これまで学習してきたように連結財務諸表の作成にあたって、連結会社間の債権債務の期末残高は消去しなければなりませんが、個別会計上これらの債権(売掛金や貸付金など)に貸倒引当金が設定されている場合は、これも消去する必要があります。
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期末貸倒引当金の修正
P社(親会社)のS社(子会社)に対する売掛金が×1年度末に¥1,000あった。当期(×1年4月1日から×2年3月31日)の連結財務諸表を作成するために必要な連結修正仕訳を示しなさい。なお、P社はこの売掛金に対して5%の貸倒引当金を設定している(差額補充法)。
(1)債権債務の相殺消去
まず、連結会社間の取引によって生じた債権債務の期末残高を相殺消去します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 1,000 | 売掛金 | 1,000 |
(2)貸倒引当金の修正
①P社の個別上の処理
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金繰入 | 50 | 貸倒引当金 | 50 |
・売掛金残高¥1,000×5%
②連結会計上あるべき処理
連結上、連結会社間の売掛金は消去されるので、この売掛金に対して貸倒引当金が設定されることはありません。したがって仕訳なしとなります。
③連結修正仕訳
以上より、貸倒引当金の修正に関する連結修正仕訳は次のようになります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金 | 50 | 貸倒引当金繰入 | 50 |
期首貸倒引当金の修正(開始仕訳)
次に、前期末に貸倒引当金の修正をしている場合の当期の連結修正仕訳についてみていきます。
P社(親会社)のS社(子会社)に対する売掛金が×1年度末に¥1,000、×2年度末に¥1,400あった。当期(×2年4月1日から×3年3月31日)の連結財務諸表を作成するために必要な連結修正仕訳を示しなさい。なお、P社はこの売掛金に対して5%の貸倒引当金を設定している(差額補充法)。
(1)債権債務の相殺消去
まず、当期末における連結会社間の債権債務を相殺消去します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 1,400 | 売掛金 | 1,400 |
(2)貸倒引当金の修正
①前期末の貸倒引当金の修正(開始仕訳)
連結財務諸表は親会社と子会社の個別財務諸表を合算して作成します。ところが、前期末の連結修正仕訳は個別会計上には反映されていないので、当期の連結財務諸表の作成にあたって、前期末までに行った連結修正仕訳を再度行う必要があります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金 | 50 | 利益剰余金当期首残高 ( | 50 |

過去の費用が減るということは、利益剰余金の期首残高が増えるということです。
②当期末の貸倒引当金の修正
差額補充法なので、P社の個別上の処理では前期末の貸倒引当金¥50と当期末の貸倒引当金¥70(¥1,400×5%)の差額¥20を繰り入れています。当期の連結修正仕訳ではこの金額を修正します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金 | 20 | 貸倒引当金繰入 | 20 |
なお、①と②の仕訳を合算して次のように書いてもOKです。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金 | 70 | 利益剰余金当期首残高 | 50 |
| 貸倒引当金繰入 | 20 |
2級仕訳問題集part.7のQ.7-15~Q.7-16を解きましょう!

