継続記録法と棚卸計算法に関する問題

問題

当工場では、原料Xと消耗品Yを利用して製品を製造している。次の資料にもとづいて、以下に示す各勘定の( )内に適切な金額を記入しなさい。

目標タイム 16分

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【資料1】10月の材料の受入および払出に関する取引

  • 10月1日 原料Xおよび消耗品Yの月初有高はそれぞれ¥65,000、¥16,000であった。
  • 10月5日 A社より原料Xを¥398,000で仕入れた。
  • 10月10日 原料X¥320,000を払い出した。
  • 10月15日 B社より消耗品Yを¥45,000で仕入れた。
  • 10月20日 C社より原料Xを¥420,000で仕入れた。
  • 10月25日 原料X¥443,000を払い出した。
  • 10月30日 D社より消耗品Yを¥25,000で仕入れた。

【資料2】原料Xは継続記録法によって把握しており、消費価格は実際消費価格によって計算する。なお、棚卸減耗等は生じていない。

【資料3】消耗品Yは棚卸計算法によって把握している。消耗品Yの月末有高は¥11,000であった。

【資料4】製造間接費は原料Xの消費高を基準として予定配賦している。製造間接費の年間予算額は¥12,750,000、原料Xの年間予定消費高は¥8,500,000である。

材料

月初有高直接材料費
当月仕入高間接材料費
月末有高

製造間接費

間接材料費予定配賦額
間接労務費510,000配賦差異
間接経費620,000

仕掛品

月初有高350,000当月完成高
直接材料月末有高325,000
直接労務費182,000
製造間接費




解答

材料

月初有高81,000直接材料費763,000
当月仕入高888,000間接材料費75,000
月末有高131,000
969,000969,000

製造間接費

間接材料費75,000予定配賦額1,144,500
間接労務費510,000配賦差異60,500
間接経費620,000
1,205,0001,205,000

仕掛品

月初有高350,000当月完成高2,114,500
直接材料763,000月末有高325,000
直接労務費182,000
製造間接費1,144,500
2,439,5002,439,500

解説

原価の流れを図にすると次のようになります。材料に関しては原料Xと消耗品Yを別々に把握すると分かりやすいと思います。

原料X(継続記録法)

継続記録法では帳簿記録によって材料の払出高および月末有高(帳簿棚卸高)を把握します。本問では貸借の差額によって月末有高を計算します。

また原料Xは直接材料費となるので、この消費額を仕掛品勘定へ振り替えます。

消耗品Y(棚卸計算法)

棚卸計算法では材料の払出に関しては帳簿に記録せず、実地棚卸によって月末有高を直接把握し、貸借の差額で材料消費量を求めます。

また消耗品Yは間接材料費となるので、この消費額を製造間接費勘定へ振り替えます。

製造間接費の予定配賦

予定配賦率の算定

製造間接費は原料Xの消費高を基準として予定配賦するので、製造間接費の年間予算額を原料Xの年間予定消費高で割って予定配賦率を算定します。

予定配賦額の計算

予定配賦率に原料Xの実際消費高を掛けて予定配賦額を計算します。

@¥1.5×(¥320,000+¥443,000)=¥1,144,500

配賦差異の把握

予定配賦額と実際発生額の差額によって配賦差異を計算します。本問では実際発生額が予定配賦額を上回ってしまうので不利差異(借方差異)となります。

材料勘定への記入

材料勘定へは原料Xと消耗品Yの合計を記入していきます。

月初有高:原料X¥65,000+消耗品Y¥16,000=¥81,000

当月仕入高:原料X(¥398,000+¥420,000)+消耗品Y(¥45,000+¥25,000)=¥888,000

直接材料費:原料Xの当月消費高¥763,000

間接材料費:消耗品Yの当月消費高=¥75,000