切放法と洗替法

問題

以下の各問いに答えなさい。ただし、仕訳が必要ない場合は借方の科目欄に「仕訳なし」と入力すること。なお、AA社株式は移動平均法、分記法によって記帳している。また、当期首において有価証券は一切保有していない。

目標タイム 8分

00:00

【問1】切放法によって、次の仕訳をしなさい。

①×2年3月20日、売買目的でAA社株式50株を1株@¥105で購入し、代金は普通預金口座から支払った。

②×2年3月28日、売買目的でAA社株式100株を1株@¥120で購入し、代金は普通預金口座から支払った。

③×2年3月31日、決算となった。決算日におけるAA社株式の時価は1株@¥118であった。

④×2年4月1日、期首となった。

⑤×2年4月5日、保有するAA社株式のすべてを1株@¥125で売却し、代金は普通預金とした。


【問2】仮に洗替法を採用していた場合、上記の④と⑤の仕訳はどうなるか答えなさい。

④の仕訳

⑤の仕訳




解答

借方金額貸方金額
売買目的有価証券5,250普通預金5,250
①の仕訳
借方金額貸方金額
売買目的有価証券12,000普通預金12,000
②の仕訳
借方金額貸方金額
売買目的有価証券450有価証券評価益450
③の仕訳
借方金額貸方金額
仕訳なし
④の仕訳
借方金額貸方金額
普通預金18,750売買目的有価証券17,700
有価証券売却益1,050
⑤の仕訳

解説

①と②の解説

「売買目的で」取得したので売買目的有価証券で処理をします。

①の金額:50株×@¥105=¥5,250

②の金額:100株×@¥120=¥12,000

平均単価:(¥5,250+¥12,000)÷150株=@¥115

③の解説

売買目的有価証券は決算において時価に評価替えをします。

簿価:¥17,250(¥5,250+¥12,000)

時価:¥17,700(150株×@¥118)

よって、簿価を時価まで切り上げるので売買目的有価証券を¥450増やして、簿価と時価の差額を有価証券評価益とします。

MEMO

「(時価@¥118ー平均単価@¥115)×150株=+¥450」で計算しても構いません。

④の解説

切放法では期末の時価を翌期の帳簿価額とするので、翌期首において仕訳は必要ありません。

⑤の解説

売却価額と帳簿価額(前期末時価)の差額を有価証券売却益で処理します。

(売却価額@¥125ー帳簿価額(前期末時価)@¥118)×150株=+¥1,050

解答

借方金額貸方金額
有価証券評価益450売買目的有価証券450
④の仕訳
借方金額貸方金額
普通預金18,750売買目的有価証券17,250
有価証券売却益1,500
⑤の仕訳

解説

①~③の仕訳は問1(切放法)と同じです。

④の解説

洗替法では翌期首において帳簿価額(前期末時価)を取得原価に振り戻し、取得原価を翌期の帳簿価額とします

MEMO

前期末に行った時価評価の逆仕訳をすればOKです。

別解

別解として、借方は「有価証券評価損」を使っても構いません。一般的には、評価損でも評価益でも「有価証券評価損益」という科目を使って仕訳を行い、損益計算書上は、借方に残高がある場合は「有価証券評価損」、貸方に残高がある場合は「有価証券評価益」として表示します。

MEMO

本問では練習のために、「有価証券評価損」と「有価証券評価益」を使い分けています。

⑤の解説

売却価額と帳簿価額(取得原価)の差額を有価証券売却益で処理します。

(売却価額@¥125ー平均単価(取得原価)@¥115)×150株=+¥1,500

MEMO

「売却額¥18,750ー取得原価¥17,250=¥1,500」で計算したほうがわかりやすいかもしれません。

切放法と洗替法

有価証券の評価益も売却益も、ともに有価証券の運用によって生じた損益であるとみた場合、どちらの方法でも利益に与える影響は同じになります。