問題
当店(三伝票制を採用)の3月1日における伝票は次のとおりであった。これにもとづいて仕訳日計表を作成し、総勘定元帳および得意先元帳の諸勘定に転記しなさい。なお、当店の得意先は甲商店と乙商店のみである。
【3月1日における伝票】

【仕訳日計表】

【総勘定元帳】

【得意先元帳】

※解答・解説はこの下にあります。
解答
仕訳日計表

総勘定元帳

得意先元帳

解説
本問では金額の一部が空欄になっており、自分で推定する必要があります。このような問題では、伝票と仕訳日計表および総勘定元帳・得意先元帳の相互関係をしっかり理解していなければなりません。
まず、得意先元帳の金額から推定していきます。
得意先元帳の金額の推定
甲商店については、伝票の記入からそのまま導けるので特に問題ないと思います。なお、No.305の伝票の金額は得意先元帳の記入から¥20,000であることがわかります。
次に乙商店です。当店の得意先は甲商店と乙商店のみであるので、両者に対する売掛金の前月繰越合計は総勘定元帳における売掛金勘定の前月繰越と一致します。すなわち、乙商店の前月繰越は¥165,000となります。
甲商店の前月繰越 + 乙商店の前月繰越 = 売掛金勘定の前月繰越 ¥355,000 + 乙商店の前月繰越 = ¥520,000 乙商店の前月繰越 = ¥165,000 |
続いて振替伝票の金額です。貸方に売上が計上されている取引を探すと伝票No.302(¥315,000)とNo.306がそうなので、仕訳日計表における売上の貸方¥470,000は、この2つの合計金額となります。よって、伝票No.306の金額は¥155,000となります。
最後に入金伝票の金額は残高との差額で計算します。
仕訳日計表の作成
金額の推定があっても基本的な解き方は変わりません。まず伝票記入から仕訳を起こして、それらを集計して仕訳日計表を作成します。
・入金伝票
伝票番号 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|---|
No.101 No.102 No.103 No.104 |
現金 | 900,000 | 売掛金(甲商店) 売掛金(乙商店) 受取手形 未収入金 |
360,000 185,000 120,000 235,000 |
No.102:得意先元帳(乙商店)より。
・出金伝票
伝票番号 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|---|
No.201 No.202 No.203 No.204 |
買掛金 支払手形 買掛金 租税公課 |
270,000 250,000 215,000 55,000 |
現金 | 790,000 |
No.202:仕訳日計表より。
・振替伝票
伝票番号 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|---|
No.301 | 仕入 | 240,000 | 買掛金 | 240,000 |
No.302 | 売掛金(甲商店) | 315,000 | 売上 | 315,000 |
No.303 | 受取手形 | 200,000 | 売掛金(甲商店) | 200,000 |
No.304 | 仕入 | 220,000 | 買掛金 | 220,000 |
No.305 | 売上 | 20,000 | 売掛金(甲商店) | 20,000 |
No.306 | 売掛金(乙商店) | 155,000 | 売上 | 155,000 |
No.307 | 買掛金 | 10,000 | 仕入 | 10,000 |
No.308 | 未収入金 | 500,000 | 有価証券 有価証券売却益 |
420,000 80,000 |
No.309 | 買掛金 | 320,000 | 支払手形 受取手形 |
170,000 150,000 |
No.305:得意先元帳(甲商店)より。
No.306:上述。
No.308:仕訳日計表の有価証券および有価証券売却益より。
No.309:借方の買掛金は、仕訳日計表¥815,000からNo.201(¥270,000)とNo.203(¥215,000)とNo.307(¥10,000)を差し引いて計算。貸方の支払手形は仕訳日計表より導き、受取手形は差額で計算する。

総勘定元帳および得意先元帳への転記
総勘定元帳へは仕訳日計表から合計金額を転記(合計転記)し、得意先元帳へは各伝票から1つづつ個別転記します。
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