オフィスツール

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今回はオフィスツールについて勉強するっすよ。まぁ、仕事で使うようなアプリケーションソフトウェアのことっすね。

ボキタロー
ボキタロー

エクセルとかワードが有名だよね。

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ITパスポート試験では表計算に関する問題が頻出っす。慣れていない人は少し難しいっすけど頑張るっすよ。

目標・オフィスツールなどのソフトウェアパッケージの特徴と基本操作を理解する。
説明・文書作成ソフト,表計算ソフトなどのソフトウェアパッケージの特徴を理解し,それらを業務に活用するための基本操作を理解する。
オフィスツールの概要

ソフトウェアパッケージ

ソフトウェアパッケージとは、必要なファイル(実行ファイル・ライブラリ・設定ファイルなど)がひとつの単位としてまとめられ、ソフトウェア単体を商品として販売されているものをいいます。

代表的なソフトウェアパッケージには、ワープロソフト・表計算ソフト・プレゼンテーションソフトなどのオフィスソフトウェアや画像編集ソフト・動画編集ソフトなどのマルチメディアオーサリングツールがあります。

MEMO

オフィスソフトウェアではMicrosoft Office、マルチメディアオーサリングツールではAdobe PhotoshopやIllustratorなどが有名です。

ワープロソフト

文字の入力や編集、文書の作成・整形などを行うためのソフトウェアのことを指します。

その他にも、フォントの変更や色付け、画像や表の挿入、クリップボード(一時的にデータを保存するための領域)を使ってのコピー、切り取り、貼り付けなどを行うことができます。

さらっと学習【文書の整形】

文書作成ソフトがもつ主な文書の整形機能としては次のようなものがあります。

禁則処理:日本語文書を美しく、読みやすく整えるための処理です。句読点や閉じカッコ、小書きの仮名(、っなど)が行頭に来ないようにする処理などがあります。

オートインデント:文章の段落ごとに、自動で1文字分などの字下げをしてくれる機能。

オートコレクト:入力ミスを自動で直してくれる機能。スペルミスの修正、文頭を自動的に大文字に変換、全角/半角の自動変換などがあります。

均等割り付け:文字の配置方法の一つで、指定した幅の中に文字を等間隔で並べるための機能。

プレゼンテーションソフト

スライド形式で情報を視覚的に伝えるためのソフトウェアです。会議、授業、セミナーなどでよく使われ、文字、画像、グラフ、動画、アニメーションなどを組み合わせて、聴衆に分かりやすく伝えるのが目的です。

写真・動画・音声の挿入はもちろん、グラフや図形の作成、アニメーションや画面切り替え効果などが行えます。

表計算ソフト

表形式でデータを整理・計算・分析するためのソフトウェアです。数字や文字をマス目(セル)に入力し、関数や数式を使って計算や集計ができるのが特徴で、経理・売上管理・成績表・スケジュール作成など、様々な場面で利用されています。

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表計算ソフトに関する問題はITパスポート試験で頻出なので、次で詳しく見ていくっす。

MEMO

表計算ソフトと聞くとMicrosoft社のExcelを想像する人が多いと思いますが、ITパスポート試験ではExcelなど特定のソフトウェアの使い方ではなく、表計算ソフトの一般的な仕組み(考え方)について問われます。したがって、Excelでの書き方とは異なる箇所もあります。

表計算ソフトの仕組みと考え方

基本的な用語

表計算ソフトは、から構成された表に文字や数値などを入力して計算等を行います。この文字や数値を入力する場所(マス目)のことをセルと呼びます。

また、行と列の組み合わせで表したセルの位置ことをセル番地といいます。

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例えば、A列の1行目を表す場合は「A1」と書くっす。

表計算ソフトでは、一般的にセルに入力した数値を元に計算を行います。例えば、セルD1にセルA1の値からセルC1の値を足した値を表示する場合には、セルD1に「A1+B1+C1」と入力すると、その計算式の結果がD1に表示されます。

ABCD
1102030A1+B1+C1
セルD1に「A1+B1+C1」と入力

ABCD
110203060
計算式の結果がD1に表示

また、表計算ソフトの重要な特徴に複写(コピー)があります。例えば、次の表でD1をD2に複写すると「60」ではなく「A2+B2+C2」の計算結果が自動的に表示されます。

