貸付金の仕訳問題

問題

以下の各問いに答えなさい。ただし、勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと。

現金普通預金当座預金受取手形
貸付金手形貸付金支払手形借入金
手形借入金受取利息支払利息 

【問1】以下の取引について、仕訳を答えなさい。

  1. 当社はA商店に対し、現金¥100,000を期限6か月、年利率2%で貸し付け、借用証書を受け取った。なお、利息は返済時に受け取ることとした。
  2. 1.の期限が到来し、A商店から利息とともに現金で返済を受けた。
  3. 当社はB商店に対し、借用証書を取り交わしたうえで¥300,000を貸し付け、利息¥5,000を差し引いた残額を当社の当座預金口座からB商店の普通預金口座へ振り込んだ。
  4. 3.の期限が到来し、B商店から現金で返済を受けた。

【問2】以下の取引について、仕訳を答えなさい。

  1. 当社はA商店に対し、現金¥300,000を期限8か月、年利率5%で貸し付け、借用証書の代わりに約束手形を受け取った。なお、利息は返済時に受け取ることとした。
  2. 1.の手形が満期となり、A商店より利息とともに手形代金が普通預金口座に振り込まれた。
  3. 当社はB商店に対し¥300,000を貸し付け、同額の約束手形を受け取り、利息¥8,000を差し引いた残額を当社の普通預金口座からB商店の当座預金口座へ振り込んだ。
  4. 3.の期限が到来したため、B商店より同店振出しの小切手で返済を受け、これを直ちに当座預金に預け入れた。




解答

借方科目金額貸方科目金額
1貸付金100,000現金100,000
2現金101,000貸付金100,000
受取利息1,000
3貸付金300,000当座預金295,000
受取利息5,000
4現金300,000貸付金300,000

解答

1.の解説

借用証書によって、お金を貸し付けた時は貸付金で処理をします。貸付金は後でお金を返してもらえる権利を表すので資産です。したがって、増加すれば借方に、減少すれば貸方に記入します。

2.の解説

貸付金がなくなるのでこれを減少し、受け取った利息は受取利息(収益)で処理します。受取利息の金額は次のように計算します。

貸付金¥100,000×年利率2%×期限6か月/12か月=¥1,000

3.の解説

本問のように、貸付時に受取利息を計上する場合もあります。貸付金(¥300,000)から利息(¥5,000)を差し引いた残額を当座預金口座から振り込んでいるので、当座預金が¥295,000減少します。

解答

借方科目金額貸方科目金額
1手形貸付金300,000現金300,000
2普通預金310,000手形貸付金300,000
受取利息10,000
3手形貸付金300,000普通預金292,000
受取利息8,000
4当座預金300,000手形貸付金300,000

解答

1.の解説

借用証書の代わりに手形を受け取って貸し付けた場合は「手形貸付金」で処理します。通常の金銭貸借の取引に用いる「貸付金」とは区別するようにしてください。

通常の金銭貸借金融手形の場合商業手形の場合
貸付金手形貸付金受取手形

2.の解説

手形貸付金がなくなるのでこれを減少し、受け取った利息は受取利息(収益)で処理します。受取利息の金額は次のように計算します。

手形貸付金¥300,000×年利率5%×期限8か月/12か月=¥10,000

3.の解説

手形貸付金(¥300,000)から利息(¥8,000)を差し引いた残額を、普通預金口座から振り込んでいるので、普通預金が¥292,000減少します