度秋期分 問93一部改変)
答え:×
接続すると自動的にデバイスドライバがインストールされて使えるようになる機能はプラグアンドプレイです。
PCの電源を入れたままで周辺機器の着脱が行える機能のことをプラグアンドプレイという。
(出典:平成29年度秋期分 問82一部改変)
答え:×
PCの電源を入れたままで周辺機器の着脱が行える機能はホットプラグです。