立替金と預り金の仕訳問題

問題

以下の一連の取引について仕訳しなさい。

目標タイム 2分30秒

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  1. 従業員の生命保険料¥10,000を現金で立て替えて支払った。
  2. 従業員へ給料の前貸しとして¥30,000を現金で渡した。
  3. 従業員への給料の支払いにあたって、給料総額¥300,000のうち、先に立替払いしていた従業員の生命保険料と前貸額の¥40,000と、所得税の源泉徴収分¥20,000および社会保険料¥15,000を差し引き、残額を当座預金の口座から振り替えて従業員に支払った。
  4. 従業員から預かっている所得税を現金で納付した。
  5. 社会保険料¥30,000を現金で納付した。このうち、¥15,000は従業員からすでに預かっている分である。
借方金額貸方金額
1
2
3
4
5




解答

借方金額貸方金額
1従業員立替金 10,000現金10,000
2従業員立替金30,000現金 30,000
3給料300,000従業員立替金40,000
所得税預り金20,000
社会保険料預り金15,000
当座預金225,000
4所得税預り金20,000現金20,000
5社会保険料預り金15,000現金30,000
法定福利費15,000

解説

1と2の解説

従業員個人が負担すべき生命保険料等を会社が一時的に立て替えて支払った場合や従業員に給料を前貸ししたときなどは従業員立替金勘定(資産)で処理します。

3の解説

「先に立替払いしていた従業員の生命保険料と前貸額」とは、1.および2.で計上した従業員立替金を意味するので、まずこれを減額します。

従業員が支払うべき所得税や社会保険料を会社が代わって納める制度を源泉徴収制度といいます。つまり、給料から差し引かれた所得税や社会保険料は従業員から一時的に預かっているお金に過ぎないので、これを所得税預り金(負債)や社会保険料預り金(負債)で処理しておきます。

そして、これらを差し引いたものが従業員に対する給料の支払い額となります。

所得税預り金や社会保険料預り金は、これらをまとめて「従業員預り金」で処理する場合もあります。

給料勘定の金額は支給額の総額(従業員預り金等を差し引く前の金額)となる点に注意してください。

4の解説

所得税を納付したときに「所得税預り金」を減額します。

5の解説

健康保険や雇用保険などの社会保険は従業員個人と会社(雇用主)の両方が折半で負担します。従業員負担分はすでに源泉徴収している「社会保険料預り金」を取り崩し、会社負担分は法定福利費勘定(費用)で処理します。