オペレーティングシステム

snack
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どんな高度なハードウェア(ハードディスクやメモリなど)があってもそれを動かすためのプログラムがないとただの箱っすよね。

ボキタロー
ボキタロー

え?ハードディスクやメモリって自分たちで勝手に動いてるんじゃないの?

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違うっすよ。それらを動かしたり制御したりする基本的なソフトウェアがあるんすよ。それがOSっす。

目標・オペレーティングシステム(OS:Operating System)の必要性,機能,種類を理解する。
説明・コンピュータシステムの管理と利用の観点から OS を理解し,代表的な種類についてそれぞれの特徴を理解する。
オペレーティングシステムの概要

OSの種類

OSとは

OS(Operating System:オペレーティングシステム)とは、コンピュータやスマートフォンなどのデバイスを動かすための基本的なソフトウェアのことです。ハードウェアとアプリケーションソフトの橋渡しをする役割があります。

1台のPCに複数のOSをインストールしておき、起動時にOSを選択することもできます(マルチブート)。また、PCのOSにはハードディスク以外のCD-ROMやUSBメモリなどの外部記憶装置を利用して起動できるものもあります。

BIOS(Basic Input/Output System:バイオス)

パソコンの電源を入れたとき、一番最初に動く基本的なソフトウェアです。電源を入れた後、OSが起動する前に動作するプログラムで、接続されているハードウェアを管理・制御し、OSが起動するための準備を行います。BIOSはマザーボードに搭載されたチップ内に保存されています。

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パソコンの目覚まし時計みたいな存在っす。

ミドルウェア

基本的なコンピューターの仕組みとして、アプリケーションから直接ハードウェアに指示が行くのではなく、いったんOSを経由してハードウェアに指示を送ります。いわば、OSはアプリケーションの実行環境(土台)となるものですが、すべてのアプリケーションソフトウェアの機能に対応しているわけではありません。

そのため、OS(基本ソフトウェア)とアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)の間に入って、それぞれをつなぐ役割を果たす中間ソフトウェア(ミドルウェア)が必要となる場合があります。

例えば会計システムを構築する場合、データベースが必要になりますが、それを管理する機能はOSでは提供されていません。それを補完する形で、ミドルウェアはアプリケーションソフトウェアに対してOSより具体的な機能や実行環境を提供します。

また、基本的にOSが異なるとアプリケーションもそれに対応したものを用意しなければなりませんが、ミドルウェアを利用すると、ミドルウェアが動作すればOSの種類にかかわらずアプリケーションを利用することができるというメリットがあります。

ミドルウェアには、DBMS(データベース管理システム)やJAVA VM(JAVAアプリケーションの実行環境)などがあります。データベースについては別の単元で詳しく勉強します。

さらっと学習【OSのUI】

OSのUI(ユーザーインターフェース)にはCUIとGUIがあります。

CUI(Character User Interface)

CUIは、一般的に黒い画面に白い文字で命令やデータを記述・表示し、コマンドをキーボードで入力して操作します。詳細なコントロールが可能、リソースをあまり使わない(軽い)といったメリットがありますが、初心者には難しいというデメリットもあります。

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キャラクター(Character)には「文字」という意味があるっす。

GUI(Graphical User Interface)

GUIは、アイコンなどの視覚的な表現を利用して命令や処理を実行することができます。アイコン・ボタン・ウィンドウなど、視覚的に操作できます。直観的に操作でき、誰でも使いやすいといったメリットがありますが、CUIより動作が重くなる(不安定になる)、細かい設定や操作には向かない場合もあるといったデメリットもあります。

OSの種類

OSには次のような種類のものがあり、コンピュータやシステムの目的や用途に応じて使い分けられます。

PC用のOS

OSUI特徴
MS-DOSCUIマイクロソフト(Microsoft)によって開発されたWindowsのご先祖さま的存在。
WindowsGUIマイクロソフト(Microsoft)によって開発されたGUIのOS。
Mac-OSGUIApple社が開発し、Apple社のパーソナルコンピュータMacintoshに搭載されるGUIのOS。

スマートデバイス用のOS

OSUI特徴
Chrome OSGUIGoogle社が開発したPC向けOSですが、Androidと同じスマートフォン用のアプリが利用できるといった特徴がある。
iOSGUIApple社が開発し、Apple社のスマートフォンに搭載されているOS。
AndroidGUIGoogle社が開発し、様々なメーカーのスマートフォンやタブレットPCに搭載されているOS。

サーバー用のOS

OSUI特徴
UNIXCUIAT&Tベル研究所が開発したOS。安定性に優れており、主にサーバや汎用コンピュータなどの高性能なコンピュータなどで利用されている。
LinuxGUIUNIXと互換があり、GUIで動作するOS。様々なソフトウェアや機能を組み込んだディストリビューション(派生OS)が多数存在する。

シングルタスクとマルチタスク

一度に1つの作業(タスク)しかできないことをシングルタスクといい、同時に複数の作業をこなせることをマルチタスクといいます。

たとえば、皆さんは普通に「ワープロソフトを使いながらに音楽を再生する」ということをしていると思いますが、それはマルチタスクの機能があるからです。実際には、CPUが超高速でタスクを切り替えることで、処理を切り替えながら同時進行してるように見せています。

