次回の日商簿記試験(第162回)は2022年11月20日です

満期保有目的債券の仕訳と勘定記入問題

問題

次の各問いに答えなさい。なお、会計期間は×5年4月1日から×6年3月31日までの1年間である。

【問1】次の一連の取引について、仕訳を答えなさい。ただし、仕訳の必要がない場合は「仕訳なし」と明記すること。また、使用する勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと。

当座預金満期保有目的債券未収有価証券利息有価証券利息

①×5年10月1日、満期保有目的で額面総額1,000,000円のA社社債(利率:年1.2%、利払日:9月末と3月末の年2回、償還日:×10年9月30日)を額面@100円につき@96.0円で購入し、代金は小切手を振り出して支払った。なお、額面金額と取得原価の差額は金利の調整と認められない。

②×6年3月31日、A社債の利息が当座預金口座に振り込まれた。

③同日、決算日を迎えた。


【問2】次の一連の取引について、以下で示す各勘定に記入しなさい。ただし、使用する勘定科目等は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと。なお、総勘定元帳は英米式決算法によって締め切るものとする。

当座預金満期保有目的債券有価証券利息損益
前期繰越次期繰越

①×5年10月1日、満期保有目的で額面総額800,000円のA社社債(利率:年1.2%、利払日:9月末の年1回、償還日:×10年9月30日)を額面@100円につき@98.5円で購入し、代金は小切手を振り出して支払った。なお、額面金額と取得原価の差額は金利の調整と認められる。

②×6年3月31日、決算日を迎え、A社債について当期の未収分の利息を計上するとともに、償却原価法(定額法)で評価する。

勘定記入問題




解答

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 960,000 当座預金 960,000
当座預金 6,000 有価証券利息 6,000
仕訳なし

解説

①の仕訳

満期まで保有する意図をもって取得した社債等の債券は満期保有目的債券勘定で処理します。取得原価は次のように計算します。

取得原価:額面総額1,000,000円×@96.0円/@100円=960,000円

②の仕訳

有価証券の利息を受け取ったときは、有価証券利息勘定(営業外収益)で処理します。有価証券利息の金額は次のように計算します。

有価証券利息:額面総額1,000,000円×年利率1.2%×6か月/12か月=6,000円

注意

利払日は9月末と3月末の年2回あるので、3月末に受け取る利息は6か月分となります。ちなみに、この仕訳は決算整理仕訳ではなく期中取引の仕訳です。

③の仕訳

「額面金額と取得原価の差額は金利の調整と認められない」とあるので、取得原価をもって貸借対照表価額とします。つまり、評価替え等の決算整理仕訳は必要ありません。

満期保有目的債券の期末評価

満期保有目的債券は原則として取得原価で評価します。ただし、額面金額と取得原価の差額が金利の調整と認められる場合は、償却原価法にもとづいて算定された価額をもって貸借対照表価額とします。

解答

勘定記入問題

解説

①の仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 788,000 当座預金 788,000

取得原価:額面総額800,000円×@98.5円/@100円=788,000円

②の仕訳

未収分の利息の計上

有価証券利息のタイムテーブル

利払日と決算日が異なる場合、有価証券利息の未収分(取得日×5年10月1日~決算日×6年3月31日)を計上します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未収有価証券利息 4,800 有価証券利息 4,800

未収有価証券利息:額面総額800,000円×1.2%×6か月/12か月=4,800円

償却原価法(定額法)の適用

額面金額と取得原価の差額は金利の調整と認められる場合は、償却原価法にもとづいて算定された価額をもって貸借対照表価額とします。

償却原価法(定額法)とは、額面金額と取得原価の差額を取得日から満期日(償還日)に至るまで、毎期均等額を貸借対照表価額に加減する方法をいいます。

償却原価法(定額法)のタイムテーブル

(額面金額800,000円ー取得原価788,000円)×6か月/60か月=1,200円

借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 1,200 有価証券利息 1,200
MEMO

償却額は有価証券利息勘定で処理します。