商品売買の記帳方法~三分法とは?~

ボキタロー
ボキタロー

備品を買ったら、借方は「備品(資産)の増加」って仕訳するよね?

SHIBUYA
SHIBUYA

はい、そうです。

ボキタロー
ボキタロー

でも、商品を仕入れたら借方は「仕入」(費用)ってなるよね?

SHIBUYA
SHIBUYA

はい、そうです。

ボキタロー
ボキタロー

商品は資産でしょ?だったら、借方は「商品(資産)の増加」って仕訳してもよくない?

SHIBUYA
SHIBUYA

はい、そうです。

ボキタロー
ボキタロー

「はい、そうです。」しか言わん!

SHIBUYA
SHIBUYA

それは記帳方法の違いによるものです。実は商品を仕入れた際に資産の増加として記帳する方法もあるんです。

ボキタロー
ボキタロー

そうなの?

SHIBUYA
SHIBUYA

はい。しかし、実務における重要性などの観点から日商簿記3級では三分法という記帳方法のみが出題されます。そこで、今回はその方法について勉強していきましょう。

三分法とは?

三分法とは
商品を仕入れたときは原価で仕入勘定の借方に記入し、販売したときは売価で売上勘定の貸方に記入します。また、決算時に売れ残っている商品の原価を繰越商品(くりこししょうひん)勘定へ振り替えます。このような記帳方法を三分法(さんぶんぽう)といいます。
三分法のイメージ

MEMO
商品売買の処理に関して、仕入勘定、売上勘定、繰越商品勘定の3つに分けて記帳するので「三分法」というわけです。

商品を仕入れたときの仕訳

例題1
商品¥1,000を仕入れ、代金は現金で支払った。なお、記帳方法は三分法によること。

ヒント
三分法では、商品を仕入れたときは原価で仕入勘定の借方に記入します。

借方科目金額貸方科目金額
1,0001,000

商品を販売したときの仕訳

例題2
商品を¥900で販売し、代金は現金で受け取った。なお、記帳方法は三分法によること。

ヒント
三分法では、商品を販売したときは売価で売上勘定の貸方に記入します。

借方科目金額貸方科目金額
900900

決算整理仕訳

決算時には、売れ残っている商品(在庫品)の原価を繰越商品勘定へ振り替える処理をします。

決算時の処理に関してはこちらで説明します。今はスルーしてもらって構いません。

売上原価の計算・仕訳・勘定記入のやり方 売上原価の計算・仕訳・勘定記入のやり方

まとめ

SHIBUYA
SHIBUYA

商品売買の記帳方法には三分法のほかにも様々な方法がありますが、日商簿記試験では特段の指示がない限り三分法による記帳が前提となっています。当サイトでも特に何も書いていない場合は三分法を前提としていると思ってください。

まとめ
  • 三分法とは、商品を仕入れたときは原価で仕入勘定の借方に記入し、販売したときは売価で売上勘定の貸方に記入する方法である。

確認問題

1.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?

商品(原価300円、売価500円)を仕入れ、代金は現金で支払った。なお、記帳方法は三分法によること。

借方科目金額貸方科目金額
  1. ①仕入、②300
  2. ①現金、②500
  3. ①仕入、②300
  4. ①現金、②500

2.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?

商品(原価300円、売価500円)を販売し、代金は現金で受け取った。なお、記帳方法は三分法によること。

借方科目金額貸方科目金額
  1. ①現金、②300
  2. ①現金、②500
  3. ①売上、②300
  4. ①売上、②500




1.の答え:a

仕訳は次のようになります。

借方科目金額貸方科目金額
①仕入②300現金300

三分法では、商品を仕入れたときは原価で仕入勘定(費用)の借方に記入します

2.の答え:d

仕訳は次のようになります。

借方科目金額貸方科目金額
現金500①売上②500

三分法では、商品を売り上げたときは売価で売上勘定(収益)の貸方に記入します