オープンソースソフトウェア

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さて今回はオープンソースソフトウェアっす。無料で利用できるちょっと特殊なソフトウェアっすよ。

ボキタロー
ボキタロー

無料で利用できるの？でも聞いたことがないや。

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気づいてないだけで意外と身近なところにあるんすよ。今回の内容は軽めっすからサクッとみていくっすね。

目標・オープンソースソフトウェア（OSS：Open Source Software）の特徴を理解する。
説明・OSS の特徴，利用目的及び利用する際の留意点を理解する。
オープンソースソフトウェアの概要

目次 非表示

オープンソースソフトウェアとは

オープンソースソフトウェア（OSS：Open Source Software）とは、ソースコードが公開されていて、誰でも自由に利用・改良・再配布できるソフトウェアのことです。個人だけでなく、開発の効率化・開発者コミュニティの拡大・ブランド力や技術力のアピールなどを目的として企業や組織も開発を行っています。

ソフトウェア本体は基本的に無料で使えますが、企業向けに有償のサポートや商用サービスが提供されているケースもあります。

注意

OSSは無料で利用できますが、著作権は放棄されていません。なお、著作権が放棄されているソフトウェアをパブリックドメインソフトウェアといいます。

OSSは単なるフリーソフトウェアではなく、いくつもの定義があり、その定義に従って利用する範囲においてのみ、無償でソフトウェアを利用できます。

オープンソースソフトウェアの定義やライセンスの承認などを行っている国際的な非営利団体OSI（The Open Source Initiative）が定める定義は次の通りです。

OSIの「オープンソースの10の条件」

  1. 自由な再配布
    ソフトウェアは誰でも自由に再配布できなければならない。
  2. ソースコード
    ソフトウェアにはソースコードが含まれているか、簡単に入手できなければならない。
  3. 派生的著作物
    改変や派生ソフトウェアの作成が認められていなければならない。
  4. ソースコードの完全性の保持
    元のコードの完全性を保ちつつ、改変を許可する方法（パッチ形式など）を認めること。
  5. 個人や団体に対する差別の禁止
    誰かを対象から外したり差別してはいけない。
  6. 利用する分野に対する差別の禁止
    商用利用や軍事利用など、特定の分野での使用を禁止してはいけない。
  7. ライセンスの配布
    ライセンスは再配布のたびに新たな契約が不要な形で適用されなければならない。
  8. 特定の製品に依存しないこと
    特定のソフトウェア製品にだけライセンスが適用されるのはNG。
  9. 他のソフトウェアを制限しないこと
    一緒に配布される他のソフトウェアのライセンスや使用を制限してはいけない。
  10. 技術的中立性
    ライセンスは、特定の技術やインターフェースに依存してはならない。
snack
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覚える必要はないっすよ。OSSがどういう感じのものか確認するだけでいいっす。

オープンソースライセンス

OSSには、OSSの定義にあった数十ものライセンス形態が存在しますが、OSIが承認した有名なオープンソースライセンスの例としてはGPL（General Public License）やLGPL（Lesser General Public License）などがあります。

MEMO

「GPL」と「LGPL」は、どちらもフリーソフトウェア財団（FSF）が策定した有名なオープンソースライセンスで、自由を守るためのルールがしっかり書かれてるライセンスです。

さらっと学習【コピーレフト】

GPLはコピーレフトの代表例として知られています。コピーレフト（Copyleft）とは、著作権（Copyright）とは逆にソフトウェアやコンテンツを自由に使用、改変、再配布できる権利を保障するライセンスの概念です。

例えば、オープンソースソフトウェアでは、誰でもソースコードを変更したり、再配布したりできますが、その変更後のコードも同じようにオープンにして再配布しなければならないという条件が付いている場合が多いです。

snack
snack

要するに、自由に使っていいけどその自由を他の人にも保証しなさいという仕組みっすね。自由を独り占めしちゃいけないってことっす。

主なOSS

OSS には、OS、通信系ソフトウェア、オフィス系ソフトウェア、データベース管理システムなど様々なものがありますが、有名なオープンソースソフトウェアの例としては次のようなものがあります。

名称　ジャンル内容
LinuxOSOSのカーネル（OSの基本機能を実装したソフトウェア）だが、様々なディストリビューション（派生OS）が存在し、有名なものでUbuntuやCentOSなどがある。広い意味ではAndroidもディストリビューションの一種といえる。
FirefoxWebブラウザMozilla製のウェブブラウザ
ThunderbirdメールソフトMozilla製のメールソフトで、個人・企業問わず人気があり、OutlookのOSS代替として使われることも多い
Eclipse統合開発環境Javaを中心に多数の言語をサポートするIDE（統合開発環境）
Apache HTTP ServerWebサーバApacheソフトウェア財団が作成した世界中で使われているウェブサーバーソフト
MySQLデータベースオラクルが提供するデータベース構築・管理ソフトウェア
LibreOfficeオフィスソフト文書作成、表計算、プレゼン資料作成など、無料で高機能なオフィスソフト
WordPressCMS世界中で最も人気のあるオープンソースのコンテンツ管理システム（CMS）。サイト作成やブログ運営、オンラインショップまで、さまざまな用途で使われている
ボキタロー
ボキタロー

いぬぼきもWordPressを利用して作成しているよ。

確認○×問題

問1

次のうち、OSS（Open Source Software）に関する記述として、適切なものは２つある。

  1. ソースコードを公開しているソフトウェアは、全てOSSである。
  2. 著作権が放棄されており、誰でも自由に利用可能である。
  3. どのソフトウェアも、個人が無償で開発している。
  4. 利用に当たり、有償サポートが提供される製品がある。

