問題
次の資料にもとづいて、以下の問いに答えなさい。
【資料】当月の経費に関する資料
1.当社では、A製品の生産に関して材料の加工の一部を外部に委託しており、その対価として¥100,000支払った。
2.当社では、外部の会社が特許をもつ技術を利用してA製品を生産しており、その対価として¥50,000支払った。
3.当月に発行された支払伝票の記載内容は次のとおりである。
水道料¥60,000、通信費¥23,000、保管料¥8,000、旅費交通費¥26,000、ガス代¥57,000、電力料¥92.000、保険料¥360,000、雑費¥5,000
4.工場内に設置された各メーターの検針結果等は次のとおりである。
月間基本料金 | 従量料金 | 前期末指針 | 当期末指針 | |
水道料 | ¥20,000 | ¥20/㎥ | 5,500㎥ | 7,600㎥ |
ガス代 | ¥25,000 | ¥30/㎥ | 3,000㎥ | 4,100㎥ |
電力料 | ¥30,000 | ¥25/kwh | 4,400kwh | 6,800kwh |
5.年間の工場建物減価償却費および機械減価償却費の合計は¥1,500,000である。また、当月において6か月分の保険料¥360,000を前払いした。
6.材料の棚卸減耗費が¥10,000発生した。材料棚卸減耗損は発生経費として計算する。
【問】以下は当月の経費の消費額を計上するための仕訳である。(1)と(2)に入る適切な金額を答えなさい。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
仕掛品 | (1) | 経費 | ? |
製造間接費 | (2) |
解答
(1)¥150,000
(2)¥467,000
解説
直接経費
以下のものは直接経費となるので仕掛品勘定へ振り替えます。
外注加工賃
資料1の¥100,000は外注加工賃なので直接経費となります。
特許権使用料
資料2の¥50,000は特許権使用料なので直接経費となります。
よって、直接経費の金額は¥150,000となります。
間接経費
支払経費
資料3の通信費、保管料、旅費交通費、雑費が支払経費となります。これらは支払額または請求額をもって当月の発生額とします。
=¥62,000
測定経費
測定経費はメーターで消費量を測定し、料金表などで当月の発生額を計算する経費です。
・水道料:基本料金¥20,000+従量料金¥20/㎥×(7,600㎥-5,500㎥)=¥62,000
・ガス代:基本料金¥25,000+従量料金¥30/㎥×(4,100㎥-3,000㎥)=¥58,000
・電力料:基本料金¥30,000+従量料金¥25/kwh×(6,800kwh-4,400kwh)=¥90,000
したがって、測定経費は¥210,000となります。
月割経費
月割経費は月割計算によって当月の発生額を求める経費です。本問では資料5に示されているものが月割経費となります。
・工場建物減価償却費および機械減価償却費の合計¥1,500,000÷12か月=¥125,000
・保険料¥360,000÷6か月=¥60,000
したがって、月割経費は¥185,000となります。
発生経費
発生経費は当月に生じた額を計上する経費で、本問では資料6の材料棚卸減耗損¥10,000がこれにあたります。
仕訳
以上より、間接経費は¥467,000(=支払経費¥62,000+測定経費¥210,000+月割経費¥185,000+発生経費¥10,000)となるので、当月の経費の消費額を計上するための仕訳は次のようになります。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
仕掛品 | 150,000 | 経費 | 617,000 |
製造間接費 | 467,000 |