問題
次の資料にもとづいて、以下に示す月次の工事原価明細表を完成しなさい。
【資料】
1.月初および月末の各勘定残高（単位：円）
| 月初 | 月末 | |
| ①未成工事支出金 | ||
| 材料費 | 120,000 | 113,000 |
| 労務費 | 234,000 | 229,000 |
| 外注費 | 427,000 | 356,000 |
| 経費 （うち人件費） | 125,000 （53,000） | 108,000 （48,000） |
| ②材料 | 17,000 | 14,000 |
| ③工事未払金 | ||
| 未払賃金 | 65,000 | 52,000 |
| 未払外注費 | 93,000 | 115,000 |
| 未払事務用品費 | – | 5,000 |
| ④前払費用 | ||
| 前払保険料 | 12,000 | 9,000 |
2.当月材料仕入高
総仕入高：￥573,000、値引・返品高：￥54,000
3.当月賃金支払高：￥592,000
4.当月外注費支払高：￥750,000
5.当月工事関係費用支払高
| 動力用水光熱費 ￥73,000 | 事務用品費 ￥22,000 | 保険料 ￥26,000 |
| 従業員給料手当 ￥184,000 | 法定福利費 ￥47,000 | 交際費 ￥10,000 |
解答
（※）工事原価は「材料費＋労務費＋外注費＋経費」で計算します。人件費は経費の一部なので加算しないように注意しましょう。
解説
当月発生工事原価
当月発生工事原価は、未成工事支出金勘定（上図）の左下の金額になります。当月消費額を計算する際には、未払いや前払いの調整を忘れないよう注意してください。
材料費
月初有高￥17,000＋純仕入高￥519,000（総仕入高￥573,000ー値引・返品高￥54,000）ー月末有高￥14,000＝￥522,000
材料費の処理方法について、本問のように購入時に資産とする方法（購入時資産処理法）のほかに、購入時に費用とする方法（購入時材料費処理法）があります。
購入時材料費処理法を採用している場合において未払いや前払いがある場合は、経費などと同じように考えていけばいいだけです。
労務費
当月支払高￥￥592,000ー月初未払￥65,000＋月末未払￥52,000＝￥579,000
外注費
当月支払高￥￥750,000ー月初未払￥93,000＋月末未払￥115,000＝￥772,000
経費
経費の当月消費高は次の合計額￥370,000となります。
- 動力用水光熱費：当月支払高￥73,000
- 事務用品費：当月支払高￥22,000＋月末未払￥5,000＝￥27,000
- 保険料：当月支払高￥26,000＋月初前払￥12,000ー月末前払￥9,000＝￥29,000
- 従業員給料手当：当月支払高￥184,000
- 法定福利費：当月支払高￥47,000
- 交際費：当月支払高￥10,000
経費のうち「従業員給料手当」と「法定福利費」が人件費となります。
従業員給料手当￥184,000＋法定福利費￥47,000＝人件費￥231,000
当月完成工事原価
当月完成工事原価は未成工事支出金勘定（上図）の右上の金額になります。原価要素ごとに（人件費も）分けて計算していきます。
材料費
月初￥120,000＋当月消費高￥522,000ー月末￥113,000＝￥529,000
労務費
月初￥234,000＋当月消費高￥579,000ー月末￥229,000＝￥584,000
外注費
月初￥427,000＋当月消費高￥772,000ー月末￥356,000＝￥843,000
経費
月初￥125,000＋当月消費高￥370,000ー月末￥108,000＝￥387,000
（経費のうち人件費）
月初￥53,000＋当月消費高￥231,000ー月末￥48,000＝￥236,000
