問題
以下の各取引について仕訳しなさい。ただし、勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと。なお、当期は3月31日を決算日とする1年間である。
現金 | 当座預金 | 普通預金 | 売掛金 |
未収入金 | 土地 | 買掛金 | 未払金 |
売上 | 固定資産売却益 | 仕入 | 発送費 |
保険料 | 固定資産売却損 |
- 当社が保有する営業用の土地¥900,000を甲商店に¥800,000で売却し、代金のうち¥600,000は同店振出しの小切手で受け取り、残額は後日受け取ることとした。
- 1.における土地の売却代金の残りが普通預金口座に振り込まれた。
- 保険料¥180,000を当期の8月1日に向こう1年分として支払ったが、2月中に解約した。保険会社から3月1日以降の保険料が月割で返金される旨の連絡があったため、この分を未収入金へ振り替える。
- 運送業者から前月分の運賃の請求書が到着し、その内訳は、商品の顧客への発送に関する運賃(当社負担)が¥130,000、商品の購入に関する引取運賃(当社負担)が¥60,000であった。なお、代金は翌月末に支払う条件となっている。また、仕入関係の取引にかかわる債務と仕入関係以外の取引にかかわる債務を区別して処理すること。
解答
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
---|---|---|---|---|
1 | 現金 | 600,000 | 土地 | 900,000 |
未収入金 | 200,000 | |||
固定資産売却損 | 100,000 | |||
2 | 普通預金 | 200,000 | 未収入金 | 200,000 |
3 | 未収入金 | 75,000 | 保険料 | 75,000 |
4 | 発送費 | 130,000 | 未払金 | 130,000 |
仕入 | 60,000 | 買掛金 | 60,000 |
解説
1と2の解説
ある取引が発生した場合に代金を現金で受け取らずに、相手を信用して後日受け取る約束をすることがあります。このような代金の未収に関する処理の方法は売却したものによって変わってきます。
商品の販売 | 商品以外のものを売却 |
---|---|
売掛金 | 未収入金 |
「売掛金」「未収入金」は、いずれも将来代金を受け取る権利を表すものなので資産となります。したがって、増加すれば借方に、減少すれば貸方に記入します。
3の解説
支払(8月)~解約(2月)までの7か月分はすでに経過しているので、当期の費用(保険料)となりますが、3月以降の5か月分は当期の費用とはなりません。そこで、この5か月分の金額を保険料から減額します。
¥180,000×5か月/12か月=¥75,000
注意
「返金される旨の連絡があった」だけで、実際にはまだ返金されたわけではないので未収入金で処理しておきます。4の解説
ある取引が発生した場合に代金を現金で支払わずに、後日支払う約束をすることがあります。このような代金の未払いに関する処理の方法は購入したものによって変わってきます。
商品の仕入れ | 商品以外のものを購入 |
---|---|
買掛金 | 未払金 |
「買掛金」「未払金」は、いずれも将来代金を支払う義務を表すものなので負債となります。したがって、増加すれば貸方に、減少すれば借方に記入します。
なお、「商品の顧客への発送に関する運賃」すなわち販売諸掛は当社が負担することになっているので発送費で処理をします。これは商品の仕入以外から生じた支払代金なので未払金で処理をします。
また、「商品の購入に関する引取運賃」すなわち仕入諸掛も当社が負担することになっているので、これを仕入原価に含めます。これは商品の仕入によって生じた支払代金なので買掛金で処理をします。
注意1
商品の仕入れと付随費用発生のタイミングがずれる場合でも、付随費用であることには変わりないので「仕入」に含めて処理します。 注意2
実務では、発送会社への代金の未払いはすべて「未払金」で処理することもあります。ただし、本問では「仕入関係の取引にかかわる債務と仕入関係以外の取引にかかわる債務を区別して処理すること」という指示があるため「買掛金」で処理します。付随費用の処理まとめ
仕入諸掛 | 販売諸掛 | |
---|---|---|
当社負担 | 購入原価(「仕入」)に含める | 「発送費」(費用)で処理 |
先方負担 | ①「立替金」で処理 ②「買掛金」から控除 |
①「立替金」で処理 ②「売掛金」に含める |
分からなかった人は復習


