次回の日商簿記試験(第163回)は2023年2月26日です

200%定率法2(改定償却率と保証率)

問題

当社は保有している備品(取得原価¥100,000、耐用年数5年、残存価額ゼロ)について、200%定率法により減価償却(間接法)を行っている。そこで、1年目から5年目までの減価償却に関する仕訳を答えなさい。なお、「①期首の未償却残高×償却率<②取得原価×保証率」となる場合は、期首の未償却残高に対して改定償却率を用いた減価償却を行う。保証率は0.10800、改定償却率は0.500とする。




解答

1年目

借方科目金額貸方科目金額
減価償却費40,000備品減価償却累計額40,000

償却率:(1÷耐用年数5年)×2=0.4

①(取得原価¥100,000ー期首減価償却累計額¥0)×償却率0.4=¥40,000

②取得原価¥100,000×保証率0.10800=¥10,800

∴「①>②」なので、減価償却費は①¥40,000となります。

2年目

借方科目金額貸方科目金額
減価償却費24,000備品減価償却累計額24,000

①(取得原価¥100,000ー期首減価償却累計額¥40,000)×償却率0.4=¥24,000

②取得原価¥100,000×保証率0.10800=¥10,800

∴「①>②」なので、減価償却費は①¥24,000となります。

3年目

借方科目金額貸方科目金額
減価償却費14,400備品減価償却累計額14,400

①(取得原価¥100,000ー期首減価償却累計額¥64,000)×償却率0.4=¥14,400

②取得原価¥100,000×保証率0.10800=¥10,800

∴「①>②」なので、減価償却費は①¥14,400となります。

4年目

借方科目金額貸方科目金額
減価償却費10,800備品減価償却累計額10,800

①(取得原価¥100,000ー期首減価償却累計額¥78,400)×償却率0.4=¥8,640

②取得原価¥100,000×保証率0.10800=¥10,800

∴「①<②」となるので、改定償却率を使って減価償却費を計算します。

期首の未償却残高(取得原価¥100,000ー期首減価償却累計額¥78,400)×改定償却率0.500=¥10,800

5年目

借方科目金額貸方科目金額
減価償却費10,800備品減価償却累計額10,800

前期末までに改定償却率を使って減価償却費を計算した場合は、それ以降も同額の減価償却費を計上します。

解説

残存価額をゼロとする200%定率法では、耐用年数が経過した後の簿価がゼロにならないという問題が生じます。

なぜなら、旧定率法の償却率は耐用年数経過後の簿価に残存価額が残るよう算定されるのに対して、200%定率法の償却率は単に定額法の償却率を2倍したものに過ぎないからです。

減価償却費減価償却累計額期末簿価
1年目40,00040,00060,000
2年目24,00064,00036,000
3年目14,40078,40021,600
4年目8,64087,04012,960
5年目5,18492,2247,776

・減価償却費:前年度の簿価×償却率0.4

・減価償却累計額:前年度の減価償却累計額+減価償却費

・期末簿価:取得原価¥100,000ー減価償却累計額

そこで、未償却残高(簿価)を残存耐用年数にわたって均等償却した場合の金額の方が大きくなった時に定額法(のような方法)に切り替えるということをします。※実際には¥1(備忘価額)までの償却となりますが、話を簡単にするために最終の簿価は¥0としています。

期首簿価償却費均等償却額期末簿価
1年目100,00040,00020,00060,000
2年目60,00024,00015,00036,000
3年目36,00014,40012,00021,600
4年目21,6008,64010,80010,800
5年目10,80010,8000

本問では4年目で未償却残高を均等償却した金額(¥21,600÷残り2年)の方が大きくなるので、この時点で均等償却額に切り替えます。

3年目の均等償却額は約0.34(1÷残り3年)が償却率になり、4年目の均等償却額は0.5(1÷残り2年)が償却率になります。

つまり、残り2年で200%定率法の償却率(0.4)を上回ることになるので、ここで改定償却率(0.5)に切り替えるわけです。

MEMO

改定償却率が0.5であれば、残存耐用年数が残り2年で定額法に切り替えるということになります。

同様に改定償却率が0.334であれば、未償却残高を1/3ずつ償却してゼロにするので、残存耐用年数が残り3年で定額法に切り替えます。

また、改定償却率が0.25であれば、未償却残高を1/4ずつ償却してゼロにするので、残存耐用年数が残り4年で定額法に切り替えるということです。

ただ、何年目で均等償却額の方が大きくなるのかをいちいち計算するのは大変です。そこで、誰でも簡単に計算できるように保証率というものが設定されているわけです。

保証率を使えば「取得原価×保証率」の方が大きくなった時に、均等償却額に切り替えればいいということが簡単に判断できます。要するに、減価償却費の最低限度額を保証するようなイメージです。

注意

保証率に掛けるのは取得原価です。簿価ではないので注意してください。