その他の引当金の問題(修繕引当金・賞与引当金・商品保証引当金・退職給付引当金)

問題

次の資料にもとづいて、【資料3】の決算整理後残高試算表を完成させなさい。なお、当期は×7年4月1日から×8年3月31日までの1年間である。

【資料1】決算整理前残高試算表(一部)

【資料2】決算整理事項等

(1)当期に営業用車両の点検修理を行った。決算整理前残高試算表における修繕引当金¥80,000はこの車両に対するものであるが、点検修理の代金¥100,000をすべて修繕費として処理していたため、決算においてこれを正しく修正する。また、当期の修繕引当金として¥150,000を見積り計上する。

(2)前期に品質保証付きで販売した商品について、無償修理の申し出があったため修理業者に修理を依頼し、代金¥12,000を現金で支払ったが、すべて仮払金で処理をしていた。また、次期に必要な商品の保証費用¥30,000を商品保証引当金として見積り計上する。

(3)翌年度における従業員に対する賞与支給額¥600,000(支給予定日:×8年6月20日、対象期間:×7年12月から×8年5月の6か月分)について、当期の負担額を賞与引当金に計上する。

(4)当期に退職一時金¥50,000を支払ったが、これを仮払金として処理していた。また、退職給付引当金の当期繰入額は¥80,000である。

【資料3】決算整理後残高試算表(一部)




解答

解説

(1)修繕引当金

①実際に行った仕訳(誤った仕訳)

借方科目金額貸方科目金額
修繕費100,000現金預金100,000

②正しい仕訳(あるべき仕訳)

借方科目金額貸方科目金額
修繕引当金80,000現金預金100,000
修繕費20,000

③修正仕訳

①実際に行った仕訳(誤った仕訳)を②正しい仕訳(あるべき仕訳)になるように修正仕訳を行います。

借方科目金額貸方科目金額
修繕引当金80,000修繕費80,000

修繕引当金の計上

借方科目金額貸方科目金額
修繕引当金繰入150,000修繕引当金150,000

(2)商品保証引当金

仮払金の振替

借方科目金額貸方科目金額
商品保証引当金12,000仮払金12,000

商品保証引当金の計上

借方科目金額貸方科目金額
商品保証引当金繰入22,000商品保証引当金22,000

¥30,000ー(¥20,000ー¥12,000)=¥22,000

(3)賞与引当金

借方科目金額貸方科目金額
賞与引当金繰入400,000賞与引当金400,000

¥600,000×4か月/6か月=¥400,000

【参考】翌期(×8年6月20日)に賞与を支払ったときは次のような仕訳になります。

借方科目金額貸方科目金額
賞与引当金400,000現金預金600,000
賞与200,000

(4)退職給付引当金

退職一時金の支払い

借方科目金額貸方科目金額
退職給付引当金50,000仮払金50,000

退職給付引当金の計上

借方科目金額貸方科目金額
退職給付費用80,000退職給付引当金80,000