
今回はインターネットを使ったサービスについて勉強するっすが、電子メールの話題が中心になるっす。

最近、電子メールの扱い方を間違えて個人情報が流出したっていうニュースをよく目にするね。

電子メールに関する問題は超頻出っすよ。それだけ「ちゃんと勉強してほしい」という出題者の思いがあるんっすね。
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電子メール
電子メールとは
電子メール(E-mail)とは、インターネットなどのネットワークを通じて、文字情報やファイルなどを送受信できるサービスです。
送信された電子メールは、メールを送受信・管理するためのコンピューター(メールサーバ)を介して、受信ユーザのメールサーバ上にあるメールボックス(ユーザーごとに割り当てられたメールの保管場所)に届きます。

すでに学習しましたが、メール送信にはSMTP、メールの受信(ダウンロード)にはPOP3といった通信プロトコルが利用されます。

メールを送信すると、直接相手のコンピュータに届くと勘違いしている人が多いっすから注意するっすよ。
電子メールで テキスト以外のデータ(画像、音声、ビデオ、添付ファイルなど)を送受信できるようにする拡張規格です。元々、電子メールはプレーンテキストしか扱えなかったため、MIMEはその制限を克服するために導入されました。
宛先の指定方法
電子メールの宛先の指定方法には「To」「Cc」「Bcc」の3通りがあり、誰にメールを送るか・誰に見せるか・誰に見せないかを制御するために使われます。
フィールド | 名前 | 説明 |
---|---|---|
To | 宛先(受信者) | メールの主な受取人。行動(返信や処理など)を起こしてほしい相手。 |
Cc | カーボンコピー(写し) | 上司など「参考・確認のために見せたい」場合に使用。全員が見える。 |
Bcc | ブラインドカーボンコピー(隠し写し) | 他の受信者に見えない形で送信する相手。横のつながりがない顧客など。 |
メール送信時の注意点
Bcc
は迷惑メール防止やプライバシー保護に有効です。多数に一斉送信するときに使うと、他人のアドレスを隠せます。Cc
に入れると、全員に「この人にも送っている」とわかるので、透明性のある連絡に適しています。To
とCc
に入っている人は、返信する際にも全員に見えるので注意が必要です。
使用例
To:Aさん
Cc:Bさん、Cさん
Bcc:Dさん、Eさん
- Aさん:BさんとCさんのことは見えますが、DさんとEさんのことは見えません。
- Bさん:AさんとCさんのことは見えますが、DさんとEさんのことは見えません。
- Cさん:AさんとBさんのことは見えますが、DさんとEさんのことは見えません。
- Dさん:Aさん、Bさん、Cさんのことは見えますが、Eさんのことは見えません(他のBccは見えない)。
- Eさん:Aさん、Bさん、Cさんのことは見えますが、Dさんのことは見えません(他のBccは見えない)。

メーリングリスト
メーリングリストとは、複数の人に同時にメールを送るための仕組み・サービスです。特定のメールアドレス(メーリングリストアドレス)にメールを送信すると、そのメールがリストに登録されているすべてのメンバーに自動的に配信されます。社内の部署間連絡やプロジェクトチームの情報共有、地域コミュニティの連絡手段などに活用されています。
なお、プライバシー保護やスパム対策のため、受信メールの宛先にはメーリングリストのアドレスまたは投稿者のアドレスのみが表示され、通常は他のメンバーのアドレスは見えないようになっています。
その他のインターネットサービス
インターネットを利用してユーザ間のコミュニケーションを実現するインターネットサービスは、電子メール以外にも次のようなものがあります。
サービス | 説明 |
---|---|
電子掲示板(BBS) | インターネット上でユーザー同士がメッセージや情報を投稿・閲覧できるシステムのことです。現代のSNSやフォーラムの元祖ともいえる仕組みで、今でも多くの分野で使われています。 |
チャット | インターネットなどのネットワークを通じて、リアルタイムにメッセージをやりとりする通信方式のことです。文字を中心に、音声や画像、スタンプなども使われるようになり、現代では日常的なコミュニケーション手段として広く使われています。 |
ブログ | インターネット上に日記や記事のような文章を投稿・公開できるウェブサイトやサービスのことです。もともとは「Web」と「Log(日誌)」を組み合わせた言葉で、ウェブログ(Weblog)が略されて「ブログ」と呼ばれるようになりました。 |
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS) | インターネット上で人と人とのつながりを作り、情報を共有・交流できるサービスのことです。人間関係の構築やコミュニケーションを促進することを目的としています。 |
Cookie(クッキー)とは、ウェブサイトを訪れた際に、ユーザーのブラウザに保存される小さなデータファイルのことです。これにより、ウェブサイトはユーザーの情報や履歴を覚えて、次回以降のアクセス時により便利なサービスを提供できるようになります。
ログイン状態を保持して、ユーザーを識別するために使用されたり、ショッピングカートやフォームに入力した内容を保存して、ページを移動しても情報を失わないようにするセッション管理などに使われます。

オンラインストレージとは、インターネットを通じてデータをクラウド上に保存し、どこからでもアクセスできるサービスのことです。物理的なハードディスクやUSBメモリなどに依存せず、インターネット経由でファイルを管理できます。近年では多くのオンラインストレージが無料で利用できるため、個人利用者にも普及しています。

