【練習問題】固定資産に関する計算問題②~建設業経理士2級用~

問題

次の資料にもとづいて、以下の各問いに答えなさい。

【資料】

(1)減価償却については以下の要領で行う。

①機械装置(工事現場用) 実際発生額¥160,000

なお、月次原価計算において月額¥15,000を未成工事支出金に予定計上している。当期の予定計上額と実際発生額との差額は当期の工事原価(未成工事支出金)に加減する。

②備品(本社用)

定額法(取得原価¥350,000、残存価額ゼロ、耐用年数5年)により減価償却費を計上する。なお、このうち¥100,000は期中に取得しており、取得から3か月が経過している。

(2)決算整理前残高試算表における完成工事原価の残高は¥1,040,000、未成工事支出金の残高は¥360,000である。


【問1】上記の調整を行った後の未成工事支出金の次期繰越額が¥180,000であった場合、決算整理後の完成工事原価の金額を答えなさい。

【問2】当期の備品減価償却費の金額を答えなさい。




解答

【問1】¥1,200,000

【問2】¥55,000

解説

機械装置

減価償却費の修正

機械装置の減価償却費は予定計算によって、すでに¥180,000(=¥15,000×12か月)が未成工事支出金に計上されているため、実際発生額との差額¥20,000(=予定計上額¥180,000ー実際発生額¥160,000)を決算時において、未成工事支出金に加減して調整します。

本問では実際発生額よりも予定計上額の方が大きいので、計上し過ぎていた(過大計上)ということになります。したがって、この金額を未成工事支出金から減額するとともに、減価償却累計額を減額して修正します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
機械装置減価償却累計額 20,000 未成工事支出金
(減価償却費)
20,000

完成工事原価への振替

借方科目 金額 貸方科目 金額
完成工事原価 160,000 未成工事支出金 160,000

前T/B¥360,000ー修正額¥20,000ー次期繰越¥180,000=¥160,000

備品

借方科目 金額 貸方科目 金額
備品減価償却費 55,000 備品減価償却累計額 55,000
MEMO

本社用の固定資産にかかる減価償却費は工事原価になりません。損益計算書上の費用(販売費及び一般管理費)となります。

備品の一部は期中に取得しているので、期中取得分とそれ以外の分を分けて計算する必要があります。

期中取得分

取得から3か月が経過しているので減価償却費はこの期間で月割計算します。

¥100,000÷5年×3か月/12か月=¥5,000

期首から取得している分

(¥350,000ー期中取得分¥100,000)÷5年=¥50,000