ABCD
110203060
2404040120
D1をD2に複写

このように、参照先のセル番地がコピーと同じ方向に同じ数だけ移動する参照方式を相対参照と呼びます。また相対参照に対して、コピーをしても移動しない参照を絶対参照と呼びます。絶対参照では、移動させたくないセル番地に「$A$1」のように$マークを付けます。

MEMO

「$A1」「A$1」のように行と列の片方だけを固定することもできます。これを複合参照と呼びます。

関数

あらかじめ組み込まれた数式(プログラム)を関数といいます。代表的なものとして、SUM(合計)、AVERAGE(平均)、MAX(最大値)、MIN(最小値)、COUNT(個数)、IF(条件)などがあります。

例えば、セルD1に「SUM(A1:C1)」という関数を入力すると、セルA1からセルC1にある数値の合計がセルD1に表示されます。

ABCD
1102030SUM(A1:C1)
セルD1に「SUM(A1:C1)」と入力

ABCD
110203060
計算式の結果がD1に表示
MEMO

「:」(コロン)は「~から~まで」という意味です。つまり(A1:C1)は「A1からC1まで」という意味になります。

ボキタロー
ボキタロー

「A1+B1+C1+・・・・」と書かなくていいから楽だね。

また、IFは条件分岐を意味し「IF(条件、条件に当てはまるときの処理、条件に当てはまらないときの処理)」と定義されます。例えば、「IF(年齢≧18、’成人’、’未成年’)」のように書くと、「年齢が18以上のときは’成人’と表示し、それ以外は’未成年’と表示する」といった処理を行います。

参考

関数に似たものでマクロがあります。マクロは関数よりも限定的で単純な処理を繰り返し行う場合などに利用されます。

文章で説明してもわかりにくいので例題を解きながら確認しましょう。

例題(令和元年秋期 問76)

ある商品の月別の販売数を基に売上に関する計算を行う。セル B1に商品の単価が、セル B3 〜 B7に各月の商品の販売数が入力されている。セル C3に計算式 “ B$1*合計( B$3:B3 )/個数( B$3:B3 )” を入力して、セルC4 ~ C7に複写したとき、セル C5に表示される値は幾らか。

ABC
1単価1,000
2販売数計算結果
34月10
45月8
56月0
67月4
78月5

まず、計算式の「*」は「×(掛ける)」、「/」は「÷(割る)」を表しています。

「B$1」はB列の1行目(つまり単価の1,000)を意味していますが、行が$で固定されているため、計算式を下のセルに複写しても「1,000」は動かないことになります(下にずれない)。

「合計( B$3:B3 )」は、B3からB3までの合計(つまりB3の数値10)を表します。合計のスタートとなる「B$3」は、行が$で固定されているため、計算式を下のセルに複写しても「10」は動かないことになります(下にずれない)。しかし、合計のゴールとなる「B3」の行は固定されていないため、計算式を下のセルに複写すると販売数の数値も下にずれていきます。

つまり、C4では「B3の数値10からB4の数値8までの合計」(つまり10+8=18)、C5では「B3の数値10からB5の数値0までの合計」(つまり10+8+0=18)を意味します。

最後に「個数( B$3:B3 )」ですが、この個数というのは販売数のことではなくセルの個数のことを表していることに注意してください。

つまり先ほどと同じく、C4では「B3からB4までのセルの個数」(つまり2個)、C5では「B3からB5までのセルの個数」(つまり3個)を意味します。

以上より、 “ B$1*合計( B$3:B3 )/個数( B$3:B3 )” の計算式をセル C5に複写すると

B1*合計( B3:B5 )/個数( B3:B5 )
=1,000×18÷3
6,000

となります。

ABC
1単価1,000
2販売数計算結果
34月10B1*合計( B3:B3 )/個数( B3:B3 )
10,000
45月8B1*合計( B3:B4 )/個数( B3:B4 )
9,000
56月0B1*合計( B3:B5 )/個数( B3:B5 )
6,000
67月4B1*合計( B3:B6 )/個数( B3:B6 )
5,500
78月5B1*合計( B3:B7 )/個数( B3:B7 )
5,400
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要するに、売上の月平均を計算してるってことっすね。

