次回の日商簿記試験(第163回)は2023年2月26日です

有価証券の端数利息に関する仕訳問題

問題

次の一連の取引について仕訳を答えなさい。ただし、使用する勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと。なお、売買目的有価証券は移動平均法、分記法によって記帳しており、端数利息の計算は日割、その他の利息の計算は月割で行う。また、当期首において売買目的有価証券は保有していない。会計期間は×5年4月1日から×6年3月31日までの1年間である。

当座預金売買目的有価証券未収有価証券利息有価証券売却損
有価証券評価損有価証券利息有価証券売却益有価証券評価益

①×5年6月19日、売買目的で額面総額1,000,000円の国債(利率:年0.365%、利払日:3月末と9月末の年2回)を額面@100円につき@98.0円で購入し、端数利息を含めた代金は小切手を振り出して支払った。

②×5年9月30日、保有する国債の利払日となり、利息が当座預金口座に振り込まれた。

③×6年1月8日、保有する国債のうち、額面総額200,000円を額面@100円につき@98.5円で売却し、代金は端数利息とともに当座預金口座に振り込まれた。

④×6年3月31日、保有する国債の利払日となり、利息が当座預金口座に振り込まれた。

⑤同日、決算につき、売買目的有価証券の評価替えを行った。なお、決算日における売買目的有価証券の時価は額面@100円につき@98.8円である。




解答

借方科目金額貸方科目金額
売買目的有価証券980,000当座預金980,800
有価証券利息800
当座預金1,825有価証券利息1,825
当座預金197,200売買目的有価証券196,000
有価証券売却益1,000
有価証券利息200
当座預金1,460有価証券利息1,460
売買目的有価証券6,400有価証券評価益6,400

解説

①の仕訳

利払日以外に社債や国債を売買した場合、その売買日において社債や国債自体の売買価額とは別に、直前の利払日の翌日から売買日までの日数に対応する利息を買主が売主に支払うことによって利息の調整を行います。このような利息を端数利息といいます。

端数利息の計算は次のように行います。

社債等の額面金額×年利率×経過日数/365日

=1,000,000円×0.365%×80日/365日

800円

経過日数は、直前の利払日の翌日(×5年4月1日)から売買日(×5年6月19日)までの日数です。

日数計算

「西(2月・4月)向(6月・9月)く侍(11月)」は少ない日数となります。したがって、経過日数は4月が30日、5月が31日、6月が19日なので、合計の80日となります。

計算上の注意点

経過日数の計算は直前の利払日の翌日売買日の両方を含めます。このような計算方法を両端入れといいます。

なお、社債や国債を購入したときに売主へ支払う端数利息は、有価証券利息勘定のマイナス(借方)として処理します。

②の仕訳

保有する国債の額面総額は1,000,000円なので、受け取る利息は1,825円となります。

社債等の額面金額×年利率×6か月/12か月

=1,000,000円×0.365%×6か月/12か月

1,825円

MEMO

この利息は端数利息ではないので、月割で計算します。

③の仕訳

有価証券の売却の仕訳と端数利息の受け取りの仕訳に分けて考えていきましょう。

有価証券の売却

簿価@98.0円の売買目的有価証券を@98.5円で売却したので、この差額を有価証券売却益(営業外収益)で処理します。

額面総額200,000円×(売却額@98.5円ー簿価@98.0円)/@100円=+1,000円(売却益)

借方科目金額貸方科目金額
当座預金197,000売買目的有価証券196,000
有価証券売却益1,000

(当座預金)売却額:額面総額200,000円×@98.5円/@100円

(売買目的有価証券)簿価:額面総額200,000円×@98.0円/@100円

端数利息の受け取り

端数利息の計算は次のように行います。

社債等の額面金額×年利率×経過日数/365日

=200,000円×0.365%×100日/365日

200円

経過日数は、直前の利払日の翌日(×5年10月1日)から売買日(×6年1月8日)までの日数です。

日数計算

経過日数は10月の31日、11月の30日、12月の31日、1月の8日の合計、100日となります。

借方科目金額貸方科目金額
当座預金200有価証券利息200

以上の2つの仕訳を合算したものが解答の仕訳となります。

④の仕訳

保有する国債の額面総額は800,000円(1,000,000円ー売却分200,000円)なので、受け取る利息は1,460円となります。

社債等の額面金額×年利率×6か月/12か月

=800,000円×0.365%×6か月/12か月

1,460円

MEMO

この利息は端数利息ではないので、月割で計算します。

⑤の仕訳

売買目的有価証券は時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益(営業外損益)とします。したがって、決算時には帳簿価額を時価に評価替えするための仕訳が必要となります。

額面総額800,000円×(時価@98.8円ー簿価@98.0円)/@100円=+6,400円(評価益)

「時価>簿価」となっているので、簿価を時価まで切り上げ、その差額を有価証券評価益(営業外収益)とします。