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ネット試験(CBT試験)方式について
2020年12月より、日商簿記検定2級と3級に、ネット試験方式が導入されました。出題範囲は従来通りですが、出題形式が主に3級について変更されます。また、試験時間も変更となるのでご注意ください。
ここでは、ネット試験の概要や従来のペーパー試験との違いなどについて簡単に紹介したいと思います。
ネット試験の詳細につきましては、商工会議所のホームページにてご確認ください。
参考 ネット試験の申込等について商工会議所の検定試験ネット試験の概要
- 試験場所:商工会議所が認定した全国の「テストセンター」で実施(自宅での受験は不可)
- 試験日:随時(テストセンターが定める日時)
- 試験時間:2級90分 3級60分
- 試験範囲:変更なし(従来通り)
- 受験料:変更なし(従来通り)
※日商簿記1級については、変更はなく、従来の試験のままとなります。
申込み~合格発表までの大まかな流れ
手順2
ネット試験の受験
- 申込みをした試験日時、会場で受験
- 受験者ごとに異なる試験問題がインターネットを介して受験者のパソコンに配信され、受験者はパソコン上で解答を入力(試験会場が計算用紙1枚を配布。試験終了後回収)
手順3
合格発表
試験終了後、試験システムにより自動採点し、合否を判定(合格者にはデジタル合格証を即日交付)
新たな統一試験について
ネット試験の導入に伴い、従来のペーパー試験もネット試験に合わせる形で2021年6月(第158回試験)から試験時間や出題形式(主に3級)が大きく変わります。
MEMO
新たな出題形式でのペーパー試験のことを「統一試験」と呼びます。 注意
出題範囲に変更はないため、当サイトの内容や従来の教材でも新試験に対応できます。従来のペーパー試験と新たな統一試験を比較すると次のようになります。
試験時間の変更
従来の試験
- 3級120分
- 2級120分
新統一試験
- 3級60分
- 2級90分
MEMO
問題量はさほど変わらないにもかかわらず試験時間が短くなるので、従来よりも正確性や速さが要求されることになると思われます。出題形式の変更(3級)
従来の試験
- 第1問(20点):仕訳問題5問
- 第2問(10点):帳簿問題・勘定分析(勘定記入や勘定読取)が中心
- 第3問(30点):試算表や財務諸表の作成問題
- 第4問(8点):伝票会計、勘定記入、理論的な文章問題(穴埋めや正誤問題)など
- 第5問(32点):精算表もしくは財務諸表の作成問題
新統一試験
- 第1問(45点):仕訳問題15問
- 第2問(20点):帳簿や伝票、勘定記入、補助簿の選択、理論的な文章問題
- 第3問(35点):精算表の作成や財務諸表の作成などの総合問題
MEMO1
現時点(2021年2月)ではまだ詳細な情報が出ていないので、あくまでも配点や出題内容は目安です。 MEMO2
2級の出題形式に関しては大きな変更はないと思われます。試験範囲の改定(2021年度)について
2021年度の日商簿記試験において、試験範囲が次のように改定されますのでご注意ください。
3級以上の範囲
・先方負担の販売諸掛の処理の削除
先方が負担する販売諸掛(買手が負担すべき発送費を売手が立て替えるケース)は「立替金」として処理する方法と「売掛金」に含めて処理する方法がありましたが、この処理方法が試験範囲から削除されます。

注意
ただし2022年度以降は1級の範囲として出題されるので、1級を受験の方は注意してください。・分記法の削除
商品売買の記帳方法である分記法が試験範囲から削除されます。

2級以上の範囲
・売上割戻引当金および返品調整引当金の削除

・売上割戻および売上割引の削除
売上割戻については2021年度は試験範囲から除外されますが、2022年度以降は変動対価の区分として出題されます。
MEMO
変動対価は2022年度の試験から出題範囲に含まれる論点です。変動対価については2022年度の試験までに追記する予定ですので、今は気にしなくて大丈夫です。
注意1
売上割引は2022年度以降の1級の範囲に含まれますので、1級の受験をお考えの方は注意してください。 注意2
仕入割戻と仕入割引は引き続き2級の範囲となります。・消費税の税込方式の削除
