簿記一巡の手続4【決算整理】~決算の荒波を超えろ!~

問題

次の資料にもとづいて、以下の問いに答えなさい。

【資料1】決算整理前残高試算表(一部)

決算整理前残高試算表(一部)

借方勘定科目貸方
950現金
150繰越商品
1,150 仕入
(以下省略)

【資料2】決算整理事項等

  1. 現金の実際有高は¥900であった。帳簿残高との差額は原因不明のため、雑損または雑益で処理する。
  2. 期末商品棚卸高は¥200である。なお、売上原価は仕入勘定で計算すること。

【問】次の現金勘定および仕入勘定に転記しなさい。ただし、日付は「3/31」と記入すること。なお、期中取引の日付は省略している。

現金

4/1 前期繰越 300 仕入250
売上1,000仕入 100
売掛金400買掛金400

仕入

現金250買掛金50
買掛金350
諸口600




解答

現金

4/1 前期繰越 300 仕入250
売上1,000仕入 100
売掛金400買掛金400
3/31雑損50

仕入

現金250買掛金50
買掛金3503/31繰越商品 200
諸口600
3/31繰越商品 150

解説

以下の決算整理仕訳は前問(精算表の作成)でやったものと同じになりますが、同じ仕訳を2度やるという意味ではなく、説明のために前回と同じものを再度記載しているだけです。

決算整理事項1

借方金額貸方金額
雑損50現金50

現金の帳簿残高を実際有高に合わせるため、帳簿の金額を¥50減らします。相手科目は借方なので、費用の「雑損」とします。現金が減ったので損をしたということです。

決算整理事項2

借方金額貸方金額
仕入150繰越商品150
繰越商品200仕入200

三分法では繰越商品の金額は期中において変動しないので、前TBの「繰越商品」は期首商品を表します。期首商品は期中にすべて販売したと考え、これを「仕入」(売上原価)に振り替えます。

また、期末商品棚卸高は販売せずに期末に残っている商品なので、これを売上原価(「仕入」)から除外し、「繰越商品」(資産)として次期へ繰り越します。

現金勘定への転記

仕入勘定への転記

簿記一巡の全体像

各勘定の残高を、財務諸表の作成に必要な数値に修正するため決算整理を行います。仕訳をして元帳へ転記するという流れは期中の場合と同じです。