（出典：令和3年度春期分 問78一部改変）

答え：×

  1. 誤り。「ソースコードを公開している」＝「オープンソースソフトウェア（OSS）」とは限りません。OSSは、OSIなどの定義に従い一定の条件を満たす必要があります。
  2. 誤り。OSSは著作権を放棄していません。OSSの開発者は著作権を保持したまま、ソフトウェアを特定のライセンスに基づいて公開しています。
  3. 誤り。OSSは「すべて個人が無償で開発している」わけではありません。OSSは、さまざまな立場の人や組織によって開発されています。
  4. 正しい。OSSでも有償サポートを提供することは認められます。OSSは、ソフトウェア本体は無料で使えることが多いですが、企業向けに有償のサポートや商用サービスが提供されているケースはたくさんあります。

以上より、正しい記述は4.の１つとなります。

問2

次のうち、OSS（Open Source Software）に関する記述として、適切なものは２つある。

  1. 製品によっては、企業の社員が業務として開発に参加している。
  2. ソースコードだけが公開されており、実行形式での配布は禁じられている。
  3. どの製品も、ISOで定められたオープンソースライセンスによって同じ条件で提供されている。
  4. ビジネス用途での利用は禁じられている。

（出典：令和2年度秋期分 問96一部改変）

答え：×

  1. 正しい。オープンソースソフトウェア（OSS）は、単にボランティアや個人だけでなく、技術力のアピール・ブランディングなどを目的として、企業に雇われているエンジニアが仕事として開発に関わっていることも多いです。
  2. 誤り。MIT、GPL、Apache Licenseなどのライセンスでは実行形式（バイナリ）の配布が許可されています。ただし、対応するソースコードも同時に公開・提供しなければならないなどの一定の条件が必要となります。
  3. 誤り。OSSには世界中で使われているライセンスが数十種類以上あり、それぞれで利用条件や義務が異なります。代表的なOSSライセンスとしては、GPL、MIT、Apache License、BSDなどがあります。
  4. 誤り。OSI（Open Source Initiative）が定義する「オープンソースの10の条件」の中には、いかなる利用分野（商用・教育用・軍事用など）でも差別してはならないという項目があり、多くのOSSライセンスでは商用利用（ビジネス用途）が明確に許可されています。

以上より、正しい記述は1.の１つとなります。

問3

次のうち、OSS（ Open Source Software ）を利用することのメリットとして適切なものは２つある。

  1. 開発元から導入時に技術サポートを無償で受けられる。
  2. ソースコードが公開されていないので、ウイルスに感染しにくい。
  3. ソフトウェアの不具合による損害の補償が受けられる。
  4. ライセンス条件に従えば、利用者の環境に合わせてソースコードを改変できる。

（出典：平成29年度秋期分 問64一部改変）

答え：×

  1. 誤り。基本的にOSSは無償で提供されますが、公式なサポートが無償で提供されるとは限りません。ただし、有償サポートがある場合もあります。
  2. 誤り。OSSはソースコードが公開されているため、悪意のある第三者がそのコードを確認し、脆弱性を悪用する可能性があります。
  3. 誤り。OSSライセンスは通常、利用者に対してソフトウェアが現状のまま提供されることを明記しています。これにより、ソフトウェアの利用による損害や問題については、開発者や配布者は責任を負わないことが多いです。ただし、有償サポートを契約した場合、提供されるサポートに含まれる条件として、一定の保証やサポートが提供されることがあります。
  4. 正しい。OSSの特徴のひとつが、ソースコードの改変が自由にできることです。ただし、これはライセンスの条件に従うことが前提です。

以上より、正しい記述は4.の１つとなります。

問4

次のうち、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末に用いられている、OSS（Open Source Software）であるOSは２つある。

  1. Android
  2. iOS
  3. Safari
  4. Windows

（出典：令和4年度春期分 問63一部改変）

答え：×

  1. AndroidはGoogleが開発したオープンソースのモバイルOSです。
  2. iOSはAppleが開発した独自のオペレーティングシステムで、ソースコードは公開されていません。クローズドソース（商用ソフトウェア）であり、OSSではありません。
  3. SafariはAppleが開発したウェブブラウザです。完全なOSSではありません。
  4. WindowsはMicrosoftが開発した商用オペレーティングシステムで、ソースコードは公開されていません。クローズドソース（商用ソフトウェア）であり、OSSではありません。

以上より、OSSは1.Androidの１つとなります。

問5

次のうち、OSS（ Open Source Software ）であるメールソフトは２つある。

  1. Android
  2. Firefox
  3. MySQL
  4. Thunderbird

（出典：平成27年度春期分 問57一部改変）

答え：×

  1. 誤り。AndroidはGoogleが開発したオープンソースのモバイルOSです。
  2. 誤り。FirefoxはMozilla製のオープンソースのウェブブラウザです。
  3. 誤り。MySQLはオラクル社が提供するオープンソースのデータベース構築・管理ソフトウェアです。
  4. 正しい。ThunderbirdはMozilla製のオープンソースのメールソフトです。

以上より、オープンソースのメールソフトは4.の１つとなります。

問6

コピーライトとは、ソフトウェアやコンテンツを自由に使用、改変、再配布できる権利を保障するライセンスの概念である。

答え：×

問題の記述はコピーレフトの説明となります。コピーライト（Copyright）は著作権のことであり、コピーレフトとは逆の概念です。

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