ネットワーク応用3~通信サービス~

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今では当たり前に使っているインターネットっすが、今回はインターネットなどに利用される回線(および回線事業者)に関する話題が中心っす。

ボキタロー
ボキタロー

NTTとかドコモとか?

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具体的な事業者の話題というよりは、通信にはどういった回線や技術があるかってことを勉強するっすよ。

 固定通信回線

みなさんが家庭内でインターネットに接続するためには、回線事業者が提供する外部の固定回線かモバイル回線のいずれかを使う必要があります。

固定通信回線にはいくつかの種類があり、それぞれ特性や用途が異なります。以下は主な固定通信回線の種類です。

回線種別通信速度説明
光回線(FTTH)最大1Gbps~10Gbp光ファイバーケーブルを使った通信。高速・大容量・安定性が高い。
ADSL最大50Mbps程度電話回線(アナログ回線)を使用したブロードバンド。下り速度が上りより速い。
ケーブルテレビ回線
(CATVインターネット)
数十Mbps~1Gbps程度テレビの同軸ケーブルを使った通信。テレビとインターネットの同時利用が可能。
ISDN最大64kbps電話回線を使ったデジタル通信。かつて主流だったが現在はほぼ使われていない。
さらっと学習【bps】

一般的に通信回線の速度は、1秒あたりに通信するデータ量(ビット)を示すbps(ビットパーセコンド)という単位で表されます。1kbps(1000bps)は、1秒間で1000ビットのデータを流すことができる回線であることを示しています。

 モバイル通信

モバイル通信とは

モバイル通信(移動体通信)とは、スマートフォンや携帯電話などの移動する端末同士、あるいは移動する端末と基地局(アクセスポイント)の間で通信を行う仕組みのことです。

屋外でデータ通信を行うには、電信柱などに移動体通信事業者が設置するアンテナを介してスマートフォンなどにパケット通信で接続します。パケット通信とはインターネットやモバイル通信などで使われている通信方式の一つで、データを小さな単位(パケット)に分割して送受信する方法です。現代のスマートフォン通信、インターネット、メール、動画視聴などの通信は、ほぼすべてパケット通信で行われています。

また、モバイル通信回線の契約では、回線を利用したデータ量や利用時間に応じて利用料を支払う従量制と、データ量や利用時間に関係なく、一定の料金を支払う定額制を組み合わせた課金方式が多くなっています。

仮想移動体通信事業者

仮想移動体通信事業者MVNO:Mobile Virtual Network Operator)とは、自社で通信インフラ(基地局や通信網)を持たず、他社(主に大手キャリア)の通信回線を借りて、独自のサービスや料金プランを提供する通信事業者のことです。

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一般に、格安スマホなどと呼ばれているものっすね。

通信規格

モバイル通信には、技術の進化に応じてさまざまな通信規格があります。

通信規格通信速度特徴
4G / LTE数十Mbps~1Gbps前後スマートフォンの普及を支えた通信方式。高速・安定。
5G
(第5世代移動通信)
数Gbps(理論値)超高速、低遅延、多接続が特徴。IoT、VR/AR、自動運転などに対応。
WiMAX最大1Gbps超無線による広域ブロードバンド通信を実現する技術。固定回線のような開通工事が不要で、届いたらすぐ使える。ポケットWi-Fiとして外出先でも利用できる。主に日本では、UQコミュニケーションズ(KDDIグループ)が提供するサービス名としても知られている。

IP電話

IP電話とは、音声通話をインターネットを通じて行う電話サービスです。従来の電話回線(アナログ/ISDN)ではなく、デジタルデータとして音声を送信する仕組みです。VoIP(Voice over Internet Protocol)技術を利用して音声をデジタル信号に変換します。

MEMO

インターネットだけでなく、企業内LANのような閉じたネットワーク上にも構築することができます。

 モバイル通信技術

最後に、ITパスポート試験で出題されるモバイル通信技術等に関する用語をざっと説明します。

SIMカード

SIMカードとは、スマートフォンや携帯電話などの端末に挿入して使う、小さなICカードのことです。ユーザーの契約情報や電話番号、ネットワーク認証情報を記録する役割を持っています。

SIMカードを端末に挿入することで、その契約回線を使って通話・通信することが可能になります。SIMロック解除により、別キャリアのSIMを使うことも可能です。

また、物理的なカードではなく、端末に内蔵された電子的なeSIM(組み込み型SIM)も普及しています。ソフトウェアによる契約情報の書き換えが可能で、複数のキャリアを切り替えやすいといった特徴があります。

さらっと学習【MNP】

MNP(Mobile Number Portability)とは、現在使っている携帯電話の番号を変えずに他の携帯電話会社(キャリア)に乗り換えることができる制度です。電話番号を変更せずに、より安いプランや魅力的なサービスのあるキャリアに移行できるといったメリットがありますが、キャリアメールは使えなくなります。(例:@docomo.ne.jp、@softbank.ne.jpなど)。