複数のデバイス(PC、スマートフォン、タブレットなど)で同じファイルにアクセスでき、自動でデータがバックアップされるため、データ消失のリスクが軽減されます。
RSS(Really Simple SyndicationまたはRich Site Summary)」は、Webページの見出しやリンク、要約などを記述するフォーマットで、ウェブサイトの更新情報を自動的に取得して配信するための技術です。ユーザーはRSSを使って、Webサイトに訪問することなく、複数のウェブサイトの新しいコンテンツを一元的に確認できるようになります。
確認○×問題
次の電子メールに関する記述のうち、適切なものは2つある。
- 電子メールのプロトコルには、受信にSMTP、送信にPOP3が使われる。
- メーリングリストによる電子メールを受信すると、その宛先には全ての登録メンバーのメールアドレスが記述されている。
- メールアドレスの「@」の左側部分に記述されているドメイン名に基づいて、電子メールが転送される。
- メール転送サービスを利用すると、自分名義の複数のメールアドレス宛に届いた電子メールを一つのメールボックスに保存することができる。
(出典:令和5年度春期分 問92一部改変)
答え:×
- 誤り。電子メールのプロトコルには、送信にSMTP、受信にPOP3が使われます。
- 誤り。メーリングリストから届いたメールの宛先に、すべての登録メンバーのメールアドレスが記述されるとは限らず、通常は記載されません。
- 誤り。メールアドレスの「@」の右側にあるドメイン名に基づいて、電子メールは転送されます。例えば、
user@example.com
というメールアドレスでは「example.com」がドメイン名になります。 - 正しい。メール転送サービスを利用することで、自分の複数のメールアドレスに届いたメールを、一つの共通のメールアドレスに自動で転送し、1つのメールボックスに集約できます。
以上より、正しい記述は4.の1つとなります。
Aさんが、Pさん、Qさん及びRさんの3人に電子メールを送信した。Toの欄にはPさんのメールアドレスを、Ccの欄にはQさんのメールアドレスを、Bccの欄にはRさんのメールアドレスをそれぞれ指定した。このとき、Qさんは、同じ内容のメールがPさんにも送信されていることを知ることができる。
(出典:令和3年度春期分 問59一部改変)
答え:〇
記述の通りです。
Pさん:Qさんにも同じ内容のメールが送信されていることを知ることができますが、Rさんのことは見えません。
Qさん:Pさんにも同じ内容のメールが送信されていることを知ることができますが、Rさんのことは見えません。
Rさん:PさんとQさんにも同じ内容のメールが送信されていることを知ることができます。
Aさんが、Pさん、Qさん及びRさんの3人に電子メールを送信した。Toの欄にはPさんのメールアドレスを、Ccの欄にはQさんのメールアドレスを、Bccの欄にはRさんのメールアドレスをそれぞれ指定した。電子メールを受け取ったPさん、Qさん及びRさんのうち、同じ内容の電子メールがPさん、Qさん及びRさんの3人に送られていることを知ることができる人は、この3人のうち、Rさんのみである。
(出典:令和元年度秋期分 問79一部改変)
答え:〇
記述の通りです。
Pさん:Qさんにも同じ内容のメールが送信されていることを知ることができますが、Rさんのことは見えません。
Qさん:Pさんにも同じ内容のメールが送信されていることを知ることができますが、Rさんのことは見えません。
Rさん:PさんとQさんにも同じ内容のメールが送信されていることを知ることができます。
RSSとは、Webサイトが、Webブラウザを通じて訪問者のPCにデータを書き込んで保存する仕組み又は保存されるデータのことである。
(出典:令和6年度春期分 問61一部改変)
答え:×
設問の文章はCookie(クッキー)の説明です。これにより、ウェブサイトはユーザーの情報や履歴を覚えて、次回以降のアクセス時により便利なサービスを提供できるようになります。
なお、RSS(Really Simple SyndicationまたはRich Site Summary)は、Webページの見出しやリンク、要約などを記述するフォーマットで、ウェブサイトの更新情報を自動的に取得して配信するための技術です。ユーザーはRSSを使って、Webサイトに訪問することなく、複数のウェブサイトの新しいコンテンツを一元的に確認できるようになります。
オンラインストレージに関する次の記述のうち、適切なものは2つある。
- インターネットに接続していれば、PCからだけでなく、スマートフォンやタブレットからでも利用可能である。
- 制限された容量と機能の範囲内で、無料で利用できるサービスがある。
- 登録された複数の利用者が同じファイルを共有して、編集できるサービスがある。
- 利用者のPCやタブレットに内蔵された補助記憶装置の容量を増やせば、オンラインストレージの容量も自動的に増える。
(出典:平成31年度春期分 問84一部改変)
答え:×
オンラインストレージとは、インターネットを通じてデータをクラウド上に保存し、どこからでもアクセスできるサービスのことです。
物理的なハードディスクやUSBメモリなどに依存せず、インターネット経由でファイルを管理するため、利用者のPCやタブレットに内蔵された補助記憶装置の容量を増やしたからといって、オンラインストレージの容量が自動的に増えるわけではありません。
よって、4.の記述のみ不適切となります。1.~3.の記述は適切です。