問題
次の資料にもとづいて、以下の問いに答えなさい
【資料1】決算整理前残高試算表(一部)
決算整理前残高試算表(一部)
借方 | 勘定科目 | 貸方 |
950 | 現金 | |
150 | 繰越商品 | |
1,150 | 仕入 | |
(以下省略) |
【資料2】決算整理事項等
- 現金の実際有高は¥900であった。帳簿残高との差額は原因不明のため、雑損または雑益で処理する。
- 期末商品棚卸高は¥200である。なお、売上原価は「仕入」の行で計算すること。
【問】次の精算表(一部)を完成させなさい。
精算表(一部)
勘定科目 | 試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | ||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
現金 | 950 | |||||||
繰越商品 | 150 | |||||||
仕入 | 1,150 | |||||||
(以下省略) | (省略) | (省略) | ||||||
(省略) | (省略) | |||||||
(以下省略) |
解答
精算表(一部)
勘定科目 | 試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | ||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
現金 | 950 | 50 | 900 | |||||
繰越商品 | 150 | 200 | 150 | 200 | ||||
仕入 | 1,150 | 150 | 200 | 1,100 | ||||
(以下省略) | (省略) | (省略) | ||||||
(省略) | (省略) | |||||||
雑損 | 50 | 50 | ||||||
(以下省略) |
解説
決算整理事項1
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
雑損 | 50 | 現金 | 50 |
現金の帳簿残高を実際有高に合わせるため、帳簿の金額を¥50減らします。相手科目は借方なので、費用の「雑損」とします。現金が減ったので損をしたということです。
決算整理事項2
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 150 | 繰越商品 | 150 |
繰越商品 | 200 | 仕入 | 200 |
三分法では繰越商品の金額は期中において変動しないので、前TBの「繰越商品」は期首商品を表します。期首商品は期中にすべて販売したと考え、これを「仕入」(売上原価)に振り替えます。
また、期末商品棚卸高は販売せずに期末に残っている商品なので、これを売上原価(「仕入」)から除外し、「繰越商品」(資産)として次期へ繰り越します。
精算表の記入方法
まず、決算整理仕訳を修正記入欄にそのまま記入していきます。なお、前TB(試算表欄)に科目がない場合は試算表欄の合計線(二重線)の下に新たに勘定科目を追加します。
「現金」と「繰越商品」は資産なので、修正記入欄の借方の金額はプラス、貸方の金額はマイナスをしたうえで、貸借対照表欄の借方に記入します。また「仕入」と「雑損」は費用なので、修正記入欄の借方の金額はプラス、貸方の金額はマイナスをしたうえで、損益計算書欄の借方に記入します。
精算表は一連の決算手続をまとめた一覧表です。複雑な決算手続をいきなり帳簿に記入するとミスを起こしやすい、事前に決算の結果を知ることにより経営意思決定に役立つ、などの目的から帳簿外で作成されます。