支店相互間の取引～支店が2つ以上ある場合の処理方法～

支店どうしが取引した場合の処理方法には、支店分散計算制度と本店集中計算制度があります。支店分散計算制度は問題ないと思いますが、本店集中計算制度は少し考え方が特殊なのでしっかり勉強しましょう。

支店分散計算制度とは？

支店分散計算制度では、支店相互間の取引が生じた場合、帳簿上も支店どうしの直接の取引と考えて相手支店名の勘定で処理します。

したがって、各支店の帳簿には本店勘定のほかに各支店勘定が設けられます。

支店分散計算制度による処理方法

本店の仕訳

支店分散計算制度では、支店相互間の取引は各支店において直接取引の処理をするので、本店の仕訳は必要ありません。したがって「仕訳なし」となります。

大阪支店の仕訳

大阪支店は福岡支店へ送金したので「現金」が減少します。相手勘定科目は福岡支店勘定で処理します。

福岡支店の仕訳

福岡支店は大阪支店から現金を受け取ったので「現金」が増加します。相手勘定科目は大阪支店勘定で処理します。

本店集中計算制度とは？

本店集中計算制度では、支店相互間取引を本店と支店の取引とみなして処理します。

したがって、各支店の帳簿には本店勘定のみが設けられます。

本店集中計算制度による処理方法

本店の仕訳

本店集中計算制度では、「大阪支店がいったん本店に送金して、本店が福岡支店へ送金した」と考えます。これを①大阪支店と本店の取引（大阪支店からの送金）、②福岡支店と本店の取引（福岡支店への送金）の2つに分解して考えます。

上の2つの仕訳を合算したものが本店の仕訳となります（「現金」は貸借で相殺されます）。

大阪支店の仕訳

大阪支店は本店へ送金したと考えるので、相手勘定科目は本店勘定で処理します。

福岡支店の仕訳

福岡支店は本店から送金されたと考えるので、相手勘定科目は本店勘定で処理します。