【練習問題】勘定記入に関する問題~建設業経理士2級用~

問題

次の【資料】にもとづいて、以下に示す各勘定に適切な勘定科目及び金額を記入しなさい。なお、記入すべき勘定科目については次の中から最も適切なものを選ぶこと。

未成工事支出金完成工事未収入金工事未払金
未成工事受入金完成工事高完成工事原価
材料繰越利益剰余金損益

【資料】

1.工事原価の状況(単位:円)

材料費労務費外注費経費
工事原価期首残高92,00047,000137,00037,000
工事原価次期繰越額112,00062,000145,00043,000
当期の工事原価発生額97,000595,00092,000

2.完成工事に対する請負金はすべて次期以降に受け取る。





解答

解説

勘定記入の流れは次のようになります。

仕訳もできるようにしておいてください。

①各原価要素の当期発生額

借方科目金額貸方科目金額
未成工事支出金1,247,000材料463,000
労務費97,000
外注費595,000
経費92,000

材料費の当期発生額(消費額)は、材料勘定の「前期繰越¥62,000+当期購入額¥469,000ー次期繰越¥68,000」で計算します。また、労務費・外注費・経費は【資料1】の「当期の工事原価発生額」をそのまま記入します。

(参考)材料を購入したときの仕訳

借方科目金額貸方科目金額
材料469,000工事未払金469,000

「工事未払金」は買掛金に相当するものです。

②工事が完成し、引渡した時の仕訳

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金1,569,000完成工事高1,569,000
完成工事原価1,198,000未成工事支出金1,198,000

完成工事高の計上

完成工事高の金額は損益勘定の貸借差額(借方合計)で求めます。なお、【資料2】に「完成工事に対する請負金はすべて次期以降に受け取る」とあるので、完成工事高の金額はすべて完成工事未収入金勘定(売掛金に相当するもの)で処理します。

完成工事原価の振替

完成工事原価は、未成工事支出金勘定の「前期繰越¥313,000+当期工事原価発生額¥1,247,000ー次期繰越¥362,000」で計算します。

未成工事支出金勘定の前期繰越および次期繰越の金額は、【資料1】の「工事原価期首残高」および「工事原価次期繰越額」の各合計額です。

③損益勘定への振替

借方科目金額貸方科目金額
完成工事高1,569,000損益1,569,000
損益1,413,000完成工事原価1,198,000
販売費及び一般管理費215,000

収益は損益勘定の貸方へ、費用(原価)は損益勘定の借方へ振り替えます。

④繰越利益剰余金勘定への振替

借方科目金額貸方科目金額
損益156,000繰越利益剰余金156,000

損益勘定の貸借差額、すなわち当期純利益を繰越利益剰余金勘定の貸方へ振り替えます(繰越利益剰余金が増加)。これは日商簿記3級で学習した内容です。