借入金の仕訳問題

問題

以下の各問いに答えなさい。ただし、勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと。

現金普通預金当座預金受取手形
貸付金手形貸付金支払手形借入金
手形借入金受取利息支払利息 

【問1】以下の取引について、仕訳を答えなさい。

  1. 取引銀行から¥1,000,000を年利率1.2%、借入期間5か月の条件で借り入れ、これを当座預金とした。なお、利息は返済時に支払うこととした。
  2. 1.の返済期日が到来したため、元利合計を当座預金口座から返済した。
  3. 取引銀行から¥1,000,000を借り入れ、利息が差し引かれた残額を当座預金とした。なお、借入期間は82日、利率は年3.65%である。利息の計算は1年を365日とする日割で行う。
  4. 3.の返済期日が到来したため、当座預金口座から返済した。

【問2】以下の取引について、仕訳を答えなさい。

  1. 取引先の甲商事から¥800,000を現金で借り入れ、借用証書の代わりに同額の約束手形を振り出した。なお、借入期間は3か月、利息(年利率1.2%)は返済時に支払うこととした。
  2. 1.の返済期日をむかえ、元利合計が当座預金口座から引き落とされるとともに、手形の返却を受けた。
  3. 取引先の乙商事から約束手形を振り出して¥500,000を借り入れ、利息が差し引かれた残額を普通預金とした。なお、借入期間は96日、利率は年3.65%である。利息の計算は1年を365日とする日割で行う。
  4. 3.の手形が満期となり、手形代金を当座預金口座から支払った。




解答

借方科目金額貸方科目金額
1当座預金1,000,000借入金1,000,000
2借入金1,000,000当座預金1,005,000
支払利息5,000
3当座預金991,800借入金1,000,000
支払利息8,200
4借入金1,000,000当座預金1,000,000

解説

1.の解説

資金を借り入れた時は借入金で処理をします。借入金は後でお金を返済する義務なので負債です。したがって、増加すれば貸方、返済して減少すれば借方に記入します。

2.の解説

元利合計(元本と利息)を当座預金口座から返済したので借入金と当座預金が減少し、支払った利息は支払利息(費用)で処理します。

なお、支払利息の計算は次のようになります。

借入金¥1,000,000×年利率1.2%×借入期間5か月/12か月=¥5,000

3.の解説

「利息が差し引かれた残額を当座預金とした」とあるので、借入金¥1,000,000と支払利息¥8,200の差額を当座預金とします。

なお、支払利息の計算は次のようになります。

借入金¥1,000,000×年利率3.65%×借入期間82日/365日=¥8,200

解答

借方科目金額貸方科目金額
1現金800,000手形借入金800,000
2手形借入金800,000当座預金802,400
支払利息2,400
3普通預金495,200手形借入金500,000
支払利息4,800
4手形借入金500,000当座預金500,000

解説

1.の解説

借用証書の代わりに手形を振り出して借り入れた場合は「手形借入金」で処理します。通常の金銭貸借の取引に用いる「借入金」とは区別するようにしてください。

通常の金銭貸借金融手形の場合商業手形の場合
借入金手形借入金支払手形

2.の解説

元利合計(元本と利息)を当座預金口座から返済したので借入金と当座預金が減少し、支払った利息は支払利息(費用)で処理します。

なお、支払利息の計算は次のようになります。

借入金¥800,000×年利率1.2%×借入期間3か月/12か月=¥2,400

3.の解説

「利息が差し引かれた残額を普通預金とした」とあるので、手形借入金¥500,000と支払利息¥4,800の差額を普通預金とします。

なお、支払利息の計算は次のようになります。

借入金¥500,000×年利率3.65%×借入期間96日/365日=¥4,800