Webブラウザ

Webブラウザとは、インターネット上のWebページを表示・閲覧するためのソフト(アプリ)のことです。Google Chrome、Safari、Microsoft Edge、Firefoxなどが有名です。Webブラウザではプラグインと呼ばれるアプリケーションソフトウェアを組み込むことによって、機能を拡張することもできます。

おそらくほとんどの人はインターネットを利用する際、検索したい情報に関するキーワードを検索窓と呼ばれる入力欄に書き込むことによって情報を探していると思います。しかし1つの単語で検索した場合、大量のWebサイトが表示されるため、必要に応じて検索条件の絞り込みを行うことが一般的です。代表的な絞り込み検索の手法には次のような方法があります。

AND検索

「A and B」と入力することで、AとBの両方のキーワードを含んだ検索を行うことができます。複数のキーワードを含んだ情報を検索する場合、キーワードとキーワードの間にスペースを入れて検索している人が多いと思いますが、あれもAND検索です。

OR検索

「A or B」と入力することで、AかBのどちらかのキーワードを含んだ検索を行うことができます。

NOT検索

「A not B」と入力することで、Aを含むものの中でBは含まれない情報の検索を行うことができます。

確認○×問題

問1

改行後の先頭文字が、指定した文字数分だけ右へ移動した。これは文書作成ソフトがもつ機能である禁則処理が行われた例である。

答え:×

設問の文章はオートインデントの説明です。禁則処理とは、日本語文書を美しく、読みやすく整えるための処理で、句読点や閉じカッコ、小書きの仮名(、っなど)が行頭に来ないようにする処理などがあります。

問2

セルD2とE2に設定した2種類の税率で、商品Aと商品Bの税込み価格を計算する。セルD4に入力する正しい計算式は$B4*(1.0+D$2)であるが、誤って$B4*(1.0+$D$2)と入力した。セルD4に入力した計算式を、セルD5、E4及びE5に複写したとき、セルE5に表示される数値は630である。

ABCDE
1税率1税率2
2税率0.050.1
3商品名税抜き価格税込み価格1税込み価格2
4商品A500
5商品B600

答え:〇

誤った入力の「(1.0+$D$2)」は行と列がともに固定されているため、列を横に複写しても0.05が動きません。つまり、E列の税込み価格2も税率1の0.05で計算されてしまうことになります。

ABCDE
1税率1税率2
2税率0.050.1
3商品名税抜き価格税込み価格1税込み価格2
4商品A500B4*(1.0+D2)B4*(1.0+D2)
5商品B600B5*(1.0+D2)B5*(1.0+D2)

よって、セルE5に表示される数値は

B5*(1.0+D2)
=600×(1.0+0.05)
=600×1.05
630

となります。

問3

セルB2〜C8に学生の成績が科目ごとに入力されている。セルD2に計算式「IF(B2≧50、’合格’、IF(C2≧50、’合格’、’不合格’))」を入力し、それをセルD3〜D8に複写した。セルD2〜D8において「合格」と表示されたセルの数は2個である。

ABCD
1氏名数学英語評価
2山田太郎5080
3鈴木花子4530
4佐藤次郎3585
5田中梅子5570
6山本克也6045
7伊藤幸子3045
8小林潤也7035

答え:×

IFは条件分岐を意味し、「IF(条件条件が真のときの処理条件が偽のときの処理)」と定義されます。

「IF(B2≧50’合格’IF(C2≧50、’合格’、’不合格’))」は、もしB列の数値(数学の点数)が50以上ならD列に’合格’と表示し、そうでなければ「IF(C2≧50、’合格’、’不合格’)」という処理を行います。

「IF(C2≧50’合格’’不合格’)」は、もしC列の数値(英語の点数)が50以上ならD列に’合格’と表示し、そうでなければ’不合格’と表示します。

MEMO

IF文の中にIF文が含まれているため、少しややこしいので注意しましょう。

要するに、数学か英語の点数のどちらかが50点以上なら’合格’、数学と英語の点数がどちらも50点未満なら’不合格’と表示する計算式です。

ABCD
1氏名数学英語評価
2山田太郎5080合格
3鈴木花子4530不合格
4佐藤次郎3585合格
5田中梅子5570合格
6山本克也6045合格
7伊藤幸子3045不合格
8小林潤也7035合格