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現在のOSはほぼすべてマルチタスクっすが、MS-DOSはシングルタスクっすね。

OSの必要性と機能

OSは利用者や応用ソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)に対して、コンピュータがもつハードウェアやソフトウェア資源を効率的に提供するために必要な制御機能や管理機能をもっています。

ユーザー管理

コンピュータの利用者が利用するユーザIDの管理を行う機能です。

複数のユーザーが1台のコンピュータを共有して使うことができるように、それぞれのユーザーごとにアカウントを作成・管理するアカウント管理、各ユーザーの設定(デスクトップの背景、アプリの設定、フォルダ構成など)を保存して、ログイン時に再現するプロファイル管理、ユーザーごとにアクセスできるファイルや機能を制限することでセキュリティを保つ権限管理があります。

入出力管理

キーボード・マウス・プリンター・ディスプレイなどの入出力装置を制御し、アプリケーションがそれらを使えるように管理する機能や各デバイスごとに専用のドライバを使って、適切に動作させる機能などです。

資源管理

どのプログラムにCPUをどれくらい使わせるかをスケジューリングするCPU管理、RAMの使用を管理し、プログラムごとに必要なメモリを割り当て・解放するメモリ管理、ハードディスクやSSD上の空き容量を管理し、ファイルの保存領域を割り当てるストレージ管理などがあります。

記憶管理

コンピュータのメモリ(主記憶)を管理する機能です。

一般的には、HDDなどに保存されたプログラムをコンピューターのメモリ(主記憶)に読み込んでおき、CPUが順次読み出して実行します。

主記憶に読み込まれたプログラムは実行完了後に解放されますが、主記憶の領域が足りなくなることもあります。その場合に、補助記憶(HDDなど)の一部をあたかも主記憶のように扱い、実際の物理メモリ(RAM)よりも多くのメモリを使えるようにする仕組みを仮想記憶といいます。

主記憶上で展開したプログラムやデータを一時的に仮想記憶に移動して主記憶装置の領域を確保します。仮想記憶に移動したプログラムやデータを利用する際には主記憶装置に戻して利用します。

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すぐに使えるよう、プログラムを閉じずにいったん横に置いておくといったイメージっすよ。

参考

主記憶と補助記憶の間で内容の入替えが頻繁に行われると、CPUの処理能力がそこに奪われ、全体の処理速度が低下するなどの弊害もあります。これをスラッシングといいます。

ファイル管理

アプリケーションソフトウェアで作成されたファイルを管理する機能です。ファイル管理については少し長くなるので、次のページで詳しく見ていきます。

確認○×問題

問1

1台のPCにインストールして起動することのできるOSは1種類だけである。

答え:×

OSは1台のPCに複数のOSをインストールしておき、起動時にOSを選択することもできます。これをマルチブートといいます。

問2

PCの起動時に動作するプログラムの種類をBIOS(Basic Input Output System)、OS、常駐アプリケーションプログラムの三つに大別した場合、これらのプログラムを実行される順は次のとおりである。

OS→BIOS→常駐アプリケーションプログラム

答え:×

正しくは、「BIOS→OS→常駐アプリケーションプログラム」の順です。

BIOSはパソコンの電源を入れたとき、一番最初に動く基本的なソフトウェアです。電源を入れた後、OSが起動する前に動作するプログラムで、接続されているハードウェアを管理・制御し、OSが起動するための準備を行います。BIOSはマザーボードに搭載されたチップ内に保存されています。

なお、常駐アプリケーションプログラムはOSの起動後に実行されます。

問3

アプリケーションソフトとOSの中間に位置し、それぞれをつなぐ役割を果たす中間ソフトウェアをミドルウェアという。

答え:〇

記述の通りです。

問4

Webサイトからファイルをダウンロードしながら、その間に表計算ソフトでデータ処理を行うというように、1台のPCで、複数のアプリケーションプログラムを少しずつ互い違いに並行して実行するOSの機能をマルチタスクと呼ぶ。

答え:〇

記述の通りです。一度に1つの作業(タスク)しかできないことをシングルタスクといい、同時に複数の作業をこなせることをマルチタスクといいます。

問5

仮想記憶を利用したコンピュータで、主記憶と補助記憶の間で内容の入替えが頻繁に行われていることが原因で処理性能が低下していることが分かった。この処理性能が低下している原因を除去する対策として、補助記憶装置を大きな容量の装置に交換することが考えられる。ここで、このコンピュータの補助記憶装置は1台だけである。

答え:×

主記憶と補助記憶の間で内容の入替えが行われるのは、主記憶の容量が足りないなどの理由が考えられます。したがって、主記憶装置の容量を増やすことによって入れ替えの頻度を減らすことができます。

補助記憶装置を大きくしても、主記憶(RAM)が不足しているという問題が解決しない限り、仮想記憶を多用する状況は改善されません。