手形取引②~債券の評価(手形貸付金)~

貸付時の処理

貸付金などの債権を、債権金額(額面の金額)より低い価額または高い価額で取得した場合において、当該差額を満期日までの期間にわたって配分し、その金額を債権金額に加減する方法を償却原価法といいます。

ボキタロー
ボキタロー

ちょっと何言ってるかわかりません。

SHIBUYA
SHIBUYA

日商簿記2級では満期保有目的債券のところで償却原価法(定額法)を学習しましたが、考え方や計算方法はあれと全く同じです。「有価証券利息」が「受取利息」に変わるだけです。

例題1

×1年4月1日に、現金¥10,000を貸し付け、借用証書の代わりに約束手形¥13,000を(満期日:×4年3月31日)受け取った。

お金を貸して、借用証書の代わりに手形を受け取ったときは「手形貸付金」で処理します。

借方科目金額貸方科目金額
手形貸付金10,000現金10,000

決算時の処理

例題2

×2年3月31日決算につき、上記の約束手形を償却原価法(定額法)によって評価する。

¥10,000を貸して3年後には額面金額の¥13,000で返してもらうので、両者の差額¥3,000は利息としての性格があると考えられます。

利息は時の経過に伴って発生するものなので、この¥3,000を貸付日から満期日までの3年間で各期に配分し、その利息配分額を債権(手形貸付金)の金額に加算します

借方科目金額貸方科目金額
手形貸付金1,000受取利息1,000

(¥13,000ー¥10,000)÷1年/3年=¥1,000

返済時の処理

例題3

×4年3月31日、上記の約束手形の支払期日を迎え、代金が当座預金口座に振り込まれた。

①償却額の計上

借方科目金額貸方科目金額
手形貸付金1,000受取利息1,000

②貸付金の返済

償却原価法を適用した結果、支払期日における手形貸付金の帳簿価額は¥13,000となり、約束手形の額面金額と一致します。

借方科目金額貸方科目金額
当座預金13,000手形貸付金13,000

手形貸付金の動き