よって、「合格」と表示されるセルの数は、D2(山田太郎)、D4(佐藤次郎)、D5(田中梅子)、D6(山本克也)、D8(小林潤也)の5個となります。

問4

表計算ソフトを用いて、二つの科目X、Yの点数を評価して合否を判定する。それぞれの点数はワークシートのセルA2、B2に入力する。合格判定条件(1)又は(2)に該当するときはセルC2に「合格」、それ以外のときは「不合格」を表示する。セルC2に入力する式は「IF(論理積((A2+B2)≧ 120, A2=100, B2=100), ’合格’, ’不合格’)」である。

[合格判定条件]
 (1)科目Xと科目Yの合計が120点以上である。
 (2)科目X又は科目Yのうち、少なくとも一つが100点である。

ABC
1科目X科目Y合否
25080合格

答え:×

[合格判定条件]を満たすためには「論理和((A2+B2)≧ 120, A2=100, B2=100)」が適当となります。

論理和は条件のいずれかが真のときに、結果が真になる演算です。つまりに日本語で言うところの「~または~」にあたるものです。

したがって「論理和((A2+B2)≧ 120, A2=100, B2=100)」は、「科目Xと科目Yの合計が120点以上である」「科目Xが100点である」「科目Yが100点である」の条件のいずれかを満たす(場合は ’合格’と表示する)という意味となります。

ちなみに、論理積は条件がいずれも真のときのみ、結果が真になる演算です。つまりに日本語で言うところの「~かつ~」にあたるものです。

したがって「論理積((A2+B2)≧ 120, A2=100, B2=100)」は、「科目Xと科目Yの合計が120点以上である」「科目Xが100点である」「科目Yが100点である」の条件をいずれも満たす必要があり、[合格判定条件]に合致しないため不適当です。

↓「論理積・論理和って何?」という人はこちらで復習

問5

表計算ソフトを用いて、天気に応じた売行きを予測する。表は、予測する日の天気( 晴れ、曇り、雨 )の確率、商品ごとの天気別の売上予測額を記入したワークシートである。セルE4に商品Aの当日の売上予測額を計算する式を入力し、それをセルE5E6に複写して使う。このとき、セルE4に入力する適切な式は「B$2*B4+C$2*C4+D$2*D4」である。ここで、各商品の当日の売上予測額は、天気の確率と天気別の売上予測額の積を求めた後、合算した値とする。

ABCDE
1天気晴れ曇り
2天気の確立0.50.30.2
3商品名晴れの日の
売上予測額
曇りの日の
売上予測額
雨の日の
売上予測額
当日の
売上予測額
4商品A300,000100,00080,000
5商品B250,000280,000300,000
6商品C100,000250,000350,000

答え:〇

本問は当日の売上の期待値を求めるワークシートです。

↓「期待値って何?」という人はこちらで復習

問題文で示されているように、当日の売上の期待値は天気の確率と天気別の売上予測額の積を求め、それらを合算して求めます。

例えば商品Aの売上の期待値は

0.5×300,000+0.3×100,000+0.2×80,000
=196,000

となります。

これを計算式に当てはめると「B2*B4+C2*C4+D2*D4」となりますが、このままだとE5E6に複写したときに2行目の「天気の確立」まで下にずれてしまうため、2行目は絶対参照で指定してロックする必要があります。

よって、セルE4に入力する適切な式は「B$2*B4+C$2*C4+D$2*D4」となります。

問6

WebブラウザでWebサイトを検索する際に検索窓に「ITパスポート試験 and 合格率」と入力して検索すると、ITパスポート試験の合格率を検索することができる。

答え:〇

「A and B」と入力することで、AとBの両方のキーワードを含んだ検索を行うことができます。複数のキーワードを含んだ情報を検索する場合、キーワードとキーワードの間にスペースを入れて検索している人が多いと思いますが、あれもAND検索です。