問題
【問1】次の仕訳を答えなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適切なものを選ぶこと。
当座預金 | 完成工事未収入金 | 材料 | 工事未払金 |
仕入割引 | 売上割引 |
①材料¥200,000を「30日後払い、ただし10日以内に支払うときは2%を割り引く」という条件で仕入れた。
②上記①の代金を割引有効期間内に支払ったので、¥3,000の割戻しと掛代金の早期決済に伴う割引額¥4,000を控除した残額について小切手を振り出して支払った。
③完成した工事代金のうち、支払期日が到来していない¥1,000,000について、1.5%の割引を行い、発注者から当座預金に入金を受けた。
【問2】次の仕訳を答えなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適切なものを選ぶこと。なお、工事原価は未成工事支出金を経由して処理する方法によっている。
材料貯蔵品 | 未成工事支出金 | 棚卸減耗損 | 材料評価損 |
材料の期末帳簿棚卸高は200kg(原価@¥150/kg)、期末実地棚卸高は¥180kg(時価@¥130/kg)であった。期末材料の評価に関する仕訳をしなさい。なお、減耗の2分の1は正常な原因によるものであるため工事原価に算入し、残額は異常な原因によるものであるため営業外費用で処理する。また、材料の評価損はすべて営業外費用とする。
【問3】次の仕訳を答えなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適切なものを選ぶこと。なお、工事原価は未成工事支出金を経由して処理する方法によっている。
材料貯蔵品 | 未成工事支出金 | 棚卸減耗損 | 材料評価損 |
仮設材料費の把握についてはすくい出し方式を採用しているが、現場から撤去されて倉庫に戻された評価額は¥1,000である。
解答
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
---|---|---|---|---|
① | 材料 | 200,000 | 工事未払金 | 200,000 |
② | 工事未払金 | 200,000 | 材料 | 3,000 |
仕入割引 | 4,000 | |||
当座預金 | 193,000 | |||
③ | 売上割引 | 15,000 | 完成工事未収入金 | 1,000,000 |
当座預金 | 985,000 |
解説
②の取引
この仕訳は、仕入割戻と仕入割引の2つに分解して考えることができます。
仕入割戻し
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
工事未払金 | 3,000 | 材料 | 3,000 |
仕入割引と代金の決済
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
工事未払金 | 197,000 | 仕入割引 | 4,000 |
当座預金 | 193,000 |
※「仕入割引」は材料から控除せずに営業外収益とします。
③の取引
「売上割引」(¥1,000,000×1.5%=¥15,000)は営業外費用として処理します。
解答
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
未成工事支出金 | 1,500 | 材料貯蔵品 | 6,600 |
棚卸減耗損 | 1,500 | ||
材料評価損 | 3,600 |
解説
このような図を書いて計算するといいでしょう。計算・仕訳のやり方は期末商品の評価と同じです。
・棚卸減耗:(200kgー180kg)×@¥150=¥3,000
・材料評価損:(@¥150ー@¥130)×180kg=¥3,600
※棚卸減耗のうち2分の1(¥1,500)は工事原価に算入するので「未成工事支出金」勘定で処理し、残りは「棚卸減耗損」(営業外費用)とします。
解答
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
材料貯蔵品 | 1,000 | 未成工事支出金 | 1,000 |
解説
すくい出し方式では仮設材料を設置した時に、その時点における仮設材料の評価額の全額をいったん当該工事の原価とします。したがって、仮設材料を工事に使用したときには次のような仕訳を行なっています(処理済み)。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
未成工事支出金 | ×× | 材料貯蔵品 | ×× |
工事が完了して撤去したときに、工事完了時における仮設材料の評価額を未成工事支出金から減額し、材料貯蔵品勘定へ戻します(本問の答え)。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
材料貯蔵品 | 1,000 | 未成工事支出金 | 1,000 |