AP(アクセスポイント)

AP(アクセスポイント)とは、無線LAN(Wi-Fi)ネットワークにおいて、無線で端末と有線ネットワーク(LAN)をつなぐ機器のことです。無線通信の中継点として、端末とネットワークを接続する役割を持ちます。

なお、スマートフォンやモバイルルーターの通信回線を使って、他の端末(パソコンやタブレットなど)をインターネットに接続する機能をテザリングといいます。スマホがWi-Fiアクセスポイントになることで、ノートPCやタブレットでもネット接続を可能にします。

ハンドオーバー

ハンドオーバーとは、移動体通信(モバイル通信)において、移動中のユーザーが通信を途切れさせずに、現在接続している基地局から別の基地局に通信を自動的に切り替える技術のことです。この技術により、通話中でも移動しながら途切れず話せたり、車や電車など高速移動でも通信が可能になります。

なお、ハンドオーバーに似たものとしてローミングがあります。ローミングとは、契約している通信事業者(キャリア)のサービスエリア外でも、他の事業者のネットワークに接続して通話やデータ通信を利用できる仕組みのことです。国内で契約キャリア以外の基地局を利用したり、海外の通信事業者のネットワークを利用することで、海外やエリア外でも安心して通信できます。

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同じ通信事業者内の基地局を切り替えるのがハンドオーバー、別の通信事業者のネットワークを使用するのがローミングっす。

キャリアアグリゲーション

キャリアアグリゲーションとは、複数の周波数帯を束ねて同時に使うことで、通信速度を大幅に向上させる技術です。主に4G(LTE-Advanced)や5Gで使われており、スマートフォンなどでの高速・安定した通信を実現します。

さらっと学習【MIMO】

MIMO(マイモ)とは、無線通信において複数のアンテナを使って同時にデータを送受信する技術です。通信速度の向上や接続の安定化に大きく貢献しており、Wi-Fi(IEEE 802.11n以降)やLTE、5Gなどで広く使われています。

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複数の周波数帯を使うのがキャリアアグリゲーション、複数のアンテナを使うのがMIMOっす。

プラチナバンド

プラチナバンドとは、携帯電話の通信に使われる周波数帯のうち、特に電波が届きやすく、建物内や山間部でもつながりやすい周波数帯のことを指します。日本では、700MHz〜900MHz帯が「プラチナバンド」と呼ばれています。

確認○×問題

問1

FTTHとは、アナログの電話線を用いて高速のディジタル通信を実現する技術である。

答え:×

設問の文章はADSLの説明です。FTTHは、光ファイバを使った家庭向けの通信サービスの形態です。

問2

移動体通信サービスのインフラを他社から借りて、自社ブランドのスマートフォンやSIMカードによる移動体通信サービスを提供する事業者をMNPと呼ぶ。

答え:×

設問の文章はMVNOの説明です。仮想移動体通信事業者MVNO:Mobile Virtual Network Operator)とは、自社で通信インフラ(基地局や通信網)を持たず、他社(主に大手キャリア)の通信回線を借りて、独自のサービスや料金プランを提供する通信事業者のことです。

なお、MNP(Mobile Number Portability)とは、現在使っている携帯電話の番号を変えずに他の携帯電話会社(キャリア)に乗り換えることができる制度です。

問3

スマートフォンなどで、相互に同じアプリケーションを用いて、インターネットを介した音声通話を行うときに利用される技術はVoIPである。

答え:〇

記述の通りです。VoIP(Voice over Internet Protocol)は音声をデジタル信号に変換する技術で、IP電話などに使われています。

問4

SIMカードとは、携帯電話機などに差し込んで使用する、電話番号や契約者IDなどが記録されたICカードである。

答え:〇

記述の通りです。SIMカードは、ユーザーの契約情報や電話番号、ネットワーク認証情報を記録する役割を持っています。

問5

テザリング機能をもつスマートフォンでは、スマートフォンをルータとして利用できるので、別途ルータを用意する必要はない。

答え:〇

記述の通りです。スマートフォンやモバイルルーターの通信回線を使って、他の端末(パソコンやタブレットなど)をインターネットに接続する機能をテザリングといいます。スマホがWi-Fiアクセスポイントになることで、ノートPCやタブレットでもネット接続を可能にします。

問6

複数の異なる周波数帯の電波を束ねることによって、無線通信の高速化や安定化を図る手法をハンドオーバーと呼ぶ。

答え:×

設問の文章はキャリアアグリゲーションの説明です。

なお、ハンドオーバーとは、移動体通信(モバイル通信)において、移動中のユーザーが通信を途切れさせずに、現在接続している基地局から別の基地局に通信を自動的に切り替える技術のことです。この技術により、通話中でも移動しながら途切れず話せたり、車や電車など高速移動でも通信が可能になります。