これまでは1つの会社が単独で財務諸表(個別財務諸表)を作成するケースについてみてきました。しかし、これだけでは子会社などの系列会社を抱える企業の情報としては不十分です。そこで、企業グループ全体の状況を示す連結財務諸表というものを作成します。
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親会社・子会社とは?

株式会社の最高意思決定機関である株主総会では、原則として1株につき1議決権が与えられており、この議決権の多数決によって会社の重要事項が決定されます。
つまり、発行済株式総数の過半数を所有していればその会社の重要事項について、ある程度は自由に決められるということになります。
例えば、S社の株式の過半数をP社が保有しているとすると、P社の意向に従わないS社の経営陣を辞めさせて、P社にとって都合のいい人物をS社に送り込んだりもできるわけです。

このように、ある会社が他の会社を支配している場合、支配している会社(P社)を親会社、支配されている会社(S社)を子会社といいます。

簿記の問題では、親会社のことをP社(Parent company)、子会社のことをS社(Subsidiary company)と表すことが多いです。
連結財務諸表とは?
親会社では、親会社単体の財務諸表だけでなく、企業集団全体の財政状態や経営成績を表した連結財務諸表というものを作成しなければなりません。

連結財務諸表は、親会社と子会社(企業集団)を1つの会社とみなして、親会社が作成するものです。
なお、連結財務諸表は親会社と子会社の個別財務諸表を単純に合算しただけのものではなく、合算した後に修正のための仕訳(連結修正仕訳)を行って作成します。
連結財務諸表の必要性

でもなんで、個別財務諸表だけでなく連結財務諸表も作成しないといけないの?

その理由の1つとして利益操作の排除がありますね。

子会社は親会社の意向に逆らえないので、親会社が自社の利益のために、子会社に無理やり商品を買わせるといったことも可能です(これを押込販売といいます)。
これによって子会社が過剰な在庫を抱えてしまったり業績が悪化すると、将来的には親会社の業績にも影響してきます。その結果、子会社の株主だけでなく、親会社の株主も損失を被る恐れがあります。
また粉飾された財務諸表は、それを利用する利害関係者の判断を誤らせる可能性があります。

詳しくはこの後学習していきますが、連結財務諸表では親子会社間の取引は相殺消去されるため、押込販売などによって架空の利益を上げるといったようなことができなくなります。
連結財務諸表が必要になるもう1つの理由としては、利害関係者への有用な情報の提供です。
親会社の利害関係者からすると、子会社の状況も親会社に対する重要な判断材料となりますが、親会社単体の個別財務諸表だけでは、企業グループ全体の状況を知ることができません。

なるほど。だから連結財務諸表を作成して、企業グループ全体の状況を把握できるようにする必要があるわけだ。

